スイスに住んでいる私が、外国旅行(スイスには海がないから、海外旅行と言えないケースも多いと今更気づいた)に行くたび思うこと、それは…。
スイスの道には、犬のフンが落ちていない。
別記事でお伝えしたように、スイスでペット免許証を義務付けている州では、「犬のフンの後始末」を飼い主の責任だと法令で決めているので、当たり前なのかもしれませんが、それにしてもホントに、道で犬のフンを見かけることって、ないのです。
代わりによく見かけるもの、それはこちら。↓
Robidogという、犬のフン専用のゴミ箱です。
ちなみに、フン収集用のビニール袋(写真の赤い袋)もゴミ箱に備え付けられています。
もはやスイスの道にある「タンス状態」。← 家の中にある箪笥と同じように、見ても存在に気づかないほど、いろいろな場所で見かけます。
それもそのはず、Robidogを開発したのは、スイス人のJosef Rosenastさん。
斬新なアイデアだったRobidogは、1987年に行われたジュネーブの発明展でメダルを受賞したそうです。
すでに4万個のRobidogが発注されたと2013年の記事に書いてあるので、現在ではもうちょっと数が増えているかもしれません。
私も、わが家のポメちゃんが虹の橋を渡る以前、毎日お世話になっていました。
参考サイト:Aargauerzeitung.ch Wer hat den Robidog erfunden? Eine Fricktaler Firma mit viel Pioniergeist (更新日2013年4月1日)
スイスでは、犬の飼い主に課される「犬税」がある!
ちなみにスイスでは、犬が散歩中にトイレを済ませること自体は、ほとんど問題になりません。
もちろん、住宅街の真ん中や他人様の玄関前でトイレをさせたら困りもの。
でも、自然のままの散歩道や森が、街の中心地でも徒歩数分の近距離にあるケースが多いスイスでは、散歩に適した場所でフンの始末さえきちんとしていれば、飼い犬の自宅外トイレ行為に目くじらを立てる人はいません。
そして、数分も歩けばフン専用のゴミ箱があるはずなので、拾い集めたフンを次の場所まで運んで処理する、という感じです。
本当に至る所でRobidogが見つかるわけですが、こうして専用ゴミ箱に集められた犬のフンの回収・清掃の費用を賄うため、飼い主には「犬税」が課されています。
犬税のお値段は、住む場所により若干異なりますが、1頭につき年間2万円ほどです。
犬専用のゴミ箱、フン持ち帰りがルールの日本ではおそらく需要なし
犬のフン専用のゴミ箱、日本では流行らないのかしらと疑問に思ったのですが、日本ではフンを自宅に持ち帰って処分することがルールですから、需要がないのでしょうね(確かに、私も日本ではいつも自宅でフンを捨てていました)。
東京都福祉保健局のホームページにも、このように↓きちんと明記されています。
散歩のルール
引用元: 東京都福祉保健局 犬の飼い主の皆様へ
トイレは散歩の前に家で済ませましょう。もし外でしてしまった時のために、犬を散歩に連れて行くときは、ビニール袋などを持っていき、ふんを必ず持ち帰って始末してください。
なんですって? 犬のフン始末にドローンやロボットを投入?!
犬のフン始末に関して、お国が変われば、事情も変わるのねと実感した情報を見つけました。
WIREDの記事によれば、増加する犬のフンの不法投棄問題を解決するため、ドローンやロボットの開発投入が現実味を帯びてきているようです。
だけど・・・犬との共同生活って、ヒトの心を温泉に浸かったシアワセ状態にしてくれる、素敵な魔法じゃありません?
毎日笑顔の絶えない暮らしにしてくれる、大切なパートナーの落とし物だもの。飼い主なら、かわいい家族である犬のフンの始末くらい、キチンとしてくださいな! 犬は自分で片付けられないんだから、と憤りを覚えたワタクシ。
自分たちの心がけで解決できる問題を、最新の技術・ドローンやロボットに頼る必要があるなんて、とビックリした私って、やっぱり昭和の化石なのかしら。
参考サイト:WIRED パンデミックで急増した路上の「イヌのふん」は、ロボットとドローンで解決できるか? (更新日2021年7月12日)