世界中で大人気の観光スポット、ユングフラウヨッホ(3466m)での「氷河ハイキング(往復1時間半)」は、アイガー・メンヒ・ユングフラウ・アレッチ氷河の絶景を楽しめる、最高のルート!
スイスに住むようになってから、ハイキングを始めた私は、このお気に入りルートを歩くために、毎年ユングフラウヨッホを訪れているほど。
ところが、私の周囲のスイス人たちは、「えっ?!ユングフラウヨッホで氷河ハイキングなんてできるの?」と反応するのが、興味深いところ。
これはもしや、東京出身の人が、東京タワーやスカイツリーに行ったことがないのと、同じ現象なのかしら?!
スイス旅行の際には、地元でも意外と知られていない、ユングフラウヨッホでの氷河ハイキングにチャレンジして、一味違う旅の思い出を作ってみませんか?
そのために必要となる服装・靴・注意点など、私がいつも心がけている内容をご紹介しますので、よろしければ参考にしてください。
ユングフラウヨッホとメンヒスヨッホヒュッテ間で氷河ハイキング
【ユングフラウヨッホでの氷河ハイキングのルート】
「ユングフラウヨッホ」と「メンヒスヨッホヒュッテ(Mönchsjochhütte)」
:距離4km/高低差207m/往復約90分
Googleマップが示す「ユングフラウヨッホ」とは、ユングフラウヨッホ駅(列車のマーク)からトンネルで直結している施設「トップ・オブ・ヨーロッパ」のことです。ここが氷河ハイキングへの出発地となります。
Googleマップでは、なぜかルートと必要時間が正しく表示されないのですが、ご紹介しているハイキングルートは実在します。ユングフラウ鉄道の公式サイト(英語版)にもチラッと掲載されていますので、心配な方はご確認ください。
でも、地図上の「ユングフラウヨッホ」と「メンヒスヨッホヒュッテ」間の往復を、Googleマップが示すように「徒歩1分」でこなせるのは、超人だけ(笑)。
実際には往復で約90分の道のりですが、絶景に見とれてボーッとする時間は含んでおりませんので、その点はご自身で調整してくださいね。
往路が登り坂(2〜3回コブになっている感じ)なので、復路の方が楽なのも、良い点です。
ただし、メンヒスヨッホヒュッテ入り口への道は、ロッククライミング的な急さなので、ハイキングの途中休憩には適していないと思います。←私だけではなく、この斜面を登れない観光客が続出しているのを、毎回目撃。
ですから、エネルギー補充は、アイガー・メンヒ・ユングフラウ・アレッチ氷河を眺めながらスイスのチョコで、またはハイキング後に「トップ・オブ・ヨーロッパ」に戻ってから、と計画する方が無難です。
【ユングフラウヨッホでの氷河ハイキング】ルートを画像でご紹介
ユングフラウヨッホ鉄道駅から「トップ・オブ・ヨーロッパ」に移動したら、掲示板をチェックして、「MÖNCHSJOCHHÜTTE」を探します(画像の黄色波線)。
延々と続くトンネルを歩いて……。
外に出ると、あなたを待ち受けているベルナーオーバーランドの絶景!
目の前に広がるのは、世界遺産に登録されているアレッチ氷河です。さっきまで列車に乗っていたのに、信じられない……と、毎回感動。
コチラ↑が氷河ハイキングのルート。氷河というより、雪道という感じ。画像は復路で撮影。
ルートの左右にはロープが引いてあるので、わかりやすいです。
危険な場所には標識もあります。ハイキングルートの目と鼻の先には、氷河のクレバスが!
コチラ↑が折り返し地点となるメンヒスヨッホヒュッテ。どうやったら荷物を持ってあそこまで登れるのか。う〜ん。
あいにく、今回は曇り空だったのですが、言葉に尽くせない、雪山の神々しさに絶句!!
ユングフラウヨッホでの氷河ハイキング:適した服・靴・持ち物は?
- 服は自由に着脱できるように重ね着で
- 好天日でも雨・風をしのげるジャケット必須
- サングラス・日焼け止め(SPF50+がオススメ)・リップクリーム(UVカットできれば尚良し)・帽子(お好みで)
- 靴はトレッキング/ハイキングシューズでOK。必要なら簡易スパイク/折りたたみ式ストックを持参
- ミネラルウォーターとおやつも忘れずに
ハイキングに適した服装は、「玉ねぎメソッド」に限ります。
例えば、私が先週ユングフラウヨッホを訪れた日の最高温度は、摂氏+3度。
氷河ハイキングスタート時には、シャツ/セーター/カーディガン/スカーフ/防寒タイツ/ジェギンスをまとっていたのですが、太陽が照り始めると、高度のためにものすごい暑さを感じます。
逆に、曇りだして少し風が吹くだけで、あっという間に雪の女王に変身するほどの寒さなので、微調整ができる服装がベストです。
そして靴ですが、今回の氷河ハイキングでは、「スニーカー代わりに履けるトレッキングシューズで飛行機に乗り、雪の上では簡易スパイクを装着する方法」を用いていた香港出身の学生さんに遭遇しました。
こんな感じのアイテム↓で、とても便利とのことなので、私も次回からマネするつもり。
【日本山岳ガイド監修】 アイゼン チェーンスパイク 10本爪 San Sigma のamazonサイトへ。
ちなみに、私が今回着用していたのは、【THE NORTH FACE】のトレッキングシューズです。
東京出身・アラカンの私は、いつまで経っても雪道を歩くのが苦手ですが、毎回、似たような靴で問題なく氷河ハイキングをこなせていますので、参考までに。
雪道が不安な場合、折りたたみ式のステッキを持参するもの良いかもしれません。
個人的な意見ですが、氷河ハイキングをするためだけに、アルピニスト顔負けの服を買い込む、または持参する必要はまったくないと思います。
大事なのは、クルクルと変わる山の天候に合わせて、調整可能な服を着ることと、滑りにくい靴を履くこと。
旅の移動用にも履けるトレッキングシューズを選ぶと、スーツケースが軽くなって便利かな、と元エアライン勤務の私は考えたりします。超過手荷物料金はお高いので(笑)。
【ユングフラウヨッホでの氷河ハイキング】あなどれない高山病の対策
サッと鉄道で訪れることができますが、ユングフラウヨッホは、標高3466m。
そんな高所で勢い込んでハイキングに向かうと、高山病になってしまう可能性があるので、私はいつも以下の点を心がけるようにしています。
- ユングフラウ鉄道に乗車する時点から、あえてゆっくり動く
- 「トップ・オブ・ヨーロッパ」に着いたら、最初は少し休憩する(1時間ほど)
- 休憩後の移動は、水の中を動いているイメージで。急な動きは絶対に避ける
- 約90分のハイキング中、水分をたっぷりと補給(最低500mlのミネラルウォーター持参)
- 少しでも気分が悪くなったら、下山と決める
- ユングフラウヨッホでの滞在時間は長くとも4時間前後で済ませる
以上の注意点は、山岳ガイドの免許を持っている地元スイスの隣人に、教えてもらった内容です。
そのおかげか、ユングフラウヨッホで高山病になったことは、私はまだないのですが、鉄道が便利だとはいえ、何らかの手当が必要になった場合、とても不都合な場所であることには変わらないので、けっして無理な行動を起こさないように、お気をつけて。
関連サイト:厚生労働省検疫所FORTHホームページ <高地で気分が悪くなったらー高山病>(閲覧日2023/05/31)
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今回の記事でご紹介した私のお宝ハイキングルートが、「一味違うスイス旅行体験」として、皆様の素敵な思い出作りにお役に立てば、ウレシイです♪