苦手なことに見切りをつけるギフテッド児への対応【わが家の一例】

飛び級児成長記

すでに就学前の段階で、自分の得意なことと苦手なことをキッチリ把握していたわが家のギフテッド娘。

「私の才能がない学校の科目に時間を取られるのは、ムダなこと。だから苦手な科目の授業は受けたくない」と、ごねた娘と私がどのように折り合いをつけたのか。わが家での一例をご紹介します。

【ギフテッドにも弱点はある】お絵かきだけは苦手

【ギフテッドにも弱点はある】お絵かきだけは苦手

娘が2歳になったころから、私は自宅でさまざまな美術系の遊びを、積極的に取り入れていました。

ハサミ・糊・ビーズを使う工作、粘土細工、そしてクレヨン・色鉛筆・絵の具を使ったお絵かきを定期的に行ううちに、「ウチの子はどうやらお絵かきは苦手なようだ」と、私も感じていました。

工作は本当に得意で、「これをまだ3歳の子が?」と保育士さんたちも驚く技量を発揮していたのですが、お絵かきはイマイチ。

「今日はお絵描きにしましょう〜」と私が提案すると、娘のノリも、とても悪い。

嫌がることを強制したくはなかったのですが、購入済みの水彩絵の具を使い切るまでは、自宅でのお絵かきタイムを続けると、娘にも話しておりました。

スイス製・カランダッシュのと〜ってもお高い絵の具を(スーパーマーケットでこのメーカーしか売っていなかった)、お払い箱にするのはもったいない、という私のケチ根性のせいです。

ギフテッド娘、苦手科目のムダな授業時間を有効利用したいと提案

ギフテッド娘、苦手科目のムダな授業時間を有効利用したいと提案

さて、娘の小学校入学が、目前に迫っていたある日のこと。

自宅で、水彩絵の具を使ってお絵描き中の娘が、突然「アッハッハ」と声を立てて笑い出しました。

「あ〜あ、私って、本当に絵の才能はないわね〜」と、自分の描いた絵を見ながら、娘は笑い転げていたのです。

北極キツネを描こうとしていた娘ですが、描かれていたのは、どう見ても白いイノシシ。しかも、とても巨大。

むむむ…。親としてなんと返事をするべきか。「そうね」では傷つくだろうし、「そんなことない」では嘘になってしまう。

私が頭をひねっていたら、「B君(お兄さんが小学校に在学)に聞いたんだけど、小1の美術の授業は、お絵かきがテーマなんですって。週に2回も、どうせ才能がないお絵かきをするより、自分の得意なことに時間を使いたい」と、娘が提案してくるではありませんか。

【ギフテッド育児】最適な答えに導くカギは「子どもの心の快適さ」

【ギフテッド育児】最適な答えに導くカギは「子どもの心の快適さ」

突出している才能の分野・性格・生活/学校環境が、完全に一致しているギフテッド児の前例を見つけるのは、無理なこと。

ですから、どのご家庭でも手探り状態で、「うちの子にとってベスト」の解決法を、ギフテッド児が次々と直面する問題で、お探しになっていることと思います。

わが家の場合、決断のキーポイントを常に「子どもの心の快適さ」に置くことで、娘にとって最適の道を選ぶことができたというお話は、別記事↓でも述べました。

・・・ただし、「心の快適さ」を重視すべきなのは、ギフテッド児の成長を妨げる問題を解決する際に、必要となる解決策を探す場合です。

【ギフテッド育児】乱用は禁物!「子どもの心の快適さ」のジョーカー

【ギフテッド育児】乱用は禁物!「子どもの心の快適さ」のカード

心の快適さ」というジョーカーを、ギフテッド児、もしくはその親が、「嫌なこと・面倒なことをしないで済む」ために乱用するようになったら、子どもの成長に悪影響を及ぼします。

「…そんなこと、あたりまえでしょ?」と思われるかもしれません。ですが、ギフテッドのステイタスを乱用して、子どもの発達を歪めてしまった親御さんに、私は娘の学校で数多く出会ってきました。

ギフテッドを特権階級であるかの如く扱うのは、子どもにとって、とても危険なこと。

むしろ、ギフテッド児だからこそ、嫌なこと・面倒なことでもキチンと取り組む姿勢を身につけることで、社会の一員として周囲からも尊重される人間が育つ、と私は考えています。

苦手なことに見切りをつけるギフテッドへの説明と折衷案【わが家の一例】

小学校での全科目はなぜ必要なのか

「才能がないお絵かきを練習してもムダ」という娘を納得させるために、私は「小学校の全科目が必要な理由」を考えました。

そこで私が思いついたのは、

  • さまざまなことに挑戦できる機会は、大人になるほど少なくなる
  • 授業で体験する得意・不得意なことを通じて、自分が夢中になれる得意分野を見極めるきっかけになる
  • 偏りのある知識は弱い。知識はつなぎ合うことで、さらに強くなる。だから、苦手なことでもとりあえず体験すべき

といった理由でした。

娘の通う保育園で、「好きだからとハンバーガーだけ食べていると、どうなるか」と説明のあったお話に、娘がものすごく興味を示していたので、食事内容と科目の選り好みの比較もしました。

そして折衷案として、放課後は「あなたが自分で選ぶお稽古事」に時間を費やしてよいことを、娘に伝えました。娘は小1になると同時にピアノとクラシック・バレエのお稽古を開始し、小学校のお絵かきの授業は、イヤイヤながらもなんとかこなしていました。本人は、「小2になると、美術の授業は工作だから、楽しみ♪」と、前向きな姿勢は見せていましたが。

ところで、親子で話し合った際、娘がすかさず確認してきたことは、「お稽古を始めても、週3〜4回は図書館に通い続けていい?」でした。

もちろんですとも。毎回の図書館訪問で10冊ずつ本を借りていた娘を抱えていたわが家では、図書館の助けがなければ、家計がパンクしてしまうところでした(笑)。

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