考えれば考えるほど、親になるって不思議なことです。
最低でも子どもが成人するまでの約20年、どんな試練が待ち受けているのか、想像すらつかない道のりを、赤の他人と契りを交わして歩き出す…。
親になった私たちって、全員人生のばくち打ち。
その後の親としての人生で、図太い神経が必要になることを考えると、カタギが進むべき道ではない、という気さえしてきます。
え〜、それはさておき(笑)、最近の風潮で「ほめる」子育てが注目を集めているようなのですが、「ほめる」ことに焦点を当てすぎる子育て法に、私は反対。
だって、子どものほめすぎは、カワイイわが子の未来をダメにする原因ですよ。
そこで今回の記事では、
- 「ほめる」ことを大切にしすぎる子育ての危険性
- 「心のときめきメガネ」を親が装着:才能を伸ばす子育てのコツ
について解説します。
「ほめる」ことを大切にしすぎる子育ての危険性

どんなに体に良い食べ物でも、とりすぎると毒になるように、「ほめること」に重点を置きすぎる子育ては、子どもの健やかな成長を阻む原因になります。
子どもの不安材料は、「親をガッカリさせる」こと
ヒトはみな、「親から愛されたい」という欲求を持って、この世に誕生してきます。
だからこそ、子どもは大好きな親の愛情を感じると幸福感に包まれる。親がありのままの自分を「認めてくれる」と、心底うれしくなるわけです。
その反面、子どもは「私が親をガッカリさせたら、どうしよう…」という不安も、心に抱えています。
自分が親を失望させる何かをしでかしたら、親から愛されなくなる、親からかまってもらえなくなるという不安に火をつけてしまう悪いほめ方は、例えば、
このように、結果重視で子どもをほめていると、
と、ほめことばが子どもの自己価値観を揺るがす逆効果を生んでしまうので、とても危険なのです。
単調なほめことばの連発は、子どもへの無関心の象徴
子どもは、いつ親の愛を感じ取るのか? それはズバリ、「親にかまってもらえるとき」。
ほめればいいのだ、と誤解して
などという子育てが、子どものためになると誤解している親御さんをたびたびお見かけしますが、単調なほめことばの連発は、親子関係をダメにする毒。
親が子どもに興味を持って接しているなら、毎回同じセリフですむわけありませんよね。
そして、親が浅はかに繰り返すほめことばに隠された「無関心」を、子どもは感じ取る鋭さを心に備え持っています。
だって、まだひとりでは生活できない子どもが世の中を渡り歩くためには、「親が自分を大事にしてくれるかどうか」が生死・成功/不成功を決定するカギになると、私たちは本能で知っていますから。
むやみやたらにほめる親は、子どもの心根を腐らせる
子育ての最終目標は、「子どもの健全な自立」です。
きちんと自分の足で人生を歩むためには、私たち誰もが生きることに伴う「責任」を果たさないといけません。
夕食前に家族全員の食器を準備した子どもを「すごい!」とほめていませんか?
子どもも家族の一員なのだから、自分でできるお手伝いをするのは「あたりまえ」です。それが人として健全な成長、そして自立へとつながるのですから。
この場合は、「食器の準備をしてくれて、ありがとう」と、自分の能力に伴った責任を果たす子どもの行為を、親が具体的なことばで表現して認めてあげることが大切。
その上で、「上手にできた」とほめことばを追加する分には問題ありませんが、むやみにスゴイとほめるのは、お門違いの行為です。
「心のときめきメガネ」を親が装着:才能を伸ばす子育てのコツ

冒頭で、「親になった私たちは人生のばくち打ちだ」と述べました。
「親になるのは大変なこと」とわかっているのに、清水の舞台から飛び降りる決断を下した私たちは、子どもを作る共同作業に携わったお相手に、心がときめく経験をしたはず。
残念ながら、「心のときめき」は時間と共に幻のように消えてしまう存在なので(←追って別記事にします)、もしかしたら、もう覚えていらっしゃらないかもしれない。
でも赤の他人の中から、よりによってその人をカワイイ自分の子どもの親に選んだわけだから、ときめくポイントがなかったわけはない。
もし、お相手へのときめきが思い出せないくらい、忘却の彼方に飛んでいるなら、どなたかお好きなタイプの人を思い浮かべて(あぁ悲しい現実)、「誰かに恋している私」を想像してみてください。
「心がときめく」とき、私たちはどんな態度をとる?

恋をしているときって…、
- 相手のことを、もっと知りたい
- 相手を思いやる気持ちが自然に湧いてくる
- 相手のために、何かしてあげたい
- 相手のすべてを前向きに受け止める
という気持ちで、胸がいっぱいになるでしょう?

思い出しましたか〜?
これらの感情こそが、「心のときめき」の真髄。
私が推奨する子育て法は、この「心のときめきメガネ」を親が装着して、子どもに接すること。
そうすれば、日常生活の中で自然と、子どもが持って生まれた才能を伸ばせる子育てに結びつくのです。
「心のときめきメガネ」を装着した親が、子どもにとる態度

心がときめく相手が、「なぜ、そうしたのか」って知りたくなるのがヒトの心理。
すると自然に、子どもが「なぜ」その手段で問題を解決しようとしたのか、というプロセスに注意が向くので、「100点だった」という、移り変わりの激しい結果論だけに焦点を当てることはなくなります。
たとえ、子どもが思うような結果を得られなかった場合でも、親が「心のときめきメガネ」を通して子どもの体験を振り返ると、子どもの状況をより良く理解することができます。
すると、子どもが自分でチャレンジした経過が見えてきますし、知識・体験・感情面で親としてサポートできることはなにか、と考えるきっかけにもなります。
そして、最も大切な点ですが、「心のときめきメガネ」を装着した親は、常に興味あふれる態度で子どもに接し、子どものありのままの姿を受け入れることができます。
大好きな親が自分を認めてくれている、と子どもが感じ取れれば、親子間に丈夫な愛の絆が育ちます。
子どもの天才を伸ばすための土台は、丈夫な愛の絆。
しっかりした愛の絆で親と結ばれている子どもは、自分の能力開発に全エネルギーを注ぐことができるので、確実に才能が開花する人生を歩むことができるのです。
まとめ:「心のときめきメガネ」で天才を伸ばす子育てをしよう
心にときめきメガネをつけて子どもに向き合うことで、
- 子どものことを、もっと知りたい
- 子どもを優しく思いやる
- 子どものために、何かしてあげたい
- 子どものすべてを前向きに受け止める
という、子どもの才能を伸ばす子育てを、日常生活で実践することができます。
子どもにとっていちばん大切なのは、「自分が親にとって意味のある存在なのだ」と親の態度と言葉から確信できること。
子どもの幸せを願うなら、子どもに注目してあげてください。
スマホじゃなくてね。
「100点以外だと、親は私にガッカリなんだ…」