「私が食べ物の好き嫌いがない子どもに育った原因は、ママの態度にあったと思う」と、娘から思いがけないお褒めの言葉をもらえた私。
こんなに褒めてもらえたら、大威張りでブログの記事にするっきゃないわ!
皆様にはお見せできないほど、鼻の穴を膨らませた状態で記事の執筆を開始した私の頭に、チラリと浮かんできた疑惑:「もしかしたら、特別なお小遣いが必要ってことかしら?」。
【食べ物の好き嫌い】偏食なしに育った子どもが確信する好影響の要因

娘によると、自分のお友だちに比べて彼女は食べ物の好き嫌いが少ないとか(嫌いな食べ物はたったひとつ。エピソードは下記をご参照ください)。
「なぜ食べ物の好き嫌いが少ないのか?」と自分自身の幼少期を振り返ってみたところ、以下の3点が決め手だったそうです。
- バラエティー豊かな食材の料理が出された
- 「これを食べなきゃダメ」発言がゼロだった
- 親が美味しそうに食べていた
【食べ物の好き嫌いなし】バラエティー豊かな食材の料理が出された

よそのお宅でご飯をご馳走になったとき、しばしば「ウチの子はこれしか食べないから」と、お友だちのお母様がコメントすることが多かったというのが娘の体験。
娘曰く、自分が幼い頃の記憶を遡ると、わが家の食卓には常に豊富な種類の食材を使った料理が出てきたので、「何でも食べる」ことが当たり前の雰囲気が漂っていたそう。
だから、「これしか食べられない/食べたくない」という考えは思いつかずに成長したと言っております。
娘が好んで食べる食材と料理を、私はもちろんチェックしていました。でも、だからと言って娘が好きなものに傾倒して食事を用意することはしませんでした。
例外は、お誕生日の食べたいものリクエストや、嬉しかったこと/悲しかったことがあったとき。
もしかしたら、これこそ「食べ物の好き嫌い」の鶏と卵問題かもしれません。
【食べ物の好き嫌いなし】「これを食べなきゃダメ」発言がゼロだった

加えて娘がよそのお宅でいつも気になったのは、例えば「スパゲティを食べる前に、サラダをひと口食べなきゃダメ!」的な、親御さんの発言。
私自身はまったく意識していなかったのですが、わが家の食卓に「これを食べなきゃダメ」発言が登場したことは、一度もなかったそうです。
言われてみれば、確かにその通り。
夕食の際、なぜか娘が温かい料理を先に食べたがった時期があったのですが、「サラダが先でしょ」の発言は、したことがありませんでした。
むしろ、「そうよね、せっかくだから、熱々のうちにいただきましょう〜」などと、一緒に楽しんでいました。
マナー講師にはお叱りを受けるかもしれませんけど(笑)、楽しさ優先。
【食べ物の好き嫌いなし】親が美味しそうに食べていた

「ママはいつもものすごく美味しそうにお食事して、『おいし〜い』とコメントもしていたから、ご飯が美味しく感じた」という、娘のビックリ発言。
この点も自分では意識したことがなかったのですが、食卓を明るくする効果はあったようです。
・・・これは、バブル時代を駆け抜けた私世代の女性の特権かもしれません。「美味しそうにご飯を食べるから奢り甲斐がある」と表向きは発言していた豪快な奢り屋「メッシー」なる男性たちが、かつては生息していたのです。
だから、美味しそうにお食事をする能力が鍛えられたのではないかしら。さらにするりと身をかわす技はもっと上手だったわよって、関係ないか(笑)。
まさかあの頃習得した技術が、成功する子どもの食育法として役立つとは。
【食べ物の好き嫌い】偏食なしに成長した子どもの親が思う好影響要因
- 食事のお手伝いを積極的にさせた
- 食事時間は大切なコミュニケーションの場だった
- 食べた量に関して神経質にならなかった
- 食材本来の味を生かす調理法
【食べ物の好き嫌いなし】食事のお手伝いを積極的にさせた

わが家の子育て方針は、「自分でできることをどんどん増やす」こと。
ですから、お食事の際もテーブルセットの準備や、混ぜる・切るなど、子どもの年齢に見合ったお手伝いを積極的にさせていました。
料理をしながら「できるだけ食材を無駄にしないことの大切さ」なども説明することが多かったので、自然と食べ物を大事にする心が育ったのかな、とも思います。
それに、子どもにしてみると自分がお手伝いして作ったお料理って、特に美味しく感じるもの。そのせいで食べることが楽しくなったのかもしれません。
【食べ物の好き嫌いなし】食事時間は大切なコミュニケーションの場

わが家の食事時間は、各人がどんな1日を過ごしたのか、自分の日常でどんなミニ大事件が起きたのかなどを、お互いに語り合う場所。
食事中は、テレビや携帯電話なんてもってのほか。ひたすらおしゃべりに熱中して過ごす習慣が、食事の楽しさにつながった可能性は大きいと思います。
【食べ物の好き嫌いなし】食べた量に関して神経質にならなかった

娘は食が細い方だったのですが、「お腹が空いたら食べるから、平気よね」と、私自身が全然ナーバスにならなかったのが、よかったのかもしれません。
「もうちょっと食べなさい」というセリフも、口にしたことはありませんでした。
実際、空腹を感じたらこまめに野菜スティックや果物のおやつで補う方法で、十分だったようです。
身長も、おかげさまで予測身長+7.5cmまで大きくなりました。
好き嫌いには無縁なのに、どうしても朝食を食べることができなかった娘の様子は、コチラ↓の記事に綴りました。
【食べ物の好き嫌いなし】食材本来の味を生かす調理法

お料理も食べることも好きな私は、いわゆるうま味調味料を使うのが苦手。だって、うま味調味料を使うと、お料理の味が全部同じようになるんですもの。個人的な意見ですが。
娘にも、食べ物本来の味を知ってほしいなと思い、新鮮なハーブや天然の調味料にこだわって料理をしていました。
その結果、食材本来の味に親しむ食育につながり、食べる楽しみが増えたのでは、と想像しています。
【食べ物の好き嫌いなし】だけど唯一嫌いなものがある:エピソード

食べ物の好き嫌いがなく育った娘には、唯一嫌いな食べ物があります。それは、ポレンタ。
ポレンタ((イタリア)polenta)
北イタリアを代表する食べ物で、トウモロコシの粉を火にかけて湯や出し汁で練り上げたもの。
引用元:コトバンク 小学館 デジタル大辞典
娘がポレンタを嫌いな理由は、明瞭。なぜなら、私がポレンタは嫌いなので、一度も食材として使ったことがなかったのです。
ある日のこと、保育園に娘をお迎えに行くと、保育士さんが真剣な表情で私に告げました。
「今日のお昼ご飯、サリーちゃん何も食べなかったんです。もしかしたら、病気の前兆かも」と。
好き嫌いがないことで保育園でも有名だった娘は、お昼ご飯でごねた経験もゼロ。だから保育士さんは、食欲のなさイコール病気の前触れと思ったわけです。
けれども、その日のメニューがポレンタだと知った私は、苦笑い。
唯一嫌いな食べ物・ポレンタを口にせず、お腹が空いていた娘には、晩ごはんに大好きなほうれん草とじゃがいものグラタンを作ってあげました。
いつもの倍の量を食べた娘は熟睡し、その翌日、元気に保育園へと向かいました。やはり原因は嫌いなポレンタにあったと判明し、保育士さんたちも大笑い。お互いに、「病気でなくてよかった」と、ほっと胸を撫で下ろしました。

私たちが一生で食事をする回数は、人生を80年と計算すると、約8万8千回だとか。
子どもが成長して巣立つまでの約20年間、親子で一緒に楽しめる食事の空間を家庭で提供してあげることも、子どもの幸せを願う親の役目ではないでしょうか。
****************
食育の意義がパッと把握できる内容の記事を見つけました。コチラがそのリンクです。
関連記事:大阪ガスネットワーク <いただきますで育もう〜食育授業のすすめかた>大谷貴美子氏 京都府立大学大学院 生命環境化学研究科教授