『こんにちは、いぬです(じゅん著)』は犬が好きな方、または犬が家族の一員という経験のある読者にとっては、たまらない1冊。
とっても可愛いイラストと、犬の視線で綴られているほのぼのとしたエピソードは、読者の心をじわじわ温めてくれます。
時には笑い、時には涙…。すでに虹の橋へと旅立ってしまったウチの子を思い出して、読書中は泣きっぱなし。
けれども読後は、思い出に包まれて心が温かくなりました。
『こんにちは、いぬです』著者・じゅんさんのプロフィール
- 1996年 茨城県出身
- 2018年 日本大学芸術学部卒業。フリーのイラストレーターとして活動開始
初著作「もっさりもさお ぼくがいるからだいじょうぶ!」を発売 - 2020年 「こんにちは、いぬです」(第1巻)発売
- 2021年 「こんにちは、いぬです2」(第2巻)発売
- 2022年 「いつでもそばに こんにちは、いぬです」(第3巻)発売
じゅんさんの愛犬は、ポメラニアンの男の子・むっくさんと判明して、かつてポメちゃんの女の子を飼っていた私は、勝手にテンションMAX状態!
わが家にいたすーちゃんも、いつも笑顔(ただし例外はブラッシングの時間・お留守番・獣医院訪問)で元気はつらつ、しかも違いのわかる「おいぬ様」だというところまで、じゅんさんのお宅のむっくさんと、まるっきり同じ♪
嬉しい時に自分の尻尾を追いかけてクルクル回り、最後には目が回ってバタン・キューと息切れしていたすーちゃんの姿が目に浮かび、この情報だけでも泣き笑いしてしまいました。
関連リンク:WANI BOOKOUT <うちのむっくはいつも楽しそう>(閲覧日2023/02/19)
『こんにちは、いぬです』個性豊かな登場いぬ6匹と定番のご挨拶
- しばいぬさん(男の子):「こんにちは、いぬです」
- シーズーさん(女の子):「こんにちは、いぬよ」
- ハスキーさん(男の子):「こんにちは、いぬだ」
- シュナさん(男の子):「こんにちは、いぬです」
- ビションさん(男の子):「こんにちは、いぬです」
- パグさん(男の子):「こんにちは、いぬだと思います」
登場いぬたちはみんな『いぬ』の名称で自己紹介をしているので、本名は匿名です。
それぞれの登場いぬのお決まりのご挨拶が、キャラクターにピッタリなので、彼らのキュートさも倍増!
読者としては、登場いぬが個人的に挨拶してくれたような気分に浸れるので、顔がニヤニヤ。←突如セルフィー・モードになったら、きっと気絶するほど気味の悪い笑顔だと自分で思うのですが、止めることができませんでした。
6匹の登場いぬたちの詳しいポートレートは、『こんにちは、いぬです』の作者・じゅんさんの公式サイトに掲載されています。リンクは、コチラ↓。
関連サイト:じゅんのいぬかわいいメモ <「こんにちは、いぬです」登場いぬ紹介>(更新日2020/10/19)(閲覧日2023/02/19)
『こんにちは、いぬです(じゅん著)』主題は一途な犬の愛情と優しさ
『こんにちは、いぬです(じゅん著)』は、各エピソードが4コママンガで1話完結する構成です。
本の中では、上記6匹のいぬたちが順番に登場し、家族や仲間たちと体験する彼らの日常や、ご主人への気持ちを、すべて犬の視線で語っています。
犬が家族の一員だった人なら、「あるある」と頷いてしまうエピソードに添えられた優しさいっぱいのイラストと、登場いぬたちの本音がわかる穏やかな文章からは、ご主人への一途な愛情が浮き彫りになっているので、本当に心温まります。
同時に、これだけ無垢な愛情を注いでくれる犬を、飼い主は本当に大切にしてあげなければいけないなと、あらためて思いました。犬だけではなく、ペット全般に言えることですが。
『こんにちは、いぬです(じゅん著)』私の読書感想
こんなに微笑ましくて、ちょっぴり切なくて、でも犬と暮らせる幸せな時間を味わえる本は、他にはないのでは。
私は普段、マンガを全然読まないタイプなのですが、なぜかオススメで出てきた『こんにちは、いぬです』の著者・じゅんさんのほのぼのとしたイラストに心惹かれて、この本を手に取りました。
ページを開いた途端、わが家にいたポメラニアン・すーちゃんとの日々が思い出されて、涙が止まりませんでした。
スイスに移住する直前に母が急逝したので、ひとりっ子の私はすーちゃんと一緒にスイスへ引っ越したのですが、移住当初、スイス生活への適応が難しく、ともすれば引きこもりになる可能性大だった私に、毎日のエネルギーをくれたのは、すーちゃんでした。
すーちゃんがいてくれたおかげで、
- お散歩のために外出必須・毎日規則正しく生活
- よそ者に対して猜疑心の強いスイス社会(しかも田舎町)で、お散歩を通じて続々と知り合いゲット
- お散歩で得た現地の人たちとの交流のおかげで、スイスで人種差別を受けることがあっても、「どこの国にも、嫌な人も良い人もいる」と実感
- どんなに心が凹んでも、「ご主人様が最高!」のすーちゃんの愛情で癒される
という体験ができたのです。
だからこそ、私はたとえ落ち込む経験をしても、スイスでの毎日の生活に楽しさを見出して、社会に順応することができたのではないかと思って、今でもすーちゃんに感謝しています。
スイスへ移住してから5年後に、すーちゃんは虹の橋へと旅立ってしまったのですが、私には少し気がかりなことがあります。
それは、ポメラニアンのすーちゃんと、その後わが家に迎えた猫のすーちゃん(あいにく彼女もすでに虹の橋の住猫)のどちらもが、ものすごい女王様気質なこと(笑)。
どちらの子も、「No.1は私!」と譲らない性格だったので、私を迎えにきてくれる彼女たちの機嫌を損ねることなく、お膝の上の寝場所を提供できるかしらと、時々真剣に悩んでいます。
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『こんにちは、いぬです(じゅん著)』は、犬との共同生活を経験した方や、犬好きの方の心を温めてくれる、とても素敵な本。
涙腺は崩壊しますが、優しく心に響く本なので、これから私は時々、『こんにちは、いぬです(じゅん著)』を開いて、わが家のすーちゃんの思い出に浸りに行く予定です。
じゅんさん、本当に素敵な本をありがとうございます♪
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