【わが家のギフテッド児】1歳児での特徴/発達デコボコあらわる

飛び級児成長記

さまざまな分野の発達レベルがデコボコになることが多いギフテッド児。

1歳になった娘の発達の具合も、御多分にもれず知能と身体力がデコボコでした。

【わが家のギフテッド児】1歳児での特徴①回転移動/歩行は遅咲き

わが家のギフテッド児:1歳半でつかまり立ち。ずっと回転移動ではいはいは省略

娘の身体能力の発達の様子は、とても独特かつ遅咲きでした。

  • 生後1歳6ヶ月:つかまり立ち
  • 生後1歳7ヶ月:数歩ひとりで歩く
  • 生後1歳8ヶ月:ひとりで歩く

そして、つかまり立ちを始めるまでは、ハイハイやお尻で滑って移動するといった動きをまったくせずに、連続で寝返りをうつ状態で、娘はゴロゴロと転がって動いていました。

しかも、かなり速いスピードで(笑)。よく目が回らないなぁと不思議でしたね。

定期検診で、娘の骨格や足の状態は正常だとお医者様に数回うかがっていたので、娘が全然歩くそぶりを見せなくても、それが彼女の個性だと受け止めるように努めていました。

でも、まったく気にならなかったと言えば、ウソになります。

娘の担当医だったかなりご年配のお医者様ですら「珍しいねぇ。転がって動く赤ちゃんを診た記憶はないなぁ」と首を傾げていましたし、転がる赤ちゃんの体験談や目撃者が誰ひとりとして見つからないのですから。

不安を追い払うため、回転移動をし続ける赤ちゃんについて調べましたら、スイス人の小児科医・Largo先生の子育て本の中で、「寝返りをする状態で移動する赤ちゃんが、全体の1%未満の割合でいる」と書いてあるのを発見!

たったそれだけの記載なのに、「大丈夫、大丈夫。時期が来たら歩くようになるから」と私の心を落ち着かせる拠り所になりました。

思い起こせばあのときの体験は、普通が当てはまらないギフテッド児の発達の世界・第一幕だったのかもしれません。

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私自身の不安はかき消したものの、1歳すぎても歩く気配を見せない娘への偏見は、かなりのものでした。

娘と同い年のお子さんがいたママさんが近所に3人いたのですが、その人たちは「まだ歩けないなんて、絶対おかしい」と、偶然顔を合わせるたびに大騒ぎ。

私が「きちんとお医者様に確認しているので、『おかしい』という言い方はやめて」と何度も頼み、挨拶だけでその場を立ち去ろうとしても、3人ともしつこいのなんの。

言葉の発達がものすごく早かった娘は、会話の内容がつかめたようで、あるとき3人の中でいちばん口うるさいママさんに遭遇した後、しょんぼりとしてしまって…。

帰宅後、私は娘に新しいゲームを提案しました。

それは、部屋の端に置いたぬいぐるみをゴールに見立て、娘と私のどちらが先にゴールインできるかというゲーム。

娘と同じスタイルで、私も床をゴロゴロ転がって移動することを条件にしました。

「ママは回転移動したことがないから、本番前に練習させてね」とチャレンジしたのですが、これが想像以上に難しい。

当時の自宅の床は玄武岩だったので、転がるたびに体のあちこちが痛いし、なにしろ方向感覚がつかめないから、全然まっすぐ進めないのです。

そんな私を見て、娘は声を立てて笑っていました。

曲がって進む私にレッスンをつけ、回転のコツまで教えてくれる良い先生ぶり。

けれども、ゲーム開始後の娘は本気を出して、あっという間にゴールインしてしまうので、勝負を面白くするために娘のルートには他のぬいぐるみで障害物を作って競争しました。

毎回、結果は私の惨敗でしたが、「転がること」と「楽しいこと」を結びつけ、人とちがう個性を受け止める大切さは娘にアピールできたのではないかと思います。

【わが家のギフテッド児】1歳児での特徴②記憶力開花

クリスマスのボールオーナメント

テンポの遅い体の発達とは逆に、娘の記憶力は1歳の時点ですでに目を見張るレベルに到達していました。

クリスマスを間近に迎えた12月のとある日、週に1〜2度お世話になっていたシッター・Iさんのお宅に娘を迎えに行くと、玄関口で聞こえてきたのは、はしゃぐ娘と男性の笑い声。

Iさんのご主人・Hさんはロボットによる遠隔手術の研究をしていた超多忙な大学教授で、私はこの日まで直接お会いしたことはありませんでした。

それにしても娘は楽しそう。キャッキャッと、いちばんご機嫌なときの笑い声が止まらないのです。

「せっかくご主人が有休を取った日なのに、娘がお邪魔して申し訳ない。言ってくれれば日にちの変更をしたのに」と話す私に、Iさんは「それが…夫がね、サリーちゃんと遊び始めたら止まらなくなってしまって。ごめんなさい、見たら驚くと思うの」と謎の発言をしたのです。

私はIさんの後ろについてリビングへと向かいました。

Iさんのお宅のリビングは、勾配天井からどっしりした梁が架け渡してあるデザインだったのですが、梁には所狭しとクリスマスのデコレーション、ボールオーナメントがぶら下げてありました。

梁の真下にあるキッチンテーブルの上に置かれたチャイルドシートの中に座った娘は、足をバタバタさせて大喜び。

娘の横には、ニコニコ顔のHさんがいました。

なんでもIさんは、特別な柄のボールオーナメントを集めるのが趣味で、梁からぶら下げてある品物はすべて柄違いのどれも素敵なものばかり。

だけど、ちょっと数が多すぎない?と思ったら、オーナメントの総数が増えたのは、Hさんと娘の記憶力ゲームの結果だというのです。

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その日の午後、Iさんがオーナメントを3個ほど吊るし終えたとき、ご主人のHさんが娘のチャイルドシートの向きを変え、Iさんが追加するオーナメントが娘には見えないようにして、「ほら、Iが新しくぶら下げたものがどれなのか、当ててごらん」と娘に質問したそう。

Iさんは最初、「1歳児をからかわないで」とHさんをたしなめたらしいのですが、娘は正解を指差したとか。

まぐれ当たりで正解だったのかもしれないから、ではもう一度試してみようと繰り返すうちに、オーナメントの数が10、20個と増え続け、それでも百発百中で新しく追加されたオーナメントを見つけ出す娘の態度が、教授・Hさんの研究意欲に火をつけてしまい、私がお迎えに行った時点では、記憶力テストの対象となって梁から吊るされたオーナメントの総数は40個あまり。

Iさんのコレクションが尽きてしまったので、最後の2個は私がお迎えに行ったときのお披露目用に残しておいてくださったそうなのです。

「ママにできるところを見せなきゃね」とHさんに声をかけられた娘は、真剣な表情で最後に追加されたオーナメントを無事探し当て、「やったー!!」と大喜びするHさんにほめられて満面の笑顔でした。

「この子はきっと天才児だ」とヒートアップしたHさんが、オーナメントの記憶力テストを3時間以上続けてしまったので、お昼寝ができなかった娘を疲れさせてしまったのではないかとIさんはひたすら謝っていましたが、この日の記憶力ゲームを楽しんだのは、なんといってもウチの娘。

Hさんがオーナメントでテストしたことは、私たちが毎日実行していた「ベビージム遊び」の大延長だったので、娘が歓声を上げていたのも、納得がいきます。

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【わが家のギフテッド児】まとめ・1歳児での様子

  • 発達デコボコあらわる
  • 歩行は1歳8ヶ月から
  • 抜群の記憶力を発揮
参考文献

 Remo H. Largo. (2002). Babyjahre. München Zürich: Piper.

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