【スイスの習慣】新聞配達員が郵便受けに投函するカードはチップの要求

スイスライフ

昨日、日曜新聞を郵便受けに取りに行ったら、新聞配達員からのカードを発見。

これはスイスの生活習慣で「チップをよろしく」というサインです。通常はクリスマスの時期が典型的なのですが、新たにイースターの挨拶が新登場。

【スイスの習慣】配達される新聞の状態で新聞配達員の性格がわかる

【スイスの習慣】配達される新聞の状態で新聞配達員の性格がわかる

毎日毎週欠かさずに、郵便受けに新聞を届けてくれる新聞配達員の方々。これまで一度もお会いしたことはないけれど、現在の私の居住区で日曜新聞を配達している人は、特に気配り上手な方、という印象を私は持っています。

なぜかって?

平日配られる新聞は、雨や雪の日には水分を吸ってシワシワになっていることも、ままあります。

ときには床暖房の上で新聞を乾かしてからでないと、文字が読めないほどびしょ濡れの状態、なんてこともあるのです。

日本で両親の元に配達されていた新聞は、悪天候の日にはビニール袋で保護されていたと記憶しているのですが、この点スイスはアバウトです。

もし、気を利かせてどこかの新聞社が「悪天候ではビニールがけで新聞をお届け」なんてサービスを開始したら、スイスでは環境保護の視点から、アイデアがすぐ廃止されそうです。もっとも、アイデアが実行される可能性もゼロだと思いますが。

ちょっと話がそれました。

けれども、日曜新聞の配達員の方は、カンペキな全天候型。

雨にも負けず、風にも雪にも負けず、日曜新聞は常にカラッカラに乾いた読みやすい状態で、わが家の郵便受けに配達されています。どうやって新聞を保護しているのか、不思議。

ご近所さんとの井戸端会議で、「スゴ腕日曜新聞配達員の気配り」が話題になったこともあります。

【スイスの習慣】新聞配達員からのカード挨拶:2通りの対応法

【スイスの習慣】新聞配達員からのカード挨拶:2通りの対応法

その生真面目な新聞配達員の方からの「イースター・カード」が、日曜新聞と一緒に郵便受けに投函されていました。画用紙を裁断して、画像を貼り付けて…といった作業だけではなく、カードの中身はなんとすべて手書き。Wow!

カードを頂戴した場合、返答の仕方は2通りあります。

  • 郵便でチップ入りの返答を送付
  • 郵便受けの中にチップ入りの返答を置く

どちらの場合でも、かしこまったカード(両面開きのもの)をあえて購入する必要は、ありません。お相手が要求しているのはチップですからね。

とはいえ、私は相手の方に感謝の気持ちを表現したいので、綺麗な図柄や画像がモチーフになっている絵葉書タイプのカード(文房具屋さんで購入可能な一箱10枚入りなどのカードセット)を使用するのが常になっています。

【スイスの習慣】新聞配達員からのカード挨拶:チップの渡し方①郵便で

この配達員の方は、メッセージカード内にご自宅のアドレスを記しています。このような場合、ごく普通のB5サイズの封筒に、同じく季節の典型的なメッセージ(キリスト教の習慣に従って、イースターやクリスマスのご挨拶)と、10〜20スイスフラン(約1300円〜2700円)の現金を添えて郵便で送ればOKです。

【スイスの習慣】新聞配達員からのカード挨拶:チップの渡し方②郵便受け

【スイスの習慣】新聞配達員からのカード挨拶:チップの渡し方②郵便受け

自宅の郵便受けの「ミルク置き場」と呼ばれる鍵のかからない場所に、現金入りの封筒をカードとともに置く、なんて方法も、私の居住区では広く使われています。

特にクリスマスの時期になると、ご近所さんたちの郵便受けに「新聞配達員さんへ」と書かれたポストイットがベタベタ貼ってあるので、「あぁ、チップが置いてあるのね」と誰でもわかる状態。

「盗まれないのかしら?」と最初は心配していましたが、スイス潜伏歴四半世紀の私はまだ盗難があったと聞いたことがないので、大丈夫みたいです。私以外、誰も心配していない(笑)。

郵便で出す手間が省けるので、私ももっぱらこの方法を使っています。

でも、ミルク置き場に現金入り封筒を置く方法は、お住まいの地域によって避けた方がいいケースもあるかと思いますので、ご近所さんに相談の上で、適切かどうか判断してくださいね。

【スイスの習慣】郵便局配達員へのチップはスイーツが一般的

チップは強制ではありませんので、払いたくなければそれでもかまいません。それでも新聞はきちんと届きます。でも、新聞配達員へのチップは、スイスでは払う方が一般的、と言えるでしょう。

新聞配達員と同様に、重い荷物をせっせと玄関先まで運んで来てくれる郵便局の配達員も、私たちの日常を支える縁の下の力持ち。

郵便局の配達員は、自分からチップの要求をしてくることは、ありません。

ですが、クリスマスの時期に荷物を届けてもらう際、チョコレートなどのお菓子を「今年もありがとうございました」という口頭でのメッセージに添えてお渡しするご近所さんが目につきます。

私はオンラインショップのヘビーユーザーなので、スイス流に心ばかりのプレゼントを郵便配達の方にお渡しするようにしています。

イースターの挨拶カードが投函されていたのは、今回が初めてと記憶していますが、世の中は持ちつ持たれつですものね。

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どんなに些細なことでも、あたりまえの日常が維持されていく社会が幸福のシンボルであることを、平凡な出来事が破壊されて初めて気づくのだ、とあらためて感じる今日この頃。

沈んだ気持ちをリセットしてくれる音楽の効果は、偉大です。

【すとさく】ストリート・サックスの千野哲太さんの演奏は、本当にリラックス効果大でオススメです。まだご存じない方は、お試しあれ。

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