【子どもへの音楽教育】親の役目は環境作り〜非認知能力を伸ばす育児

飛び級児成長記

音楽に親しむ環境で育ったことは、8歳で天才児認定を受けた娘の成長に大変良い影響を与えたと、私は実感しています。

「プロを目指すべき」というピアノの先生の意見ではなく、本人の意思を尊重した結果、現在娘は趣味でピアノを嗜んでおります。

しかしながら、幼少期から成人するまで常に生活の一部であった音楽は、学校の授業だけでは学べない非認知能力の習得に役立ったと、私は親の立場で感じることがしばしばありました。

今では成人している娘本人も、「ピアノが習えてよかった」と口にしていますので、やはり音楽は娘の人生の素敵な伴奏者になったようです。

そこで今回の記事では、子どもの全般的な才能を引き出すために、わが家で実践した音楽環境作りの試みをご紹介したいと思います。記事の内容は、子どもの非認知能力を伸ばす音楽教育に重点を置いた体験談に基づくものであり、音楽の英才教育に関する情報ではありません。

注)娘が0〜3歳の間、わが家には楽器がありませんでした。
リコーダー購入は4歳の時、ピアノを購入したのは、7歳でレッスンに通うようになってからです。

天才児認定を受けた娘の育児でわが家が実践した音楽教育環境作り

天才児認定を受けた娘の育児でわが家が実践した音楽教育環境作り

【音楽環境作りの試み】

  • 0歳:童謡に馴染む
  • 1歳:CDに合わせて娘が歌う
  • 2歳:保育園で習う歌の楽譜を手に入れ、親子で歌唱(娘が先生役)
  • 3歳:保育園と幼稚園の歌を親子で歌唱 (子どもが興味を示すときには楽譜も見る)
  • 4歳:親子でリコーダー合奏
  • 5歳:リコーダー合奏曲のレベルアップ
  • 6歳:いろんな種類の楽器に出会う機会作り
  • 7歳:本人がピアノのお稽古を希望・開始
  • 9歳:先生の提案によるプロの道を目指すのではなく趣味で継続と本人が決断
  • 〜19歳まで:週1回のピアノのレッスンと年1回のコンサート活動。ピアノ演奏のアルバイト。現在は趣味としてピアノ演奏を嗜む

【子どもへの音楽教育】0歳:童謡に馴染む

【子どもへの音楽教育】0歳:童謡に馴染む

娘が0歳の時には、童謡のCD絵本を購入し、音楽を聴きながら一緒に挿絵を見て歌ったり、日常生活で歌詞と同じ状況に出会ったら歌を口ずさんだりと、自然に音楽とふれあう毎日を過ごしていました。

【子どもへの音楽教育】1歳:CDに合わせて娘が歌う

【子どもへの音楽教育】1歳:CDに合わせて娘が歌う

1歳になると、娘は童謡のCDに合わせて歌うことを好むようになりました。自分の声が反映されるマイク付きのCDプレイヤーをプレゼントしたところ、非常に気に入って毎日ボイストレーニングに勤しんでいました。

【子どもへの音楽教育】2歳:保育園で習う歌の楽譜を獲得、親子で歌唱

【子どもへの音楽教育】2歳:保育園で習う歌の楽譜を獲得、親子で歌唱

スイス育ちの娘が保育園で習う歌は、日本で育った私が知らない童謡ばかり。そこで保育園に曲名を教えてもらい、すべての歌詞付き楽譜を購入しました。

保育園で新しい歌を習うたび、娘が先生役となって歌詞とメロディーを私に披露してくれましたので、親子で声を合わせて大合唱。

ちなみに日頃の歌唱特訓のおかげで、クリスマスパーティの時にスイスでお馴染みの歌を全曲そらで歌えたことは、嬉しかった思い出です。娘が「ママは日本人だけど、全部歌えるのよ」と、大喜びしていましたので。

【子どもへの音楽教育】3歳:保育園と幼稚園の歌を親子で歌唱

【子どもへの音楽教育】3歳:保育園と幼稚園の歌を親子で歌唱

3歳を過ぎる頃から、娘は次第に「まだ習っていない歌」の楽譜にも興味を示し、「どんな歌なのか知りたい」と言い出しました。

ですから、これまでの自宅での歌のレッスンを拡張し、娘が習ってきた歌は、まず私が娘から耳コピで歌詞とメロディーを学習。娘がまだ習っていない歌は、音符の説明をしながら一緒に歌の練習、というふうに工夫していました。

この際、娘が飽きることを避けたかったので、未知の歌の音符学習はほどほどに、と心がけていました。

【子どもへの音楽教育】4歳:親子でリコーダー合奏

【子どもへの音楽教育】4歳:親子でリコーダー合奏

「就学前は、遊ばせよ」というのが、私の育児信念。

4歳当時、娘の探究心は動物の観察と図書館での動物生態調査に集中しており、またスイミングのお稽古にも真剣に向き合っていました。

週3回保育園に通い、動物園+図書館訪問も週3〜4回のペース、週1回はスイミングというスケジュールを、これ以上過密にすることは避けたい、というのが私の本音だったのです。

なぜなら、情報はインプットされるだけではなく、自分の考えとして消化される時間がないと、有意義なアウトプットにつながらない。そのためには、何もせずにボーッとする時間も残しておかなくては。

そこで、娘の音楽への興味を自宅でサポートする方法として、リコーダーを購入しました。

同時に、リコーダーの初心者・親子用の楽譜も手に入れ、保育園と幼稚園で習う歌とともに、週に2〜3回のペースで短時間(10〜15分ほど)親子でのリコーダー演奏を楽しむようになりました。

私は特にリコーダーが得意だったわけではなく、小学校で習った知識を記憶から呼び起こしている状態でした。それでも事足りましたので、日本の学校教育の基盤の確かさを再発見できました。

【子どもへの音楽教育】5歳:リコーダー合奏曲のレベルアップ

【子どもへの音楽教育】5歳:リコーダー合奏曲のレベルアップ

娘は上達が早かったので、クラシックの名曲をリコーダー用に編曲してある合奏用の楽譜を購入し、親子で演奏することが習慣になりました。

練習時間はたいてい週末。週に1回のペースで練習をしていましたが、天候が悪い日や冬季には練習時間と回数を増やすなど、あくまで気楽に合奏を楽しんでいました。

【子どもへの音楽教育】6歳:いろんな種類の楽器に出会う機会作り

【子どもへの音楽教育】6歳:いろんな種類の楽器に出会う機会作り

娘が小学校に入学したら、楽器のお稽古をスタートする予定だった、わが家の習い事への姿勢。

現地スイスの州認定音楽学校では、オープンドア・デイがあり、楽器各種の演奏を楽しむ・楽器を実際に手にする・担当の先生に質問するなどの機会が設けられていましたので、積極的に参加しました。

また、マチネや短時間のクラシック公演、ストリート・ミュージックフェスティバルなども度々訪れ、実際に演奏していらっしゃる音楽家の人たちを間近で目にするきっかけは、娘に十分与えたと思います。

「楽器のお稽古をひとつする」という条件を、私たち両親は出していましたが、どの楽器にするかは娘自身が決めていい、という約束を交わしていました。

【子どもへの音楽教育】7歳:本人がピアノのお稽古を希望・開始

【子どもへの音楽教育】7歳:本人がピアノのお稽古を希望・開始

娘が7歳の時、現在の住まいへと引っ越したのですが、その際大雪により新築工事が大幅に遅れ、家具付きの仮住まいを探す事態になりました。

その仮住まいにはピアノがあり、娘はこの時点で初めて母親がピアノを弾けることを発見し、大感激。ピアノのお稽古歴10年ほどだった私が奏でる童謡の数々は、娘の耳には内田光子さんによるモーツァルトばりの素晴らしさだったようです(笑)。

仮住まいでピアノのある生活を体験するまで、娘はハープに興味を示していたので、念の為、ハープとピアノのお試しレッスンを音楽学校で受講させましたが結局、娘が選んだのはピアノでした。

【子どもへの音楽教育】9歳:プロの道ではなく趣味で継続と本人が決断

【子どもへの音楽教育】9歳:プロの道ではなく趣味で継続と本人が決断

ピアノ教師から、将来ピアニストになるための音楽教育を施すべきだと提案されるも、娘の意思を尊重し、趣味としてお稽古を継続すると家族で決断しました。

ピアノの先生は、「音楽家ではない親が子どもの才能を潰している」と、大変ご立腹でした。でも、たかが9歳とはいえ、娘自身が「私はピアニストになりたくないから、プロになる努力ができない」と断言していたので、私たちは彼女の意見を尊重したまでのことです。

娘本人は、私たち両親のサポートに、感謝していると今日まで話しております。

・・・親の立場にしてみると、「言うは易く行うは難し」。娘の自主性を重んじる育児は、私たちにとって容易くはなかった、と言うのが本音です。

【子どもへの音楽教育】19歳までレッスン継続。現在は趣味で嗜む

【子どもへの音楽教育】19歳までレッスン継続。現在は趣味で嗜む

7歳の時からお世話になった、プロのピアニストである先生のもとで、12年間週1回のペースでレッスンを受講。年1回のコンサート活動やピアノ演奏のアルバイトという貴重な経験も積むことができました。

大学進学後、講義時間とピアノの授業時間の調整がつかず、レッスンに終止符を打ちました。

現在、娘は趣味としてピアノ演奏を嗜んでおります。

【子どもへの音楽教育】好影響を与えた要因〜心理学博士・母の作戦

【子どもへの音楽教育】好影響を与えた要因〜心理学博士・母の作戦

子どもへの音楽教育で私が最優先したこと=子どもが楽しめる環境作り

何事も、楽しくなければ続かない。楽しんでチャレンジできなければ、才能が芽を出すわけがない…と、私は考えております。

あまり肩肘張らずに、親子で過ごす時間をより楽しくしてくれるのが音楽の存在だと受け止めるのが、子どもにとって心地よい音楽教育環境を幼少期に家庭で作る秘訣だと思います。

娘が7歳でピアノのレッスンを開始してからは、お稽古の練習曲以外にもクリスマスメドレーやポップミュージックを親子で連弾するなど、ピアノを通じて親子で遊べる時間を充実させることに、気を配ってきました。

娘の上達ぶりはめざましく、ピアノのレッスンを始めてから短期間のうちに、私は追い越されてしまいましたが、親として非常に嬉しく感じておりました。

【子どもへの音楽教育】親の立場から実感した好影響と本人の意見

【子どもへの音楽教育】親の立場から実感した好影響と本人の意見

<親の意見>

  • 自分自身との約束を意識
  • 集中力/忍耐力/継続力/経験から学ぶ力=非認知能力の育成

<子どもの意見>

  • 達成感
  • ストレス解消

娘が通っていた音楽学校では、年に1回行われるコンサートへの参加が義務づけられていました。

先生は、負けず嫌いの娘の性格をよくおわかりだったようで、彼女がちょっと背伸びすれば到達できる曲と、あまり練習しなくても克服できる曲を提案してくださるさじ加減がとてもお上手(笑)。

娘は毎回のことながら、「やっぱり難しい方に挑戦するわ」と嘆きつつも、「自分で選んだ目標だから、コンサートでは上手に弾きたい」と、自ら進んで練習に励んでいました。

発表曲の楽譜をもらったばかりの時には毎回、「本当にこの曲がこなせるのかな」的なレベルで、心配になるほど。

ですが娘も私たちも、「去年の曲もそうだったから、この曲も弾けるようになる」と、信じて疑いませんでした。

自分が納得できるレベルまで練習を続ける姿勢から、学校の授業だけでは身に付かない「非認知能力」(集中力/忍耐力/継続力/経験から学ぶ力)を、娘がピアノのお稽古を通じて習得できたのでは、と思います。

本人曰く、「できなかったことができるようになる達成感」を味わえたのが、ピアノのお稽古の魅力だったそうです。

ものすごくストレスが溜まっている時には、ピアノを弾くことに没頭すればスッキリするそうです。

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わが家のケースでは、子ども自身が最も強い興味を示した探究心の方向性が音楽ではなかったため、以上のような形で「本人の意向を尊重して才能を伸ばしつつ、音楽に親しむ機会も与える」という育児をおこなってきました。

もし、あなたのお子さんが楽器や音楽にことさら強い興味を示すようであれば、もっと早い段階(わが家では7歳でお稽古開始)で音楽系の習い事を取り入れてあげるべきだと思います。

ただし、就学前の段階では、「子ども自身の特性に適した興味分野を見つける」ために、できるだけ幅広く、多くの体験を積ませてあげることが親の役目だということをお忘れなく。

ご自分が習ってみたかった楽器のお稽古事を、お子さんに押し付けるようなことは、けっしてなさらないで!

東京藝術大学大学院音楽研究科応用音楽学研究室による「子どもの心を育む音楽活動」のPDFは、お子さんが自然に音楽にふれあい、楽しむための情報が載っていますので、以下にリンクを貼っておきますね↓。

外部リンク:東京藝術大学大学院音楽研究科応用音楽学研究室 <子どもの心を育む音楽活動>(閲覧日2022/04/26)

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