トラビスジャパンAGT2024:批判克服出演での成長披露と勇気に拍手

エッセイ

アメリカズ・ゴット・タレント(AGT)ファンタジー・リーグ2024でのトラビスジャパン出演時の模様を、コメント日本語翻訳と状況解説付きでまとめました。

批判された舞台で再び演技した勇気と、上達ぶりを披露した努力に拍手!

AGT2024ファンタジーリーグの仕組みとは?

  • 審査員4名が、世界各地でのゴット・タレント番組にかつて出演した参加者の中から、それぞれ10組を選抜して自分のチームを形成し、指導する
  • 2024年1月1日から8週間、週に1回2時間番組でNBCが放映

AGT2024ファンタジーリーグに選抜された40組の顔ぶれに興味のある方は、コチラ↓のリンクをご覧ください。

NBC <Here Are the 40 Acts Returning to Compete in the AGT: Fantasy League Spinoff> (更新日2023/11/15) (閲覧日2024/01/27)

【AGT2024ファンタジーリーグ】審査員4名は誰?

審査員3名は、サイモン・コーウェルさん、ハイディ・クルムさん、ホーウィー・マンデルさんと、お馴染みの顔ぶれです。

ソフィア・ベルガラさんは、Netflixの『グリセルダ』主演でお忙しかったのか、今回のAGTスピン・オフではお休み。

代わりに審査員を務めるのが、元スパイス・ガールズのMelBことメラニー・ブラウンさんで、彼女がトラビスジャパンを自分のチームにスカウトしました。

・・・もしかして、スパイス・ガールズ(1994年結成)をご存じない、トラジャファンの方が多いのでは?!と思うので、2012年ロンドンオリンピック閉会式で再結成したスパイス・ガールズの動画をご覧ください。←どちらも私にとっては、昨日の出来事。イヤになっちゃうわ(笑)

【AGT2024】トラビスジャパン出演動画:大事な点の日本語超訳

【AGT2024】動画での川島如恵留さんの発言内容

長年AGTを視聴していたので、いちばん初めのオーディションのときには、僕たちはとっても興奮していました。そして、ライブ・ショーではすごくナーバスになってしまって……。

(ここで動画は、トラビス・ジャパンの演技中に、ダメ出しのブザーを押した審査員・ホーウィーさんの様子と批判コメントを再現)

あの(ライブ・ショー)夜は、ベストな歌唱だったとは言えません。……だから、2度目のチャンスが欲しいと思っていました。そして今、チャンスが巡って来たのです。

僕たちは練習をし続けて、実践を積んできたから、どれだけ上達したのかを披露したいし、MelBさんに僕らのことを誇りに思ってもらいたい。

引用元:America’s Got Talent <Travis Japan performs “JUST DANCE!” | AGT: Fantasy League 2024> 内容の一部をサイト運営者が日本語に翻訳

AGT2024トラビスジャパン演技への審査員コメント日本語超訳

まず、トラビスジャパン演技終了後の審査員コメントから。

ハイディ・クルムさん:「最後に見たときと比べると、すごく良くなっているわ!それに前回、ホーウィーがダメ出しブザーを押したにもかかわらず、今回再登場したことは、とっても謙虚な姿勢だから、すごく好き。今、あなたたちが披露した演技は、一生懸命努力した成果だと思うの」

サイモン・コーウェルさん:「君たちは世界一のシンガーではないし、僕にとってのベストソングを聞けたわけでもない。でもね、僕は君たちの古くささを感じさせる持ち味が大好きだし、毎回、君たちが出演するたびにハッピーな気分になれる。それに、今回は初オーディションに比べて、うんと進歩していた」

(サイモンさんが、ホーウィーさんの意見を聞こうとしたら、「彼の意見は知りたくもないわ!」とMelBさんが発言)

ホーウィー・マンデルさん:「僕の意見なんて、どうせ関係ないよ。だって結局は、観客が決定することだから」

MelBさん:「MelBチームのみんな、素晴らしかったわ!」

引用元:America’s Got Talent <Travis Japan performs “JUST DANCE!” | AGT: Fantasy League 2024> 内容の一部をサイト運営者が日本語に翻訳

トラビス・ジャパンが舞台から退場した後、審査員が交わしていた言葉は、以下のとおりです。

サイモンさん:「あれが彼らの持ち味だからさ〜」

ホーウィーさん:「でも、ちょっと野暮ったいじゃない?」

サイモンさん:「そうなんだけど」

MelBさん:「そこがいいのよ!」

ハイディさん:「ちょっぴりダサさがあるところが、私は大好き」

(サイモンさんが声を立てて笑う)

引用元:America’s Got Talent <Travis Japan performs “JUST DANCE!” | AGT: Fantasy League 2024> 内容の一部をサイト運営者が日本語に翻訳

AGT2024トラビスジャパンと審査員の会話状況を分析解説

AGT2024トラビスジャパンと審査員の会話状況を分析解説

AGT2024で繰り広げられたトラビスジャパンと審査員とのやりとりは、欧州生活30年になる心理学博士の私にとって、見どころが多い内容でした。

頑張ったトラビスジャパンを応援しているファンの方々にとって、「そこが知りたい!」的なポイントを、まとめていきますね。

便宜上、「欧米文化」と「日本文化」の表現を使いますが、

  • サイモンさん・MelBさん:イギリス出身
  • ハイディさん:ドイツ出身
  • ホーウィーさん:カナダ出身

と、ご本人たちの出身地も多様。

それぞれの国と地方にも、文化習慣の違いは当然あることを意識した上で、「欧米/日本」の比較をしますので、どうぞ目くじらを立てないでくださいまし。

ホーウィーブザーは欧米文化での批判ウェルカム限度越えだった

ホーウィーブザーは欧米文化での批判ウェルカム限度越えだった

自分の意見をはっきりと表明することは、欧米文化が重んじている点。

意見表明にはもちろん、好き・嫌いの意思表示と批判も含まれるので、AGT出演者の演技に対する酷評も、当然OK。

ただし「批判」は、あくまでも「言葉」を用いた形で行うべきという「常識」が、欧米社会には根付いています。

ゴット・タレント番組の場合、オーディション段階においては、演技中のダメ出しブザーが「ルール」としてショーのコンセプトに組み込まれていますが、ライブ・ショーの段階になると、出場者のパフォーマンス終了後に、審査員がコメントを述べるのが通例(少なくとも、長年ゴット・タレント番組ファンである私が目にした限りは)。

ですから、トラビスジャパンの前回AGT出演時、セミファイナルでのライブ・ショーなのに、その演技途中でホーウィーさんがダメ出しブザーを押した行為は、欧米人の審査員にとっても、「(番組内での)常識ではあり得ない、ひどい行為」という印象を与えたと予想できます。

演技終了後、審査員コメントの段階で、MelBさんが何度もホーウィーさんの発言を遮るという、一般的には非常に失礼な「常識はずれ」の行動を繰り返しているのは、ダメ出しブザーへの当てこすりだと思われます。

【AGT2024】トラビスジャパンの川島さん、グッジョブ!

【AGT2024】トラビスジャパンの川島さん、グッジョブ!

トラビスジャパンを代表して、ステージで発言した川島さんは、グッジョブをお披露目🎵

舞台に登場した途端、「ホーウィー!」と呼びかけて指差し、「ブザーを押したよね……」と、面と向かって発言した態度は、とても好ましいものでした。

なぜなら、欧米の個人主義文化圏では、自分を見下したり、ケチをつけてきたりする人に対して、はっきりと言葉で反論・言及し、キッパリと態度で示すことが、自分の尊厳を守るための最高の武器だから。

川島さんたちの意図を汲むように、MelBさんが「彼らは技術を磨いて、以前よりずっと飛躍したのよ!」とホーウィーさんの方を向いてコメントした際、力強くサムズアップ(=親指を立てるジェスチャー)をした川島さんの態度も、見逃せません。

私自身、何度も体験していますが、和を重んじる日本で育ち、海外に移住した人間にとって、「自分をバカにした相手に、上手く言葉と態度でやり返す」という術は、現地の言葉を習得する以上に、ハードルが高い難題。

相手と同じ卑劣なレベルに下がることなく、自分たちが受けた不当な扱いに対するクレームを、さらりと表現できた川島さんは、「仕返し方法」の素晴らしい例!

AGT出演前に、メンバーで決定した「反応の仕方」を、川島さんが代表して示したものだと想像しますが、この方法は、ダメ出しブザーの屈辱を晴らすために最適でした。

ホーウィーさんが、トラジャの演技前には「空いばり」、演技後には、タジタジとコメントできずにいる理由は、AGTの舞台という公衆の面前で、「トラジャに一本取られた……」と、意識しているからに違いありません。

悪夢のブザー体験を糧にAGT2024で努力の成果を見せたトラジャに拍手

悪夢のブザー体験を糧にAGT2024で努力の成果を見せたトラジャに拍手

ハイディさんとサイモンさんが、「AGTに再登場してくれて、良かった」と発言している理由は、AGTの舞台でコテンパンにされたにもかかわらず、批判を恐れずに再登場を決めたトラビスジャパンに対する賛辞。

今回の舞台では、演技前にあっぱれな反撃でホーウィーさんをチクリと刺し、しかも前回の批判を受け止めて上達ぶりをお披露目できたトラジャを見て、「あぁ、良かった〜」というのが、おふたりの本音ではないかと、思います。

トラジャが舞台から退場した後の、サイモンさんによる »look, they are what they are» 発言は、おそらくホーウィーさんに向けたもの(サイモンさんは他の審査員3名の方を向いています)。

内容的には、「ホーウィー、きみがトラジャを好まないのはわかっているけどさ、あれが彼らの持ち味なんだから、そんなに目くじら立てないでよ」といった意図が含まれていると、私は推測します。

何につけ、好きな人もいれば、嫌いな人もいるのが、この世の中。賛辞もあれば、批判もある。

何はともあれ、あれほど侮辱的な批判を受けた過去を乗り越えて、自分たちの努力の成果を披露する勇気を行動で示したトラビスジャパンのAGT2024は、大成功で幕を閉じたと、私は思います。

物事に挑戦する前から、「失敗してしまう理由」を無意識に探し、できることは愚痴をこぼすだけの毎日……、という大人だらけの世の中で、失敗を恐れずに、チャレンジし続けているトラビスジャパンから、私はたくさんのポジティブ・エネルギーを、もらうことができました。どうもありがとう🎶

未来のさらなるご活躍を、祈ります。

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