【安倍晋三元首相】近畿大学卒業式でのスピーチは日本の未来への贈り物

エッセイ

安倍晋三元首相が、近畿大学の卒業式(2022年3月)で卒業生に贈ったはなむけのことばは、精魂のこもったメッセージ。

日本のために尽くし、日本を愛した安倍晋三元首相のスピーチは、「充実した人生」と「誇り高き日本の未来」への歩みを舵取りする内容です。合掌。

【安倍晋三元首相】近畿大学卒業式でのはなむけのことば/概要

  • バックグラウンドには安倍元首相ご自身によるピアノ演奏「花は咲く」
  • 東日本大震災後、人々が行動で示した日本人の美徳と力強さに対する世界中の感銘
  • 安倍元首相の人生における「失敗体験」に基づく「失敗後に立ち上がることの大切さ」のエピソード
    → 諦めない勇気の源となったのは、被災地の方との体験
  • 未来を支える若者へのメッセージ:「挑戦して、失敗しても立ち上がり、よりよい世界を創る」ことへの願い

安倍晋三元首相が近畿大学卒業式で語ったスピーチは、約15分。

舞台に登場した安倍元首相が、原稿なしの状態で卒業生に贈ったメッセージは、自らの闘病・失敗体験を織り込んだ、心を揺さぶる内容です。

演説慣れした人にしばしば見られる「十八番」の繰り返しではなく、近畿大学の世耕理事長・近大OBの須磨徳裕さん・つんくさんのお話を交えた安倍元首相のスピーチからは、近畿大学の卒業式という場にふさわしい内容を熟考して織り込んだ様子が、伺えます。

近畿大学卒業式でのスピーチ動画からは、人とのつながりを大切にしていた安倍元首相の人間味あふれるキャラクターと、日本人が見落としがちな「日本の素晴らしさ」を意識することの大切さが訴えられていると、私は感じました。

【安倍晋三元首相】近畿大学卒業式スピーチのハイライト

【安倍晋三元首相】近畿大学卒業式スピーチのハイライト。多くの失敗から手にする成功

みなさんもこれからの長い人生、失敗は付き物です。
人によっては何回も、何回も何回も失敗するかもしれない。
でも大切なことは、そこから立ち上がることです。
そして失敗から学べればもっと素晴らしい。

引用元:KINDAI UNIVERSITY <元内閣総理大臣 安倍晋三氏 卒業式スピーチ 「大切なことは失敗から立ち上がること」>令和3年度近畿大学卒業式

第一次安倍政権「失敗」後、不可能と予想された内閣総理大臣への再登板を可能にした理由について、安倍元首相は以下のように語っています。

それは決して私が特別優れた人間だったからではありません。
残念ながら特別強かったからでもない。
ただ一点 決して諦めなかったからであります。
そして、諦めない勇気をもらったからなんです。
諦めないことが大事です。
そして出来ると思う自信がとても大切だと思います。

引用元:KINDAI UNIVERSITY <元内閣総理大臣 安倍晋三氏 卒業式スピーチ 「大切なことは失敗から立ち上がること」>令和3年度近畿大学卒業式

歴代最長の在任期間を達成した安倍元首相が、ご自分の性格を淡々と分析し、自らの弱さとその後の目的達成を可能にした秘訣を、包み隠さず卒業生に伝える様子から溢れているのは、人間愛。

コロナの影響を受け、学生生活もままならなかったにもかかわらず、晴れて卒業の日を迎えた学生さんたちの強さを讃え、困難な状況で身につけた強さをバネに、明るい未来を築いてほしいと願っている安倍元首相のお気持ちが、言葉と態度の端々から伝わってきます。

そして、安倍元首相が「あなたたちなら、できますよ。大丈夫」と、若者が秘めた能力を心の底から信じ、応援している思いも聞き手の心に届く、本当に胸が熱くなるスピーチです。

【安倍元首相が象徴した姿】誇り高き日本の美徳に自信を持つべき日本人

【安倍元首相が象徴した姿】誇り高き日本の美徳に自信を持つべき日本人。朝日を背景にする富士山

長期にわたる海外生活で、スイスをはじめとするさまざまな国の人に出会い、交流を重ねる経験から、私は「日本文化の美徳」にあらためて気付かされました。

日本人の心に息づく思いやり・助け合い・自己誇張なく、責任を全うする精神は、いかに誇り高く、素晴らしい文化であるのか。

けれども、日本文化においては、健全な自己主張をする方法が育ちにくいため、他国の文化と出会う場面では、得てして「自らを卑下する」かのような印象さえ、与えてしまうケースが多発します。

これは、私自身のスイスでの日常生活でも起きがちなこと(例:ごめんなさいの連発)。

しかし、日本への旅行や滞在で日本文化の素晴らしさに感銘を受けたスイスやヨーロッパの人々が、一様に日本の素晴らしさを熱く語る場に出くわすたびに、「日本人は、日本文化の美徳を、もっと胸を張って世界で主張すべきだ」と、私は感じるようになったのです。

主要国の首脳たちが勢揃いする舞台で、日本の首相が存在感ゼロの様子で、ぽつねんとしている画像を目にすると、「自分を卑下する日本の姿」が象徴されているようで、私は悲しみを覚えます。

内閣総理大臣の在任期間中、主要国首脳会議に参加した安倍元首相の姿は、「もっと日本の素晴らしさを世界でアピールしてほしい」と願う私にとって、「誇り高き日本」のイメージを反映した存在感があり、大変心強いものでした。

コチラ↑は、ジャパン・スピリット・コンサートで安倍晋三元首相がお披露目したピアノ演奏、「花は咲く」の動画です。

ご自分の得意ではないことに取り組み、あきらめずにチャレンジした演奏の模様には、安倍元首相の生き方とお人柄が反映され、スピーチと同様に心が動かされます。

安倍晋三元首相のご冥福をお祈りします。

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