自称・オモシロイ未翻訳ミステリー・ハンターの私は、推理小説がホントに好きでたまらない。
原書が英語・ドイツ語・アイスランド語・ノルウェー語・スウェーデン語・デンマーク語を読み漁っているというのに、私は未だに「コーヒーが美味な警察署」のセッティングを読んだことはないのですが、みなさんはいかが?
捜査の行き詰まりを象徴するシンボル=警察署の不味いコーヒー
残念ながら、私には本物の刑事さんの知り合いがいないので、単なる想像でしかないのですが、ミステリーハンターの私には、
捜査の行き詰まり & 警察署の不味いコーヒー
というリエゾンが、はっきりと見えてくるのでございます。
睡眠時間などにはオサラバして、事件解決に取り組むミステリー小説の捜査員たち。
捜査に当たる刑事たちは自宅に帰る暇もなく、シワシワになった服をまとっている。
事件解決の手がかりはまったくつかめず、捜査本部にはどんよりとした空気と疲労感が漂う。
捜査本部の端っこに取って付けたようにあるキッチン(コレもまたお決まりよね。税金だから、ちゃちな設備は当然かしら)に1日中放置されていた、味が煮え切っているコーヒーか、手で叩く・もしくは足でキックしないとコーヒーが出てこない自動販売機で買い求めた、「色がついているだけの不味いコーヒー」を、捜査員たちは、ただカフェインで疲労を追い払うためだけにすする・・・。
ね、コレって定番中の定番でしょ?
でも、そりゃそうよね。
だって、この定番シーンでネスプレッソマシンのコーヒーが登場したら、美味しいコーヒーで捜査員たちの生気が戻り、思いがけない情報から捜査があれよあれよと進展、事件は解決・・・って、ページ数と内容が薄いペラペラのミステリー小説が出来上がってしまうはず。
私のように、ネスプレッソマシンからジョージ・クルーニーが脳内に広がってしまう読者は気が散って、小説の内容に集中できなくなるし。
クリミナル・マインドでの不味いコーヒーも定番だけど納得いかない
クリマイでのコーヒーの扱われ方は、大ファンの私には納得できなかったことのひとつ。
ペネロープ・ガルシアが、ポップなマグカップで飲んでいるのはきっと、ヨギティーとかのカフェインフリーのお茶。
絶対コーヒー党のDr. リードは(博士号を水とお茶だけで取得した人を私は知らない)、捜査の情報で頭がいっぱいだから、コーヒーはたくさん飲むけど、そのテイストにこだわりを見せたシーンはなかったと記憶する。せいぜい、コーヒーの不味さに眉をひそめただけ。
美味しいコーヒーは、気の利くJJがチームのためにまとめて用意することが多かったけど、そのコーヒーはいつも珈琲店でのテイクアウトだったわ。
捜査に協力するBAUのメンバーが、クアンティコから自分たち御用達のコーヒーメーカーをローカルな警察署に持ち込んだりしたら、地元の捜査員たちとFBIが揉めてしまうから…と、JJなら気配りしたのかも。
でもね、私が納得いかないのは、エミリー・プレンティスとデヴィッド・ロッシの反応。
外交官の母親を持ち、ヨーロッパ生活も長かったエミリーは、デリシャスなものを愛するタイプ。
それに、推理小説作家としても大成功しているロッシは、ライフクオリティを高めるためなら、時には「金で解決だ!」みたいな行動に走ったことも、何度かあったわ。
そして忘れちゃならない大事な点は、ロッシがイタリア系アメリカ人であること。
こよなくエスプレッソを愛するはずのロッシが、不味いとわかりきっているローカル警察のコーヒーで、我慢できるわけはない!
エミリー&ロッシが、警察署の不味いコーヒーに文句タラタラで、ひと口飲んだコーヒーをすぐにゴミ箱に投げ入れたシーンは、何回かあったのよ。
でもね、クリマイ・キャラを知り尽くしている大ファンの私は、エミリー&ロッシはそんな反応を見せてとどまる人たちじゃない、と知っているわ。
あのふたりは、BAUが特注したFBIのマーク入りのネスプレッソマシンを、捜査要請のあった警察署に運んでいくタイプよ!
特にロッシは、「サイン入り・限定版ネスプレッソマシン」の販売だって、イヤとは言わないはず
(私、もしかしたら買ってるかも。バブルの血が騒ぐから)。
どうしてそこまで奥深い演出をしてくれなかったのか、そこだけが、クリマイの大ファンだった私はちょっぴり不満。