小学校1年生の時、友人の誕生日会で意図せず「出る杭」になってしまった娘。
機転を利かせた対応で、主役に花を持たせた娘の対応は、パーティー主催者のご家族から絶賛され、事なきを得ました。
娘よ、グッジョブ!
【わが家のギフテッド児】誕生日会は小学1年生のメインイベント

幼稚園生や小学校低学年の子どもにとって、「お誕生日」は最重要イベントと言っても、過言ではありませんよね。
娘の母校では、わざわざ授業時間を延長して、それぞれの生徒たちのお誕生日を、クラスでもお祝いする習慣がありました。
小学校1・2年の合同学級で、生徒数15人以下のクラスだったこともあり、どのご家庭もクラスメイト全員を招待する大イベント。
同級生のB君のお誕生日会では、パーティーの催しとして、参加者全員が木製の模型飛行機を「Do It Yourself(DIY)」で作り上げる、という凝った計画だったため、クラスメイトたちも数日前からワクワクしていました。
誕生日会にDIYで模型飛行機作りを主催した同級生も才能豊か

娘が意図せず、「お誕生日の主役の座」を奪ってしまった同級生は、偶然にも娘と同じ幼稚園から私立小学校に入学したB君。
B君のお父様は、DIYの大ファンで、ご自宅にもプロ顔負けの作業部屋があるそうです。
B君も、幼稚園時代から創造性豊かな品物を次々と作り上げていた男の子でした。
娘の母校は、高校に芸術科がある影響で、小学校でも「全校工作大会」が大々的に開催されていたのですが、小学校に入学したばかりのB君は、その大会でも準優勝に輝いたほどの腕前の持ち主。
しかも、B君が優勝を逃してしまった原因は、大会の審査員だった先生方が、「小1の生徒がここまで高いレベルの作品を、ひとりでできるわけがない。絶対に親が手伝ったのだろう」と、決めつけてしまったことが理由だったのです。
選考会終了後、「次回の応募から、親御さんが手助けした作品は、受賞対象外作品となります」と、審査員の先生からコメントがあったため、B君の親御さんは学校側にクレームを入れていました。
たとえ「才能豊かな子どもへの教育」を重視している学校でも、このようなことは起きるのです。
「全校工作大会」に向けて、B君はいくつかの試作品も娘に見せ、意見交換していたこともあり、「B君は本当に全部自分で作っていたし、失敗したところを何回も直していた。学校の先生はB君の実力を知らないのに、ヒドイ」と、準優勝になった経緯を聞いて娘は大泣きしたほど。
「B君準優勝事件」での娘の態度は、ギフテッド児特有の
- 他人の抱える問題への繊細さ
- 正義感の強さ
が顕著に表れている例だと思います。
【わが家のギフテッド児】友人の誕生日会のDIY催しで娘が優勝

工作が大好きな娘も、「DIYで模型飛行機が作れるなんて、楽しみ!」と、かなり興奮した面持ちで、B君のお誕生日パーティーへと向かいました。
以下は、パーティー終了時刻に娘を迎えにいった私が、B君ママから聞いたあらましです。
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お誕生日パーティーに招待された子どもたち全員が、それぞれの木製模型飛行機を完成させた後、草原で「誰の飛行機がいちばん遠くまで飛ぶか」という競争が行われました。
小学校の工作大会で「先生が信じてくれなかった」という出来事に、B君はとても傷ついていたそう(当然ですが)。
そこで親御さんはB君へのメンタルサポート目的で、自分の誕生日会にDIYで作った模型飛行機を飛ばす競争をして、優勝できればB君が立ち直るきっかけになるのでは、と考えたのです。
B君のお父様のDIY仲間のお子さんたちとも、B君は模型飛行機による飛行距離競争を何度もしたとのこと。
その際、B君お手製の飛行機は、毎回他の子の物より飛行距離が数メートル長かったため、お誕生日パーティーの催しの一環で、初めて模型飛行機作りにチャレンジする子どもたちと競争しても、B君の優勝は確実だと、親御さんは思ったそうなのです。
ところが、優勝してしまったのは、ウチの娘でした。
【わが家のギフテッド児】誕生日を祝う主役に勝ってしまった娘の機転

B君の模型飛行機がいちばん遠くまで飛ぶことを疑っていなかったご両親は、サプライズプレゼントとして、B君専用のDIY道具を用意していたそうです。
優勝者へのプレゼントがあることを、飛行距離競争の前に子どもたちに告げていたため、B君のお父様はそのプレゼントを、娘に手渡すことにしました。
B君は気持ちが真っ直ぐなお子さんなので、自分が負けたことより、「サリーちゃんすごいなぁ。ボクの作った飛行機が、これまで負けたことは一度もなかったんだよ」と、この状況で娘をほめていたそうなのです(←娘の発言)。
B君パパからプレゼントを受け取った娘は、機転を利かせて、誕生日の主役であるB君に花を持たせる対応に成功しました。
「私の飛行機がいちばん遠くまで飛んだのは、B君が作り方のコツを教えてくれたおかげです。初めて作る私にはわからないことばかりだったのに、B君はどんな工夫をすれば飛行機が遠くまで飛ぶのかを知っていたから、注意が必要なところを全部説明してくれました。だから、このプレゼントはB君が受け取るべきです。そしてまた新しい物を作ったら、私に見せてね」というのが、娘の発言内容。
B君ママからお話を伺っていた間、ヒヤヒヤしていた私は「サリーちゃん、グッジョブよ!!」と、心の中でガッツポーズをしました。
B君はその後、自分のDIY道具で作った箱を娘にプレゼントしてくれました。丸く収まって、よかった〜。
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B君のお兄様が、やはり天才児認定を受けた飛び級児ということもあり、B君ママはギフテッドならではの気質を、よくご存知だった方。
「親の私たちが、『しまった、どうしよう…』と思った瞬間に、マチュアな対応を咄嗟にできたサリーちゃんは、お見事だったわ。これこそ、ギフテッドの底力よね」とおほめいただき、めでたし、めでたし。
ちなみにB君のご家庭では、飛び級をしたB君のお兄様の成長過程とB君の個性を鑑みて、B君には飛び級をさせない方針で子育てをしていました。
飛び級へのこだわりや、兄弟間での優劣比較も一切感じられなかった環境(←娘と私の意見)で成長したB君は現在、娘と同じ医学部に進学しています。
【わが家のギフテッド児】エピソードが象徴する「まわりと違う」感

今回の記事でご紹介した小1時代の娘のエピソードには、「天才児によく見られる性格と行動」を象徴するポイントが、幾つも具体化されているのではと、私は考えております。
このエピソードに登場したB君ご家族は、「まわりと違う」娘に対して偏見がなかったことが幸いしましたが、意図しなくとも「出る杭」になってしまうギフテッド児に対して、世間の風当たりは予想以上に強いもの。
第三者からのプレッシャーに負けず、お子さんが優れた才能を上手く伸ばすことができるように、親御さんはお子さんがエネルギーを充電できる港になって、サポートしてあげてくださいね。
私も応援しています!