ルイヴィトンのバッグを、実際にMieleの洗濯機で洗う羽目になった、ドジな私のエピソードです。
でも、結果的に高品質ブランドの価値を証明することになった、貴重な体験。
世界のプレミアムブランド・ルイヴィトン＆Miele、わが家で初タッグ！！
タンスの肥やしだったルイヴィトンバッグ、スイスで蘇る
バブル世代の私が、若い頃にいくつも買い求めたルイヴィトンのバッグ。
スイスに漂着してから、私はコチラの風潮に染まり、「他人が持っていない、高品質のオシャレなバッグ」を探すようになったので、かつて集めたルイヴィトンのバッグは、大英博物館の秘宝のごとく、わが家のクローゼットの奥で眠っている。
あれは、数年前の夏のこと。
娘が通っているバレエ学校が、劇場での舞台稽古を予定していた日で、学校から劇場に直行する娘のカバン持ちを引き受けた私は、クローゼットからルイヴィトンのバッグを引っ張り出したのだ。
キチンと手入れをしているわけでもないのに、変わらぬツヤ。そしてドラえもんのポケットのように、たくさんの物を詰め込めるキャパシティ。
バッグの中に仕切りがないから、後から物を探すのが大変、なんてツッコミを入れないで。
このときの私は、長らく使っていなかったのに、真面目にお役目を果たしてくれるヴィトンちゃんが、可愛くてたまらなかったのだから。
舞台稽古は半日続くし、学校が終わってからゆっくり食事をする時間のない娘のために、飲み物・食べ物を調達することにした。
あっという間に、荷物がいっぱい。
こんなに忙しい日でもビタミンが十分補給できるように、キウィ・バナナ・ラズベリーとスーパーフードのなんちゃらがミックスしてある、いかにも健康そうなスムーティを購入。
次のお店でサンドイッチの支払いをする際、スムーティを持つ手が滑って舞台用のコスチュームを汚したら大変、と考えてヴィトンバッグの中に、スムーティを入れたのがまちがいの始まりよ。
キチンと蓋が閉まっているかもチェックしたし、倒れないように真っ直ぐ入れて、最初は問題なかったの。
だけど、サンドイッチを手で持って歩くのがメンドウだから（お店で手提げ袋が必要かと聞かれたのに、エコ精神で断っていた）、ヴィトンの中からいつも持ち歩いているエコバッグを取り出そうとしたら、スムーティの蓋がずれて、中身がこぼれてしまったのだ。
「大変！」とあわてたけれど、この時点では「大変」の対象はバッグの中にあった舞台用のメイクアップ用品や髪飾り、トゥシューズ。
すぐ気がついたおかげで、汚れが広がる前に中身を全部取り出し、エコバッグに移すことには成功した。
ところで、この段階ですでにルイヴィトンの底力を知ったの。
かなり多めの量がこぼれているというのに、それがバッグの外には一滴も漏れない！
ヴィトンって、防水加工でもしてあるのかしら？
でも、私のこのヴィトンバッグ、30年くらい前に買ったヴィンテージなのに、防水加工ってそんなにも長期間、持つの？
スムーティまみれのルイヴィトンバッグを、さあどうしましょう？
自宅に戻ってから、私はまずタオルを濡らして、ヴィトンのバッグを水拭きしたが。これはほとんど効果なしで、まだベタベタ。
次にシャワーヘッドをバッグの中に入れて水洗い。
だけど、１００％果汁のスムーティは手強いわ。何回洗っても、バッグの中からは甘い香りが漂うの。きっと目には見えないけど、奥深くまで染み込んでしまったのでしょう。
このままクローゼットの中に仕舞い込んだら、カビとか虫とかがわきそうで、コワイ。
普段使っていなかったとはいえ、ルイヴィトンのバッグを捨ててしまうことはためらわれた。
でも、どうしたらいいの・・・。
そこで思いついたのが、洗濯機で洗うこと。
どうせ捨てる運命ならば、その前にできる限りの手は打ったほうがいいかな、と思って。
覚悟を決めたのはいいのだけれど、
洗濯機の説明書を読んでみたけど、当然ながらバッグを洗う専用コースの説明はなし。
インターネットで検索しても、「子どもの靴を洗濯機で洗う」記載はあるけれど、バッグに関してはないし、ヴィトンのバッグについては情報がゼロ（当たり前よね）。
Mieleのお客様ダイヤルに電話してたずねてみようかな、とチラッと思ったのだが、きっと相手は私がふざけていると思うにちがいない。
それに、スイスの人は日本人ほどブランド物にこだわりがないから、洗濯したい物がルイヴィトンのバッグと告げても、バッグの材料のイメージが湧きにくいかもしれない。
もう、わからないことだらけでイヤになった。こうなったら、自分で決断するしかないようね。
ヴィトンのバッグを洗濯機に入れ、４０分待つのだぞ【手洗いコース】
覚悟を決めた私は、ウールの手洗いコースで洗濯をスタート。
カシミアのセーターが縮まなかったわが家のMiele、きっと今回の難題も乗り越えてくれるはず。
ヴィトンのバッグが入るような大型の洗濯ネットがなかったので、バッグをそのまま洗濯機に入れたため、ゴトゴトものすごい音がした。
これでMieleまで故障して、買い換えることになったらどうしよう・・・焦ったわ。
約４０分後、祈るような気持ちでMieleから洗い上がったヴィトンのバッグを取り出した。
するとどうでしょう、ルイヴィトンのバッグからは、洗濯洗剤のさわやかな香りが匂い立っているではありませんか！
ルイヴィトンとMiele、世界初のプレミアム・タッグが大成功！
ルイヴィトンとMiele（ドイツのプレミアム家電ブランドとミーレ・ジャパンに書いてある）の史上初の共同作業が行われた場所が、わが家だなんて！
だって、このプレミアム・ブランドの２社、普通は組み合わせて使われないでしょう？
もしかしたら、キム・カーダシアンが特注のルイヴィトン洗濯機by Mieleとか使っているかもしれないけれど、常識では誕生しない、この２社の組み合わせは、予想にたがわない最強のプレミアム・コンビ。
洗濯後のバッグの取っ手や、ファスナー部分をおそるおそる調べてみたのだけど、すべて異常なし。
ウチは乾燥機もMieleなのだけど、さすがにそこまでリスキーな扱いをヴィトンバッグにするわけにはいかない。
バッグは陰干しした後、ドライヤーの冷風で乾かしました。
縮んではいないと思います。ファスナー開閉も問題なくできますので。
ルイヴィトンもMieleも、どちらもホントにすごい！
感心してる場合じゃないわよ、間抜けな私。
こんな情報を発信しても、私のようなヘマをして、ルイヴィトンを洗濯機で洗うような状況に陥る人がいるかどうかはわからないけれど、もし笑えてもらえたのなら、それでシアワセです。
ルイヴィトンバッグも助かったし（笑）。
