『無一文「人力」世界一周の旅』岩崎圭一さんは人生の歩み方も手品師

読書感想

無銭で世界を旅するマジシャン・岩崎圭一さんの人生航路は小説以上に波瀾万丈で、スゴすぎ!

「話、盛ってないわよね?」と突っ込みたくなる冒険物語が次から次へと繰り広げられるので、唖然として口を閉じるのも忘れて本を読んだおかげで、ほうれい線が少し消えたように思えるほど(笑)。

『無一文「人力」世界一周の旅(幻冬社)』に綴られている岩崎圭一さんの体験エピソードは、読者がゴールデンブザーを連発したくなるほど、ありえない内容の連続です。

誰もが岩崎さんのように破天荒な生き方ができるわけではないけれど、

  • まだ自分の夢を思い描いたことがない人
  • 毎日の生活に流されて、夢見ることを忘れてしまった人
  • 変えられない過去に縛られて人生を無駄にしている人

には、ぜひ岩崎圭一さんの本、『無一文「人力」世界一周の旅』を手に取っていただきたいです。

無銭世界旅行者でBGTゴールデンブザーの手品師・岩崎圭一さんの歩み

無銭世界旅行者でBGTゴールデンブザーの手品師・岩崎圭一さんの歩み
  • 1972年、群馬県前橋市出身
  • 2001年4月、所持金160円・ホームレス生活をしながら日本縦断の旅を開始。ヒッチハイクで北海道から沖縄まで旅する
  • 2002年3月、日本を出国し、フェリーで韓国へ。中国到着後にママチャリ購入。ベトナム・カンボジア・タイ・マレーシア・シンガポール・チベット・ネパール・インド周遊
  • 2004年4月、インド最南端の地・カニャクマリ到着。次の目的地をエベレスト山頂に決定
  • 2005年5月、エベレスト登攀に成功後、ガンジス河を手漕ぎボートで下った後、パキスタン・イランへ。再び手漕ぎボートでカスピ海横断を果たした後、アゼルバイジャン・グルジア・トルコへと旅し、アジア横断の旅を終了
  • 2007年、ブルガリアからヨーロッパの旅をスタート。訪れた国はマケドニア・アルバニア・モンテネグロ・クロアチア・セルビア・ハンガリー・ドイツ・オランダ・イギリス・フランス・スペイン・ポルトガル・アンドラ・スイス・モナコ・リヒテンシュタイン・オーストリア・イタリア
  • 2015年、イタリアのローマで手品を披露していた際、ゴット・タレント(イタリア版)のスタッフにスカウトされる(放映2016年3月)
  • 2019年、スペインのゴットタレントに挑戦し、決勝進出
  • 2020年、次の目的を手漕ぎボートでの大西洋横断に決定
  • 2022年1月、ブルガリア・ドイツのゴット・タレントで活躍した後、元祖イギリスのブリテンズ・ゴット・タレントに挑戦。日本人初のゴールデンブザーを獲得
  • 2023年、1月に手漕ぎボートでポルトガルを出発。6月に南米のスリナムに無事到着し、大西洋横断に成功!

旅の全過程で、岩崎さんは「他人からの恩恵(チケットや宿泊先の提供など)があれば拒まないけれど、けっして金銭は受け取らない。旅の費用は手品での投げ銭で稼ぐ」という姿勢を見事に貫いています。

日本の自転車業界は、ママチャリのCMを岩崎さんで作成すべき。岩崎さんによれば、日本製のママチャリはすごく丈夫で、壊れにくいとのことなので、岩崎さんがCM出演してもママチャリの売り上げ倍増にはならないかもしれませんが。だってそもそも、壊れないでしょ(笑)。

無一文・人力で世界旅行:岩崎圭一さんは人生の手品師

無一文・人力で世界旅行:岩崎圭一さんは人生の手品師

ブリティッシュ・ゴット・タレント(BGT)で、岩崎圭一さんの観客全員を惹きつけるパフォーマンスを初めて拝見した時から、「このお方、只者ではない」と感じてはいたものの、いやはや、これほどドラマティックな出来事を世界旅行で経験された方だとは……。

『無一文「人力」世界一周の旅』に綴られている岩崎さんの旅路には、思いがけずハリウッドでの大ヒットにつながったB級映画的要素が満載(ミッシェル・ヨー姐さんのエブエブっぽい感じ)。

主演の岩崎さんは、ママチャリで世界放浪する手品師バックパッカーという仮面を平素は被っているものの、時にはジャッキー・チェンのように強盗を素手で取り押さえ、またある時にはエベレスト登攀と、手漕ぎボートでのカスピ海や大西洋横断を成し遂げ、おまけにヨーロッパでいくつものゴット・タレントで活躍するなど、その七変化はお見事!

何から何まで、常識からはみ出ているのに、ご自分で見つけた「絶対手が届きそうにない夢」を、次々と叶えていく岩崎圭一さんは、凡人にはない野性のサバイバル能力を備えた方なのでしょう。

岩崎さんの人生経路は、凡人の一生1000人分ぐらいが凝縮しているほどの濃厚さ。

「夢は、本気で願って挑めば叶う」ことを証明しているのが、岩崎圭一さんの生き方です。

岩崎圭一さんの無銭世界旅行から考える「他人との関係と幸福感」の謎

岩崎圭一さんの無銭世界旅行から考える「他人との関係と幸福感」の謎

『無一文「人力」世界一周の旅(岩崎圭一著)』を読み終えた私は、「人が『幸せ』を感じるためには、どれだけ他人との関わりが必要なのだろうか?」という考えで、頭がいっぱいになりました。

ヒトは社会性のある動物なので、他人とのつながりがまったくないまま生き延びるのはほぼ不可能。

けれども他人との関係は、密であるほど(例:家族・恋人・友人)問題を引き起こす原因になることは、皆様もご存知のとおり。

岩崎さんは基本的におひとりで世界を駆け巡っていらっしゃるのですが、

  • 袖振り合うも他生の縁
  • 来る者は拒まず
  • 去る者は追わず

の姿勢を保ちつつ、「今」関わり合っている人と真剣に向かい合い、一度絡んだ他人との絆は永久記憶するという姿勢で、人付き合いを巧みにこなしていらっしゃる模様。

岩崎圭一さんの満足度100%でとってもチャーミングな笑顔を見るにつけ、

  • ブレない自分の軸を持つ
  • 自分で掲げた目標に本気で挑む
  • 他人との関わりは絶妙な距離感を保つ(例:他人の親切な行いには感謝するが、期待しすぎない。そして自分にとって無理のない親切を他人に施す)
  • 過去にとらわれず、未来の無駄な心配もしない。大切なのは、今日を全力で生きること

といったポイントが、ヒトが「幸せ!」と充実した人生を歩む秘訣なのかしらなどと、思いを巡らせました。

・・・もしかしたら、岩崎圭一さんは、ママチャリに乗った現代のブッダかも?!

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世界一周に成功した数年後の岩崎さんは、宿泊可能なサイズの船を購入して、Airbnbを営まれるのではないか、というのが私の予想。

ただし、岩崎さんが気の向いた地域に船を移動しながらの営業になるので、「日にちと場所がマッチすれば宿泊できる」という気ままなお宿になりそう🎵

私の予想が当たっていそうな気がするので、ナンシー関さんに消しゴム版画の絵を作成してもらいたかった!

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