『SHOGUN 将軍』は日本文化の実像を描く傑作とスイスでも絶賛!

スイスライフ

真田広之さんのハリウッド初主演・プロデュース作品『SHOGUN 将軍』は、製作総指揮者が『トップガン マーヴェリック』原案作成者、ジャスティン・マークスさんという、ゴージャスな戦国ドラマ。

配信開始と同時に、スイスとドイツのメディアも、あの『ゲーム・オブ・スローンズ』に匹敵する傑作だと絶賛しています。

ドラマ『SHOGUN 将軍』概要・あらすじ

  • 17世紀の日本で実際に起きた史実をベースにした歴史フィクション小説『将軍(ジェームズ・クラベル著)』が原作のドラマ。全10話構成(2024年2月の時点)
  • 主人公の戦国武将・吉井虎永(徳川家康がモデル)が、日本に漂着したイギリス人航海士ジョン・ブラックソーン(実在モデルは三浦按針)を臣下にし、征夷大将軍として覇権を手に入れるまでの過程を描く
  • 虎永とブラックソーンの意思疎通に貢献したキリシタン・戸田鞠子の実在モデルは、家康に仕えた細川忠興の妻で明智光秀の三女・細川ガラシャ

ドラマ『SHOGUN 将軍』:スイスとドイツメディアでの評価

ハリウッドが製作する戦国時代のドラマに、「本物の日本文化」を反映させるため、本作の主演とプロデューサーを務める真田広之さんは、経験豊かなスタッフを日本からスカウトし、詳細まで心を配って「日本人が違和感を抱かない」表現に心血を注いだとのこと。

その情熱は、欧米人にも正しく伝わったようで、ドイツとスイスのメディアも早速、

  • 新たな『ゲーム・オブ・スローンズ』:『将軍』の出来は傑作
  • 『将軍』は年間ベストシリーズか?

と大絶賛。

ドイツの映画専門ポータルサイト「Kino.de」は、『将軍』が

  • アメリカ合衆国の映画評論サイト「Rotten Tomatoes」で評論家の満足度100%。視聴者の満足度95%
  • インターネット・ムービー・データベース(IMDb)で現在約5500のコメントが10点満点のうち9.3と評価

と、傑作の評判を裏付ける高評価の内訳を報道しています。

スイスで最も購読者数の多い日刊紙・20ミヌーテンは、

「ハリウッドが別の文化のストーリーを製作する際、文化の実像に忠実な描き方をするという新しい布石に、『将軍』がなればと願っている」

引用元:20minuten <«Shōgun» könnte die Serie des Jahres werden> (更新日2024/02/27)(閲覧日2024/03/01) サイト運営者が日本語翻訳

という、真田さんのコメントを載せています。

将軍が年間ベストシリーズかもしれない7つの理由をスイスメディアが分析

この記事の初稿公開後、スイスのニュースポータルサイト「watson」が、『将軍:日本の “ゲーム・オブ・スローンズ” がもしかしたら年間ベストシリーズかもしれない理由』というタイトルで、将軍がただの侍ドラマではない7つのワケを分析し、絶賛している記事を発見!

「watson」の記事がイチオシしている『将軍』の魅力7点を、以下に超訳してご紹介します。

1)真田広之さんはトム・クルーズさんをほぼ打首にした謙虚な侍だから

長年ハリウッドで経験を積んできた主演の真田広之さんが、63歳の今にしてようやくプロデューサー業務も手に入れ、彼のミッション「真の日本文化を西洋に伝えること」を『将軍』で精魂込めて実現しているのが作品の魅力。

ドラマ『将軍』の内容が理解できるように、「将軍・黒船・切腹」の解説も参照元記事に付いています。

2)将軍ではドラゴンが人間の形をしているから

『ゲーム・オブ・スローンズ』と『将軍』の相似点について聞かれたレイチェル・コンドウさん(プロデューサー兼脚本担当)は、『将軍では、ドラゴンは登場人物の中にいて、空からは舞い降りて来ない』と回答。

記事では、『ゲーム・オブ・スローンズ』のマネなどせずに、名誉と死に焦点を当てた日本文化の凄みあるストーリー展開が、讃えられています。

3)新作品は旧作品と全然違う作り方なのがラッキー

1980年の『将軍』が西洋視点で作成され、英国人航海士ブラックソーンと通訳鞠子のロマンスに重点を置いているのとは対照的に、2024年の『将軍』ではすべてが日本の視点から描かれ、まったく異なる西洋と日本の文化がぶつかり合うことで生じる軋轢が惜しみなく描写されているのが魅力。

4)日本語よき❤️

前作と異なり、2024年の『将軍』では会話がほとんど日本語!

けれども、登場人物の声のトーンが場面に臨場感をもたらし、視聴者は話についていくために集中して字幕を読む必要があるので、物語にのめり込める。

5)完全なテンポとかなり残虐な打首シーン

どちらかと言えばゆっくりと、けれども絶妙なテンポで展開する場面と、知的な会話が軸になっている残虐なシーンのミックスが絶妙。

6)・・・エロスはどうか?

裸のシーンがバンバン登場した『ゲーム・オブ・スローンズ』より、『将軍』は控えめだけれど、もっとエロティック。

スイスでは、16歳未満は見ちゃダメの年齢制限があります。

ところで、日本のディズニープラスでの『将軍』年齢制限は、15歳+なのですが、これは日本の青少年が欧州よりおませさんということ? ちょっと謎です。

7)『将軍』はこれで完結?

シーズン8まで長引かせた結果、多くのファンを失望させて幕を閉じた『ゲーム・オブ・スローンズ』とは異なり、『将軍』は、ジェームズ・クラベルさん著作の小説を忠実にドラマ化しているとのこと。

英国生まれで米国に帰化したクラベルさんは、1994年にスイスでご逝去なさっていることから、続編小説はないため、『将軍』の続編も作成されないだろうと、参照元記事では予想しています。

日本文化の矜持『将軍』が世界に与える絶大な影響力に期待・感謝!

海外で生活していると、あからさまな人種差別だけではなく、実際に日本文化と触れ合ったことのない現地の人々が、ハリウッド発の映画やテレビドラマで描かれる「間違った日本人の姿」を、あたかも「日本の実像」であるかのように信じ切っている態度に気づいて愕然とし、傷つくことも多々あります。

映像が人々に与えるインパクトは強力なので、本物の日本人である私が「日本人はそんなことはしない」と否定しても、「だって映画やドラマではいつもそうしているのに?」と、反論の余地すらないこともしばしば。

また、残念ながら「ハリウッド発の日本人ステレオタイプ」には、日本人・アジア人蔑視の偏見が見え隠れする描写が少なくないため(製作者は無意識かもしれませんが)、ヒット作を通じて世界に広まってしまう「蔑視してもOK」的な印象が、日常生活での差別行動の要因のひとつではないかと、私は常日頃感じていました。

ハリウッドに拠点を移した真田広之さんご自身も、きっと同じような苦い体験を繰り返してこられたのだろうと推察します。

また、『将軍』の著者、ジェームズ・クラベルさんは第二次世界大戦で、イギリス王立砲兵隊大尉としてシンガポールで日本軍の捕虜となり、過酷な体験をしたにもかかわらず、日本人と日本文化に敬意を払い、両文化の架け橋となってご尽力された方だと、今回の記事執筆で私は初めて知り、言葉を失うほど気持ちが揺さぶられました。

真田広之さんを筆頭に、日本とアメリカのスタッフ全員が真の日本文化を描くこだわりを細部まで注ぎ込んだ『将軍』は、世界中の視聴者に、「日本人の矜持」を正しく反映する日本人像を伝えてくれる、非常に意味のあるドラマだと思います。

ハリウッドが作り上げてきた「日本人の虚像」を払拭するだけではなく、アジア人を一括りに捉えている欧米人の意識にも、「日本文化」のくさびを打ち込んでくれるドラマが『将軍』なのではと、期待しています!

それにしても、日本語でも英語でも、ことばを慎重に選んで語る真田さんのオーラがイケオジ度100%!

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