幼少期に頭の良いお子さんの親御さんが、陥りやすい「間違った才能の伸ばし方」は何か、ご存じですか?
正解は、ドリルや暗記を主力にする先取り・詰め込み教育です。
ドリルや暗記に頼る知育法では、生まれつき頭の良いお子さんの天賦の才能が、伸びるどころか中学生になる前に潰されてしまうのです。
頭の良い子が、先取り・詰め込み教育で潰れてしまうと私が断定できるのは、ダメになった子どもたちの実例を、間近で見てきたから。
才能に恵まれた子どもたちの教育を重点項目に挙げていた娘の母校で、「天才児ではなく、ただの人」になった子どもの両親は100%、先取り・詰め込み教育の実践者でした。
先取り・詰め込み教育で鍛えられた才能ある子が中学前に潰れるワケ

ドリルと暗記をメインにして得る知識には、土台がありません。
けれども厄介なのは、ドリルと暗記重視の先取り・詰め込み教育は小学校の特に低学年の間、「偽の輝き」をテストの成績にもたらすこと。
学年が上になるにつれて成功体験より、ガリ勉による息切れ体験が増えてくる子どもの成績は徐々に降下し、遅くとも思春期の始まる11歳前後には、先取り・詰め込み教育による優秀さのメッキが剥がれてきます。
悲しいけれど、私が何度も目にした現実です。
【体験学習が頭の良くなるカギ】体験→思考→実行で本物の学力を育成

生まれつき頭の良い子を、成長しても「頭の良い子」に育てる秘訣は、「体験学習」にあります。
直接、自らの体験で得る学力は本物なので、天才のメッキが剥がれることも、天才ともてはやされて成長する子どもが途中で息切れすることも、ないのです。
体験学習で本物の学力が生まれるプロセス【体験→思考→実行】
- 体験
感覚器官を通じて、さまざまな周囲の物や現象を知ること
見る・聞く・味わう・嗅ぐ・触れる - 思考
体験から生まれた疑問を概念化し、理論で捉えることで、知識がつく - 実行
思考過程で得た知識を実践・応用する
自分の体験から「何だろう?」と湧き上がる好奇心を、「なぜだろう?」という探究心に結びつけ、試行錯誤から知識を得る。そして新たに得た知識を応用するという3段階で身につく「学びの力」では、学ぶ過程の主導権は子どもにあります。
ですから、自分が心底興味を持った疑問の答え探しをする過程で、本物の知力・探究力・継続力が身につきます。
また、疑問に対する答え探しにつきものの失敗を乗り越えるためには、抵抗力だけではなく、答え探しをサポートしてくれる人とのコミュニケーションも必須。自分の考えを相手に伝えるためには、言語力・社交力も必要になるので、結果的に「才能を開花させるために大切な能力」が育つのです。
体験学習から得る能力は、子どもが恵まれた才能を生かして、目的達成が可能な満足度の高い人生を歩むための基盤になります。

ギフテッド児を育てた心理学博士の母の本音です!
頭の良い子には、直接体験の知育をせよ:元・天才児親子にならないで

知育への誤解が、親を先取り・詰め込み重視教育に走らせ、生まれつきとても頭の良いお子さんを、ダメにしてしまうケースを何件見たことか。
ムダになった才能と、心が傷だらけになった子ども。そして自分の間違いに気づけないまま、子どもに失望し、子どもを傷つける親。
「元・天才児」を抱える家庭では、親子ともに落胆した人生を歩む、悲惨な結果が待ち受けています。
物覚えが早い、集中力に優れているなど、幼いお子さんの行動から、「頭の良さ」を発見したら、先取り・詰め込み重視教育ではなく、本物の学力を伸ばす育児を心がける親御さんが、1人でも増えることを願ってやみません。
わが家で実践していた体験学習の一例を挙げましたので、よろしかったらコチラもどうぞ。
東京学芸大学 I 体験活動と学びの過程 (閲覧日2022/01/15)