小学生で宇宙飛行士に?!大森陽生くんの父・治幸さんの天才育児を分析

天才を伸ばす育児

宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙飛行士公募に挑戦した、福井県在住の小学2年生・大森陽生くん(8歳)。

宇宙への情熱がほとばしる大森陽生くんの応募を受け、JAXAの宇宙飛行士候補者募集・選抜チームが励ましのお返事を送るという粋な計らいをしたそうで、他人の私まで胸がワクワク。

福井新聞の動画ニュースで見た大森陽生くんの日常と、父・大森治幸さんの育児に関するコメントには、「子どもの天賦の才能を伸ばす育児の秘訣」がたくさん隠されていると感じましたので、動画の内容を分析してみました。

本当に「頭の良い子」を育てたいと願う親御さんに、ぜひ参考にしていただきたい内容です。

宇宙飛行士公募に挑戦した小学生・大森陽生くんへのインタビュー動画

引用元:YouTube動画 福井新聞社 <宇宙飛行士に小学1年生で“挑戦”した少年…熱いエントリーシートに応えたJAXAからの返事とは>

福井新聞のYouTube動画は、JAXAの宇宙飛行士公募に小学生ながらチャレンジした大森陽生くんと、父・治幸さんへのインタビューで構成されています。

インタビュー全体から際立つのは、「学ぶことが楽しくてたまらない」、笑顔が輝く陽生くんの姿。親に勉強を押し付けられている子どもが発する堅苦しさは、微塵も感じられません。

動画を見ているコチラまで、自然に顔が綻んでくるインタビューです。

宇宙飛行士に応募した大森陽生くんの父・治幸さんのプロフィール

宇宙飛行士に応募した大森陽生君の父・治幸さんのプロフィール。怪獣の画像
  • 元毎日新聞の記者
  • 現在は福井県鯖江市役所にお勤め
  • <恐竜を追え―「王国」福井30年の歩みとこれから>という本の著者

ネット検索を開始した私は、アッと驚きました。なぜかというと、陽生くんのお父様・大森治幸さんが毎日新聞の記者時代に執筆した記事を、私は何度も読んでいたのです!

福井県立大学が2018年、恐竜学部を新設したというニュースを小耳に挟み、詳細に興味津々となった私がたどり着いたのが、大森治幸さんによる記事の数々という偶然。その節は、大変お世話になりました。

新聞記者の業務は、ことばに敏感で、なおかつ批判的思考の持ち主でなければ全うできない職種のひとつだと思います。

ことばの表現力と、人から言われたことを鵜呑みにしない物事の捉え方は、天才児の才能を理想的に伸ばすために不可欠な要素だと、私は考えています。

大森治幸さんの経歴から察するに、親子間の会話のキャッチボールが、陽生くんのことばの発達と批判的思考力を自然に促す形でご家庭で行われていたのでは、というのが私の推測です。

関連サイト:福井経済新聞 <「恐竜王国福井」30年の歩みつづる書籍 鯖江市役所職員が自費出版> (更新日2020/06/05)(閲覧日2022/05/20)

【ことばを育てる会話のキャッチボール法】成功に導く7つのポイントが、以下↓の記事にまとめてあります。

なぜなぜ期に天才児の基盤・探究力を育てる読み聞かせのコツについては、コチラ↓の記事をご覧ください。

日本育ちの私が、スイスの大学で研究職についていたとき、もっとも手こずった批判的思考の術。詳細はコチラ↓の記事へ。

宇宙飛行士に応募した大森陽生くんの父・治幸さんに見る天才育児の極意

  • 出会い:好奇心を探究心に結びつけるきっかけを提供
  • 継続:学びは遊びのスイッチが入るようにサポート
  • 結果より経過:挑戦は未来の実りに結びつく
  • 共有:子どもが夢中になっている体験に興味を示し、一緒に楽しむ
  • 承認:子どもの個性を歪めず認める
  • 尊重: 子どもの自主性を重んじて、挑戦する姿勢を尊重

天才育児の極意①好奇心を探究心に結びつける出会いを提供

天才育児の極意①好奇心を探究心に結びつける出会いを提供。坂井市のエンゼルランドで撮った大森陽生くんの写真
引用元:YouTube動画 福井新聞社 <宇宙飛行士に小学1年生で“挑戦”した少年…熱いエントリーシートに応えたJAXAからの返事とは>

大森陽生くんが夢中になっている「宇宙」のテーマに出会ったのは、親御さんとお出かけした福井県児童科学館・エンゼルランドふくいがきっかけだとか。

「数をかぞえる」という子どもたちにとって親しみやすい行為から、科学への好奇心を膨らませ、 身の回りの世界の不思議を明かしながら、さらには未知の未来へと挑戦していく科学的探求心を育みます。

引用元:福井県児童科学館 エンゼルランドふくい

とホームページにあるように、エンゼルランドふくいにはスペースシアターや月面宇宙基地をはじめとする、さまざまな展示エリアが設置されています。さらに屋内/屋外のプレイエリアも大変充実している、夢のような科学館。私も訪問したい(笑)。

家族で一緒にお出かけする際に、子どもが何かにふれあい、体験学習を思う存分経験できる機会を親が提供してあげることは、本当の意味で賢い子どもを育てるために、大切なことです。

ウチの娘の熱中体験の対象は、動物でした。親子で動物園に通い詰めていた当時の様子は、コチラ↓の記事でご覧いただけます。

天才育児の極意②学びは遊びのスイッチを入れることで無理なく継続可能

天才育児の極意②学びは遊びのスイッチを入れることで無理なく継続可能

(記者)「いつ勉強しているんですか」

(大森治幸さん)「たぶん本人の中では遊びの延長って感じだと思うんですけど、起きてからとか学校へ行く前、帰った後、寝る前はよく遊んでますね」

引用元:YouTube動画 福井新聞社 <宇宙飛行士に小学1年生で“挑戦”した少年…熱いエントリーシートに応えたJAXAからの返事とは>

教育熱心な親御さんが陥りやすい問題行動は、学びと遊びを切り離してしまう育児法。

けれども本当に子どもを幸せにするために大事な親の役目は、「子どもが一生息切れしない学び方」、つまり「学びが遊びの延長になる方法」を、子どもに身につけさせること。

人は誰しも好きなことには自分から一生懸命取り組めるし、嫌気が差すこともないと、私たち親世代も自分の体験から知っていますよね。

「勉強するって、楽しいな〜」という、お子さんの心のスイッチがオンになるサポートをしてあげることが、親の仕事だと心得ましょう。

「頭の良い子」を育てるために、ドリルや暗記の練習を中心に知育をしている親御さんはぜひ一度、コチラ↓の記事をご覧ください。

天才育児の極意③結果より経過:挑戦は未来の実りに結びつく

天才育児の極意③結果より経過:挑戦は未来の実りに結びつく。大森陽生くんのエントリーシート
引用元:YouTube動画 福井新聞社 <宇宙飛行士に小学1年生で“挑戦”した少年…熱いエントリーシートに応えたJAXAからの返事とは>

合格しないことは確実にわかってたんですけど、近くの児童館の先生に「夢があっていいじゃないですか」と言われてやってみようかと思ったんです。

引用元:YouTube動画 福井新聞社 <宇宙飛行士に小学1年生で“挑戦”した少年…熱いエントリーシートに応えたJAXAからの返事とは>

もし小学生が「宇宙飛行士に応募したい」と、胸の内を打ち明けても、たいていの大人は「はいはい、じゃあもっと牛乳飲まないとダメよ」的な態度で、子どもの真剣な気持ちを受け止めないのではないでしょうか。

今回大森陽生くんが実際にJAXAに応募した挑戦は、彼にとって貴重な経験になり、より具体的に将来の夢に結びついたことでしょう。

親御さんだけではなく、陽生くんのまわりにいる大人が彼の夢を尊重して、「やってごらんなさい」と背中を押してあげる環境は、言葉を失うほど素晴らしい。動画の視聴者である私は、感無量になりました。

天才育児の極意④共有:子どもの熱中体験を親子で共有

天才育児の極意④共有:子どもの熱中体験を親子で共有。すいせん打ち上げ時の大森親子
引用元:YouTube動画 福井新聞社 <宇宙飛行士に小学1年生で“挑戦”した少年…熱いエントリーシートに応えたJAXAからの返事とは>

・・・これはもう、動画内の1シーン↑からも明らか。2021年3月に行われた福井県の県民衛星「すいせん」の打ち上げ見学イベントに参加した大森陽生くんとお父様の治幸さんが、お手製のかぶり物を着けてポーズを取っている姿は、本当に微笑ましい。しかも、よくお似合いです(笑)。

おふたりが手に掲げているプラカードとかぶり物の作成中、和気あいあいとすいせん打ち上げのテーマを共有していたことが、画面からも伝わってきます。

自分と他人が同じ対象のものに興味を持ち、体験を分かち合うことは、私たち人間の欲求のひとつ。なかでも、親子で一緒に<注意の共有>をする体験は、子どもの才能を最大限伸ばす秘訣なのです。

ですからスマホは、育児中の親御さんの心をたぶらかすイケナイ道具。あなたは、大丈夫ですか?

天才育児の極意⑤承認:子どもの個性を歪めず認める

天才育児の極意⑤承認:子どもの個性を歪めず認める。大森陽生君お手製の数学の本
引用元:YouTube動画 福井新聞社 <宇宙飛行士に小学1年生で“挑戦”した少年…熱いエントリーシートに応えたJAXAからの返事とは>

無意識のうちに、親は自分が興味を持っていることを、子どもに押し付けてしまう傾向があります。

大森治幸さんご自身は文系とのことですが、対する陽生くんは、宇宙飛行士か数学者のどちらかが現段階での将来の夢と答えているように、理系の学問がもっともアツい興味の対象。

そしてプロフィールからもわかるように、大森治幸さんは「恐竜」というテーマを取り上げた本の著者。福井県が「恐竜大国福井」と呼ばれるようになった背景を、新聞記者時代に連載記事で投稿していた経歴を考えれば(詳細は福井経済新聞の記事をご参照ください)、息子の陽生くんが「恐竜」に興味を持つように促したとしても、不自然な流れではありません。。

けれども大森家では、陽生くん自身が夢中になれるテーマ「宇宙と数学」を、そのまま受け入れてサポートしていらっしゃることが明らかです。

「そんなこと、大した問題ではないでしょ…」と思われるかもしれませんが、「私がバイオリンを習うのが夢だったから、子どもにバイオリンを習わせる」と得意げに話す親御さんに、私は何人お目にかかったかわからないほど。

特に幼少期の子どもは、

親の趣向や意見を受け入れない = 親に愛されない

と考える傾向があります。

ですから、親が子どもの個性を認めて、子どもが自分自身の興味の赴くままに探求に勤しめる状況を作ってあげることは、できそうでできない難題だと言えるのです。

みなさんも、ぜひこの点を意識しながらお子さんに向き合ってくださいね。

天才育児の極意⑥尊重:子どもの自主性と挑戦する姿勢を尊重

天才育児の極意⑥尊重:子どもの自主性と挑戦する姿勢を尊重。宇宙飛行士の画像

大森陽生くんの才能は、多岐にわたる素晴らしいもの。

すでに天文宇宙検定3級・数学検定3級の保有者であるとともに、小学校のマラソン大会で6位、福井県書道教育研究会競書大会特選の実績。

さらに好きな科目は数学・物理・化学・国語・社会。そして英語を「自分の頭で考える」レベルでマスターしていることも、動画での様子から明らかです。

世間一般の見地では、陽生くんが興味を示し、打ち込んでいる分野は多すぎるかのような印象さえ受けます。

しかし、天才児認定を受けた娘を育てた母の立場から申し上げますと、本当に自分の才能を開花させるチャンスに恵まれた子どもは、あるとあらゆる自分の可能性を追求できないと、退屈してしまうのです。

子どもが自分から進んで何かにチャレンジしたい意思を示したら、その姿勢を尊重してあげることも、優れた才能を伸ばすために必要な親の役目。

まっさらな子どもの心には、「できない」の文字はありません。子どもの周囲にいる大人たちが、「できないからやめなさい」と定義するために、いつしか子どもも「自分にはできない」と考えるようになるのです。

今回の私のブログ記事の引用元、福井新聞のYouTube動画のインタービュー公開時点(2022年5月4日)では、陽生くんは数学検定4級にの保持者。
その後、陽生くんが3級に見事合格したとのことで、福井新聞が新たにインタビュー動画を公開しています(公開日2022年5月20日)。コチラ↓がその動画。おめでとうございます!

追記:大森陽生くんにインタビューする福井新聞の記者の態度が好印象

今回のブログ記事の内容には直接関係ないのですが、YouTube動画内で大森陽生くんにインタビューをしている福井新聞の記者の方の質問態度が、大変感じが良いのです(残念ながらお名前が不明)。

天才少年とはいえ、陽生くんはまだ小学2年生。それでも福井新聞の記者の方は、常に同じ目線に立ち、親近感のある、けれども馴れ馴れしくない態度でインタビューを行なっているというのが、私が受けた印象。

プロなら当然なのかもしれません。ですが、子ども相手となるとつい真剣味に欠ける対応をする大人は、予想以上にいます。特に、天才児相手だと「まだ子どものくせに…」みたいな不快感を表す大人が意外と多いと、天才児の子育て中に私も体験しております。

ですからなおさら、福井新聞の記者の方の好印象が、際立ちました。

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今回の記事を執筆するにあたり、福井県は幸福度ランキングで4回連続No.1であることを遅ればせながら知りました。幸福度ランキング連続王座・福井県の魅力に興味のある方は、コチラ↓の記事をご覧ください。

まとめ:大森陽生くんの父・治幸さんに見る天才児教育の極意

  • 出会い:好奇心を探究心に結びつけるきっかけを提供
  • 継続:学びは遊びのスイッチが入るようにサポート
  • 結果より経過:挑戦は未来の実りに結びつく
  • 共有:子どもが夢中になっている体験に興味を示し、一緒に楽しむ
  • 承認:子どもの個性を歪めず認める
  • 尊重: 子どもの自主性を重んじて、挑戦する姿勢を尊重

今回の記事でまとめた大森陽生くんと父・治幸さんのインタビュー動画から分析した内容は、【天才児教育における親の「あるべき姿」6ポイント】としてまとめた、オリンピックの金メダリスト、平野歩夢さんの父・英功さんのコーチング法と、奇しくも重なる子育ての方法です。

興味のある方は、コチラ↓の記事もご覧ください。

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ちなみに、福井新聞の動画インタビューを受けた際、大森さん親子が着ているTシャツの等式、
e + 1 = 0」は、物理学者のリチャード・ファインマンが「This is our jewel」と呼んだオイラーの等式

この等式を導いたスイス人の数学/天文学者、レオンハルト・オイラーは、私の出身校・バーゼル大学の大先輩なので、個人的にとてもうれしかったです。

・・・とはいえスイスでは、同窓生の連帯感を意識する機会は、ほぼゼロに等しいのです。興味のある方は、コチラ↓の記事へどうぞ。

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