【MyBirthdayと血液型と私】ハタチ過ぎでBからOになった体験

MyBirthdayと血液型と私 エッセイ

ドイツ最大のニュースポータル t-online の記事が、2020年にノルウェーとデンマークで検証されたコロナと血液型の関連についての研究結果をレポートしている。

両方の研究結果をひとことでまとめると、「血液型がO型の人は、コロナにかかった率が低く、もし感染した場合でも重い症状になる割合は低い」とのこと。

関連サイト
t-online : Diese Blutgruppe schützt offenbar vor schwerem Covid-19-Verlauf 
(更新日2021年10月3日)

スイスで血液型がテーマになることはまったくないので、すっかり忘れていたのだが、私は人生の途中で血液型が変わったエピソードを持つのだ。

厳密に言えば、記入間違いだったと思うのだが、当時の私はかなりショックを受けた。

【血液型が変わった体験】BからOで愕然。完全にドラマのヒロイン気分

血液型

あれは私が20代前半の頃。

ある大学病院で受けた精密検査の結果を、お医者様から伺っていた時のことだ。

「え〜っと、血液型はOですね」と、お医者様がおっしゃったその時、ビックリした私は椅子の上からホントに飛び上がった。

「いいえ、B型です!!」

今度はお医者様が驚いた。

「キミのご両親の血液型は?!!」

お医者様も前のめりの姿勢になって、「これは一大事だ!」みたいに力んでいらした。

私が昔よく視聴していた大映テレビのドラマだったら、ここで「続く」という文字が画面に大写しになって、番組が終了していたはず。

波をバックに、「続く」の文字

「BとOです」と告げたら、お医者様は「あぁ、それなら問題ありませんね」と、ホッとなさったことをおぼえている(← これって、後から落ち着いて考えてみたら、両親の血液型と合っている、それだけの理由で「親子」の断定はできないけれど、その時は私も慌てていたので、そこまで考えなかった)。

安堵なさったお医者様とは対照的に、私はまだ混乱していた。

落ち着きを取り戻したお医者様はテキパキと、私が生まれた時の状況に関する情報を集め、何なら私が誕生した病院にも問い合わせてくださるという。

私がしばらく放心状態であったため、お医者様は「お母様に電話を入れましょうか?」と提案してくださった。

【血液型が変わった体験】MyBirthdayの占い結果、木っ端微塵

「先生は、『MyBirthday』という雑誌をご存知ですか?」

今になると、何という質問をしたのだろうと恥ずかしくなるが、当時の私の頭の中はカオス状態だったのだ。

「その雑誌だったら、ボクの妹がいつも買っていたから、知っていますよ。試験の日に占いを読んだら、『今日のテストはツキがない』と書いてあって、読まなきゃよかったと思ったことがあったなぁ」と笑っていらした。

「私、『MyBirthday』の大ファンで、高校の3年間、一回も欠かさず雑誌を買っていたんです」

そうよ、雑誌の発売日に部活で遅くなると、渋谷の紀伊国屋書店に1冊しか残っていなかった、もういろんな人が立ち読みして表紙がヘナヘナになっていた『MyBirthday』でも、気にせず手に入れていたくらい。

売り切れだった時には、見つかるまで書店巡りをしたものよ(今考えると、なぜ購読していなかったのか不思議)。

「あの『MyBirthday』の中に、血液型と星座の占いコーナーがあって、私、いつもB型のところを読んでいたんです。それなのに、今更B型じゃないなんて…

先生の後ろにいた看護師の方が、ブルブル肩を震わせて、笑いをこらえていた。

「そうだねぇ、それはガッカリでしょう」先生は、鷹揚に頷き、「ま、当たるも八卦当たらぬも八卦と言いますからね。ボクは良いことだけ信じるようにしていますけど…」と、優しそうなお医者様はもう一度母に電話するかどうかを確かめ、私は退室したのであった。

部屋の外まで同伴してくださった看護師さんは、「お気持ち、わかります。私もあの雑誌、よく読んでいましたから」

なんて心優しい看護師さん。そうよ、そうでしょ! 

思い起こせば、『MyBirthday』に載っていたラッキーカラーに合わせてハンカチの色を取り替えたりしたことも何度もあったわ。なのに、すべてがムダなことだったなんて…。

【血液型が変わった体験】BかO、それが問題だ

40年来の親友と久々におしゃべりした時、彼女が「もう、ホントにあなたはB型なんだから…」と私をからかい、「ところで言うの忘れてたけど、私、B型じゃないんですって!」と私が話したら、彼女も心底驚いていた。

そして彼女は、「なんだかやりにくいわね…、今更あなたがB型じゃないなんて」と私の気持ちを代弁してくれた。

そう、私も20年あまり信じて疑わなかった血液型とお別れするのは、変な気分なのだ。もはや自分のアイデンティの一部だったから(ちょっと大げさ?)。

どうやら本物の血液型より、『MyBirthday』時代から信じ込んでいた血液型の方が、私だけではなく周囲にも浸透しているらしい。

『MyBirthday』は、実業之日本社から出版されていた雑誌です。1979年創刊で2006年に休刊になったとウェブサイトに記載がありました。私の青春時代、いちばん読んだ雑誌!

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