2022年10月1日から、スイス全土での払込票決済システムは、「QRコード付きのものに限る」と、すべての銀行と郵便局が一斉に、支払い方法の変更を導入。
そのため、俄然注目を浴びている「QRコード」は、なんと日本人の発明によるものだと、今朝(2022/09/30付)、現地・スイスの新聞報道で知りました!
既存のスイスでの払込票決済方法を一蹴するQRコード
スイスではこれまで、
- 赤い請求書:請求者のIBANのみが記載済み。その他の情報(請求者と支払い者の名前・住所・請求書番号)は、必要に応じて手書きで記入
- オレンジの請求書:請求者と支払い者の名前・住所・請求者のIBAN・請求書番号が、請求者側の決済システムで掌握ずみ
- QRコード付きの請求書:支払いに関する全情報を、QRコードが把握
といった払込票が使用されていました。
ところが、明日(2022/10/01)からは、QRコード付きの請求書しか使用されなくなるということで、「QRコード」の存在が、俄然注目の的。
幸い、わが家では1〜2年ほど前からQRコードによる支払い方法を使っているのですが、アラカンの私よりも世代が上の方々は、QRコードのみによる支払いに、やや戸惑っていらっしゃるご様子。
ここ数週間、「バンカーがQRコードの使い方を説明してくれたのだけど、わからないところがあって…。ちょっと、聞いてもいい?」なんて問い合わせが、私の友人たちからもいくつかありました。
QRコード一本槍のデジタル化が導入されることで、郵便局や銀行のホームページには、さまざまな注意事項が記載されています。
でもコンビニ決済などない(そもそもコンビニがない)スイスで、現金の支払いに頼ってきた非デジタル世代は、この変化についていけるのかしら…などと、個人的にはちょっと気になっています。
QRコード払込票への移行は、バサッとした導入なのに詳細を調べるのは個人でヨロシク的な「各個人が自分の人生に責任を持つべき」という、スイスらしさがあふれる方法でした。
デジタル化についていけない義母が、猫撫で声でお願いをしてくる、嫌な予感(笑)。
QRコード付き払込票での支払い法を現地新聞が解説〜苦手な人用
「2022年10月1日からは、古い形の払込票は一切使えなくなります」と決定されたとはいえ、変更を目前とした9月半ばの段階でQRコードを使用していた払込票の普及率は「思うように進んでいない」と、各種メディアでたびたび報じられていました。
生活全般で、社会のデジタル化から目を背けている人たちは、もしかしたら「QRコード付き払込票オンリーの決済」という変化自体が、「なんのこっちゃ?!」の状態で、今後困る人が続出する可能性もなきにしもあらず。
実際、スイスのいくつかのメディアは、QRコードへの変更に伴う各種支払いの滞りに注意を促し(既存方法はすべて無効なため)、正しい「how-to決済方法」を、懇切丁寧に解説しています。
ちなみに、スイスでQRコード付き払込票を決済する方法は、以下の4通りです。
- QRコード付き払込票を郵便で自分の取引先銀行に送付し、支払い作業を依頼
- 郵便局・銀行の窓口にQRコード付き払込票を持参し、支払う
- オンラインバンキング利用
- アプリを使う
日本の発明QRコードがスイスの払込票決済を完全制覇〜現地の新聞報道
私の潜伏地、スイスの新聞「Der Bund(2022/09/30付)」が、QRコードについて報道している内容の概要は、以下の通りです。
- QRコードは、2022年10月1日からスイスの生活必需品
- QRコードは1994年、日本人の原昌宏さんが発明
- 発明時には、読み取りが困難と評価されていた過去
- 技術の進歩、特にスマホでのQRコード読み取りが可能になって以来、認知度・利用度が劇的にアップ
- デンソー(現・デンソーウェーブ)にお勤めの原昌宏さんが、バーコードを超えるQRコードを開発するに至った経緯
- QRコードは誰でも無料で使用可能と決断した、デンソーの先見の明
- スイス連邦工科大学ローザンヌ校で教鞭をとるコンピューター科学者が分析するQRコードの長所:多くの情報をコンパクトに、正確にまとめられること
- QRコードが不必要になる日は来るか?TWINT(スイスのデジタル決済アプリ)のマーケティング部長と、コンピューター専門家の意見:卓越した技術のQRコードを超える代用案は、当面必要とされていない。QRコードが十分に有能だから
信じられないテンポで発達し続けているデジタル分野で、今後も当分はQRコードのポールポジションが続くと評価されていることから、素人の私にもQRコードの有能さが伝わる報道内容です。
QRコード発明者・原昌宏さんのプロフィール
- 1957年生まれ、東京都出身
- 法政大学工学部電気工学科卒
- (株)デンソーウェーブ エッジプロダクト事業部 主席技師(2022/06/30現在)
QRコード発明者・原昌宏さんのメッセージは天才を伸ばす育児の真髄
30年ほど前に発明されたにもかかわらず、その優れた技術で今後もコードの王様として、世界中でさまざまな用途に活用されていくであろうQRコード。
特許庁のホームページ<「イノベーションに寄与した日本の発明」の紹介「QRコード」(株)デンソーウェーブ>の中で、QRコードの開発者・原昌宏さんは、以下のメッセージを発信していらっしゃいます。
失敗しても良いから、好きなことを一生懸命やるべき。
引用元:特許庁 <「イノベーションに寄与した日本の発明」の紹介 「QRコード」(株)デンソーウェーブ> (更新日2022/06/30)(閲覧日2022/09/30)
夢をもってやればいつかは叶う。
諦めずに、常に夢を追いかけて欲しい。
好きなことなら一生続けられる。
世紀の大発明に成功した原さんからのメッセージは、説得力がありますよね。
持って生まれた才能を上手に伸ばして、幸せな人生を歩むための真髄は、QRコードの発明者・原さんの言葉に凝縮されています。
自分が好きなことに熱中して、夢を手に入れるために失敗を乗り越える生き方は、子どもだけではなく、大人の私たちをも幸せにする生き方の秘訣ではないでしょうか。
これからの毎日、原さんの発明によるQRコードを目にして使うたびに、原さんのメッセージを思い出して、自分を奮い立たせると、私は誓いました。
至る所で目につくQRコードは、最高のモーティベーション・コーチですからね。
「QRコード」に関する特許庁のホームページは必見の面白さ
特許庁のホームページには、
- QRコード開発のきっかけ
- デザインの詳細
- 完成に至るまでのプロセス
- QRコードが世界に広まった背景
- デンソーが無料のQRコードで利益を上げている理由
- 発明者・原さんの失敗体験
- QRコードがもたらす効果
に関する情報が、QRコードのように豊富かつコンパクトに、まとめてあります。とても興味深い内容です。特許庁のページがこんなに面白いとは(失礼)、私にとって新たな発見です。
外部リンク:
特許庁 <「イノベーションに寄与した日本の発明」の紹介 「QRコード」(株)デンソーウェーブ>(更新日2022/06/30)(閲覧日2022/09/30)
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参照サイト:
フリー百科事典 ウィキペディア日本語版:原昌宏 (更新日2022/06/18 05:20 UTC)(閲覧日2022/09/30)