【わが家のギフテッド児】3歳児での特徴/批判的思考の芽生え

飛び級児成長記

なぜなぜ期に入った3歳当時の娘にとって、この世界は疑問の宝庫。ところがギフテッド娘の思いつく疑問は難題だらけで、私が即答できないことばかり。

数多くの難題を書き留めるメモを片手に、「何?・なぜ?・ホント?・自分で確かめなきゃ・わかった!」の批判的思考プロセスを繰り返す娘のサポートに明け暮れる日々でした。

【わが家のギフテッド児】3歳児での特徴/難題だらけの「なぜ?」

4つの赤い風船に疑問符

娘が「なぜ?」と問いかけてくる疑問は、難易度の高いものばかり。

クイズミリオネアで出題されても、テレフォンジョーカーで御意見番にお知恵を拝借しないと答えがわからないような難題が、娘の頭には毎日浮かんでいました。

例えば、

  • 牛が食べ物を反芻する際、吐き気はしないのか?
  • 卵の色は、なぜ白と茶色があるのか?
  • 池の水が凍ると、中にいる魚はどうなっているのか?

と、当時獣医さんになることを夢見ていた娘の関心は、動物関連の疑問が中心でした。

これらの疑問を解明するために、娘が毎日取り組んでいたのは「批判的思考」による謎解きです。

【わが家のギフテッド児】批判的思考によるなぜなぜ期の謎解き

批判的思考とは?

与えられた答えを鵜呑みにするのではなく、自分の頭を使ってあらゆる面から答えの根拠を探り、実際に自分で検証する体験を通じて「なぜ?」という疑問を解明する思考プロセスのことです。

ギフテッド娘が3歳時に適用していた批判的思考のプロセス

  • 具体的な疑問点:「何だろう?」
  • 情報集め:「なぜだろう?」
  • 情報の評価:「ホントかな?」
  • 実際に検証: 「自分で確かめなきゃ」
  • 再検証:「もし他の答えが見つかったら、また調べよう」

実際に、娘が批判的思考を活用してどのように謎解きに挑んでいたのか、私たちにとって忘れられないエピソードをご紹介しますね。

【わが家のギフテッド児】3歳児での特徴/批判的思考の誕生物語

動物園の看板

毎日欠かさず、虫かごとルーペを手にして生き物の観察をしていた娘のために、わが家では動物園の年間パスを購入していました。

当時、動物園を訪れる頻度は、週に2〜3回。
保育園は週に3日のペースで通っていたので、他の自由時間はとにかく動物園に入りびたり。

私たちほど年間パスを利用した家族はいない、と動物園のきっぷ売り場の女性が笑っていました。

ワニに向いた興味の芽

潜水するワニ

その日は、リスザルの赤ちゃんが初お披露目ということで、動物園の中はいつもよりにぎわっていました。まわりのにぎわいをよそに、娘が直行したのはワニの水槽。

娘よ、なぜよりによってワニ?
と聞きたい気持ちをこらえ、すっかり自分の世界に入ってしまった娘と共に、ワニの観察を始めました。

水槽には、2匹のニシアフリカコビトワニがいたのですが、1匹は石の上でゴロンと横になり、もう1匹は水の中に完全に潜っている状態。

しかし、ワニは動かない。うんともすんとも、動かない。

10分ほど経過してから、娘が私に言いました。
「ママ、あのワニ死んでるみたい。飼育係の人を呼ぼう」と、必死の形相です。

「ワニは、あまり動かないのかも」となだめたのですが、
「でも、水の中にいるワニ、ずっと潜ってるのは変。この間のスイミングで、潜って息をはく練習したから、変だってわかるの。さっきから、(はいた息の)泡がひとつも出てないんだもん」

はは〜ん、だから今日はワニなのか、と私は納得。
確かに娘の言う通りなので、飼育員の人を探して話しかけたところ、「ワニは、30分から1時間くらい水中にいることができるので、心配いりません」とのこと。

娘がワニに興味を持ったのは、この日が初めてだったので、帰宅後は、親子で動物図鑑とにらめっこして、ワニの生態について一緒に調べました。

ワニの潜水時間を自分ではかることに挑戦

目覚まし時計

その翌々日。再び動物園に向かう前、娘は私の目覚まし時計を貸してほしいとお願いしてきました。

目覚まし時計を1時間後にセットして、ワニの潜水時間をはかりたいと言うのです。

むむ、これは長期戦になるゾと思い、私は次の提案をしました。

  • ワニがいつから水の中に潜っていたのかわからないので、私たちの到着時に潜水していた場合は、1時間まで待ってOK
  • ワニが陸にいた場合、1時間すぎても潜水しないようなら、また次回観察を続ける


その日も、1匹が潜水中だったので、観察をスタート。
ところが20分経ってから、予想外のことが起きました。

週に1回もらえる餌の時間となり、ワニが水面に浮上。

ワニが魚を食べる様子を観察する機会に恵まれて、満足した反面、ワニの潜水時間は本当に30分〜1時間なのかを自分で調べたかった娘は、ちょっとガッカリ。

娘の真剣な態度を見た親切な飼育員の方は、翌週に飼育員が説明役でガイドにつく、小学生の校外授業がいくつか行われること、そしてガイドの説明を静かに聞けるなら、校外授業のグループにくっついて参加してもかまわない、と許可してくださったのです。

自分の選んだナゾがテーマになって大喜び

夕日に向かって万歳する子ども

校外授業が行われる日が夫の休日と重なったので、その日は3人で動物園に向かいました。

グループ最後尾の位置からでも、説明する飼育員の人が見えるように夫に肩車されていた娘は、夢中でお話に聞き入っていました。

いくつかの動物の案内が終わり、ワニの水槽の前に到着した校外授業のグループに、飼育員の人が問いかけました。

「ワニは、どのくらいの時間水の中に潜っていられると思いますか?」
「息をしないといけないから、1分?」
「え〜、3分くらい?」

ひとしきり小学生たちの元気な声が飛び交いましたが、正解は出てきませんでした。

「他の意見はありますか? これが最後のチャンスです」と飼育員の人がたずね、グループが静まり返ったときでした。

「1時間です」と、夫に肩車されていた娘が、突如発言!

校外授業への参加を許可してくれた飼育員の人に「おぼえていたんだね!」とほめられ、「すっごい!」と娘に笑顔をむけてくれた小学生たちや引率の先生のどの笑顔よりも、娘の笑顔がピカピカ輝いていたことをおぼえています。

学ぶ喜びを、娘が実際に体験できた大切なひとときでした。

好奇心から生まれた力を未来の学ぶプロセスにつなげる

段ボールを飛行機にして遊ぶ女の子

ワニの潜水時間の観察を無事に終えた娘が、次のターゲットに選んだのは、トマトガエル。選択が、渋い。

このときから、

  • 動物図鑑で生態を調べる
  • 動物園で観察する

という作業のコンビネーションを娘が自分から進んで使うようになったので、娘の「学ぶ力」が未来につながり、ぐんと広がったことを、親の私は実感することができました。

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【わが家のギフテッド児】まとめ・3歳児での様子

  • なぜなぜ期の謎は、批判的思考に基づいて解明
  • 謎解きの情報集めに必要な図鑑の使用を開始
  • 謎解きを子どもが自分で体験できるように、親がサポート
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