フィルストとバッハアルプゼーを往復するハイキングルートは、アルプスの大自然をお散歩感覚で体験できる初心者・家族向きのルート。
スイス在住ハイカーが、役立つ情報をご紹介します。
【フィルスト〜バッハアルプゼー〜フィルスト】ハイキングルートの特徴
- ロープウェイ運行期間:2024年10月27日まで。運行再開は2024年12月中旬〜2025年3月末
- 距離:6.2km
- 所要時間:1時間28分(往復)
- 道のコンディション:自然歩道
- ルート内の標高:最低地点2165m/最高地点2273m
- ハイキングにオススメの季節:5月〜9月末(←体験に基づく私見です。ただし、ユングフラウ鉄道の公式サイトなどは、このルートを「1年中ハイキング可能」と記載)
【フィルスト〜バッハアルプゼー〜フィルスト】ルートの長所と短所
- (+)初心者向き
- (+)ハイキングというより「アルプスのお散歩道」なので、特別な装備の必要なし ←アディダスのスタンスミス的なスニーカー着用の観光客をたくさん目にします
- (+)ルート全体が危険な斜面などに接していない
- (+)折り返し地点になる湖、バッハアルプゼーのほとりに複数のベンチと座れる場所があるので、ピクニックに最適
- (+)ベビーカーでもOK(ただし、ルート前半にきつい上り坂あり。腕力トレーニングに超有効!)
- (―)フィルストへのロープウェイもハイキングルートも常に大混雑
- (―)往復同じルートなので変化に乏しい
- (―)フィルストおよび途中駅シュレックフェルドにあるレストランがしょぼくてサービス精神ゼロ。なのにお高い(←スイスですから)
山国のスイスは、お天気がくるくる変わりますので、お出かけ時にはコチラ↓のライブカメラと天気予報サイトで、現地の天候をチェックすることをオススメします。
トップ・オブ・アドベンチャー:フィルストはアクティビティが豊富
「トップ・オブ・アドベンチャー」の名称で宣伝されているフィルストは、その名のとおりユングフラウ地方で最も多くの冒険アクティビティを提供している観光地。
アクティビティの詳細は、以下のとおりです。
【無料】
フィルスト・クリフウォーク:フィルスト山の壁面に設置された全長250mの鉄橋+展望デッキ
【有料】
フィルスト・フライヤー:フィルスト駅(標高2166m)と中間駅「シュレックフェルド(Schreckfeld)」(標高1956m)を結ぶ800mの距離を、イスに座る状態で最高時速84km/hの速さで下降
フィルスト・グライダー:フィルスト・フライヤーと同じ区間を、ハンググライダーそっくりの状態(←ワイヤーで固定されている)で下降。最高時速83km/h
フィルスト・マウンテンカート:シュレックフェルド駅と途中駅ボルト(Bort)を結ぶ3kmの自然道を下降。必要な最低身長は125cm、無料でヘルメットの貸し出しあり
フィルスト・トロッティバイク:ボルト駅(標高1600m)とフィルストのロープウェイ乗り場(標高1034m)を結ぶアスファルト道がルート。必要な最低身長は125cm、ヘルメットの着用義務あり(貸し出しは無料)
フィルストへのロープウェイとアクティビティに関するチケットの情報は、コチラ↓のサイトでご確認ください。
フィルスト〜バッハアルプゼー往復ルート:スイス在住ハイカーの私見
ハイキング/トレッキングが趣味の私による個人的見解ですが、フィルストとバッハアルプゼー間の往復ハイキングルートは、この記事を目に留めてくださった読者の方が、「どれほどガチでスイスのハイキングを楽しみたいのか」という点で、ルートの向き・不向きの差が出ると思います。
- フィルストとバッハアルプゼーのルートがピッタリな方:スイス旅行の際に、観光+ちょっぴりハイキング気分を味わいたい
- フィルストとバッハアルプゼーのルートが不向きな方:スイスの大自然に囲まれて、心身リラックスしたい
提供されているアクティビティの数が多いため、フィルストはハイキングルートとしては商業化されすぎで、常にわちゃわちゃしている場所。
せっかくのハイキングだから、人混みは避けたい、スイスの自然を満喫したいという方は、クライネシャイデックかメンリッヘンのハイキングルートを選んだ方が、満足度の高いスイス旅行の体験ができるのではと、私は思います。
よろしければ、コチラ↓の記事もご参照くださいませ。
クライネシャイデックとメンリッヘンには、美味しくてサービスの良いレストランも揃っています。
フィルスト〜バッハアルプゼー〜フィルスト:ハイキングルート体験記
グリンデルワルドの駅から、メインロード沿いに約5分歩き、左折した場所がフィルストへのロープウェイ乗り場。
ロープウェイの走行時間は25分、乗り換えなしで3つ目の駅がフィルストなのですが、通常、乗車できるまで30分ほどの待ち時間が必要となります。
そして、ロープウェイの車体がかなり古いです。←アイガー・エクスプレスとメンリッヘンのロープウェイが最新で素晴らしすぎるから、気になるだけかもしれませんが。
上部に書きましたが、フィルストのレストランはしょぼくて、サービスも心がこもっていない印象を受けるので、私は苦手。
わざわざスイスの山を訪れて、お昼ご飯にレストランでカップ麺を体験で食べてみたいという方は別ですが、そうでなければ、フィルストへのロープウェイ乗り場に向かう道の途中にあるスーパーマーケット「coop」で、バッハアルプゼーのほとりでピクニックができるように、サンドイッチやサラダなどのテイクアウトを購入することを、私はオススメします。
ちなみにカップ麺+別売りの熱湯のお値段を、フィルストで書き留めるのは忘れてしまったのですが、ユングフラウヨッホでは約2200円の驚愕ぼったくり価格!(12.50スイスフラン。2024/06/22のルート、1スイスフラン=178.78円で換算)。フィルストでのカップ麺も、同様のお値段だったと記憶しています。
ユングフラウ地方お馴染み『愛の不時着』のフォトフレーム。
韓国からの新婚さんカップルの写真を撮ってあげたら、次々と別のカップルに頼まれて、写真屋さん状態に突入(笑)。
日よけにベレー帽を持ってくるべきだったかしら(私の脳内変換:芸術家=ベレー帽)などと妄想。
コチラ↑が、有名なフィルスト・クリフウォーク!
高所が苦手な夫は、通行拒否。私は「じゃあ行ってくるわね」と、カッコつけて歩き出したのですが、ヒューヒュー響く風の音に、内心ビビりまくり。でも今さら引き返せないもん。
だけど、びびっていたのは私だけじゃなくて、特に強い風を感じる橋の部分↑で、怖がってなかなか前に進めない男性がいました。
お連れの女性は、高所が平気なようで、橋からはみ出すように腕を伸ばして、そんな彼をスマホで撮影。スイス旅行後に別れ話が出なきゃいいけど。
騒がしいフィルスト駅周辺とは一転し、バッハアルプゼーの周辺には、マイナスイオンが漂っている感じ。文字通り、空気がガラリと変わります。
鏡のような水面に映る、シュレックホルン/フィンシュターアールホルン/ヴェターホルンの山並みを見ていると、違う世界に来ているのではと錯覚するほど。
なぜか他の観光客も、静かにひたすら景色を眺めている、崇高な雰囲気に包まれます。
ね、テイクアウトをバッハアルプゼーまで持ってきた甲斐があったでしょう?!
どうせなら、フィルスト観光ついでにもう少し本格的なトレッキングを楽しんでみたい!という方には、ルートをファウルホルンまで延長する方法もあります。別記事で詳細をご覧ください。
いやいや、せっかくだから、フィルスト〜ファウルホルン〜シーニゲプラッテの区間にチャレンジしたい!という方は、コチラ↓の記事へお越しください。
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皆さまのスイス旅行が、お天気に恵まれますように!
<参照サイト>
スイス政府観光局公式サイト(日本語版)<フィルスト> (閲覧日2024/06/22)
グリンデルワルド公式サイト(ドイツ語版)<Grindelwald-First> (閲覧日2024/06/22)