スイスで再び大学生になってから気がついたことのひとつが、「手」のサインの違いでした。
スイスの大学では、「挙手」と「拍手」を意味する手のサインが日本とは違うのです。
【スイス文化】「質問がある」ので挙手するジェスチャーの場合
日本では、授業中に「質問がある」場合、広げた手を空中に挙げるのが一般的だと思います。
少なくとも私が育った地域、もしくはイラスト画像をチェックすると、教室で『挙手』するケースは、手が広がっているので、これが普遍的なはず。
スイスの習慣では、人差し指だけまっすぐ伸ばした状態で挙手する形で
- なにか質問がある
- 教授/講師と同意見ではないので、異議を唱えたい
というサインを送ります。
私がスイスの大学に在学していた当時、同期たちに付けられたあだ名は「ユキの子どもの手」。
なぜかというと、講義の内容に夢中になると、つい日本で身につけたクセが出て、私が手を広げて質問することがときどきあったから。
スイス人の目には、広げた手で挙手をすることは子供っぽく映るらしく、「出た〜、ユキの子どもの手」とからかわれていました。
私の広げた手を見て、
ハ〜イ、おはよう!
と、軽快な挨拶を返してくださった教授もいました。
質問ではなく、(おそらく)礼儀正しい私が手を振って挨拶していると、勘違いなさったそうです。
やっぱり、子どものときに身につけたクセって、なかなか抜けないモノです。
頭では「人差し指を伸ばす」とわかっていたのですけど、どうもいまだに馴染めない。
【スイス文化】ジェスチャー:講義終了後の「拍手」の仕方・スイス編
毎回、講義が終了するとこのように↓テーブルをコツコツすることも、スイスの大学では一般的です。
通常の講義では、いわゆる「拍手」はしたことがありませんでした。
ところで、つまらない講義だった場合でも、一応机を拳でタッチします。スイス人は、礼儀正しいので(笑)。ただし、音はかなり小さめです。
逆に、講義の内容がものすごく興味深いものだった場合には、まるでコンサート会場にいるかの如く、足でドンドン床を踏み鳴らして、大きな音を立ててもOK。この場合には、テーブルコツコツでは音が足りないので、自然と拍手になります。
私は10年以上スイスの大学に在籍していましたが、一度だけ、学生に大人気だった教授が退職される前の最後の講義で、フィーバー状態の学生のひとりとして大騒音の中に身を置いた経験があります。
今週から、スイスでは大学の新学期がスタートしました。
新たなスタートを迎えたみなさんの新生活が、楽しく有意義な時になりますように!