【小学校で担任の先生から嫌がらせ】実体験に基づく効果的な対応手順

エッセイ

わが家が体験した小学校の担任教師による嫌がらせは、信頼できる先生の理解とご協力により、幸いにも短期間で解決に至り、大事には至らずに済みました。

けれども、先生と生徒という「強者」と「弱者」の力関係がある環境で起きる嫌がらせは、ストレスが最高レベルに達する深刻な問題。

状況が長引くほど心身に悪影響を及ぼしますので、先生からの嫌がらせというトンネルから速やかに抜け出すために、わが家のケースで問題解決に役立った対応手順を、今回の記事でご紹介します。

少しでも参考になれば、幸いです。

嫌がらせといじめの定義

嫌がらせといじめの定義

【嫌がらせ】

相手が嫌がるようなことをわざわざ言ったりしたりすること。また、その言行。

引用元:コトバンク 出典 精選版 日本国語大辞典            

【いじめ】

いじめは「自分より弱い者に対して、一方的に身体的・心理的攻撃を継続的に加え、相手が深刻な苦痛を感じているもの」と定義される。

引用元:コトバンク 出典 日本大百科全書(ニッポニカ)

【いじめとは?】いじめ防止対策推進法による定義

いじめ防止対策推進法(平成25年施行)では、いじめを以下のように定義しています。

「いじめ」とは、「児童生徒に対して、当該児童生徒が在籍する学校に在籍している等当該児童生徒と一定の人的関係のある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものも含む。)であって、当該行為の対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているもの。」とする。なお、起こった場所は学校の内外を問わない。

引用元:文部科学省 <いじめの定義の変遷>

今回お伝えするわが家のケースでは、担任教師の直接的な問題行動が始まってから、すぐに事態を把握。別の先生の協力により、速やかに問題解決に至ったので、「嫌がらせ」という表現を用いています。

【嫌がらせの背景】担任の先生はお世話係を必要としていた生徒の母親

【嫌がらせの背景】担任の先生はお世話係を必要としていた生徒の母親

私の娘が受けた小学校担任教諭からの嫌がらせには、特殊な背景がありました。

それは、嫌がらせをしてきた担任の先生は、小2で娘がお世話係を任されていた生徒さんの母親であるという、複雑な事情です。

学校側が対応できるインクルーシブ教育受け入れ体制の域を超えた障害レベルと判断し、担任の先生のお子さんに転校を要請した理由は、指導に当たっていた先生方の意見と、たったひとりでこのお子さんのお世話係を任されていた私の娘への重圧を、私たちが学校側に伝えたことに起因します。

ですから、担任の先生が母親として、私の娘とわが家に対し快く思っていなかったであろうお気持ちを、理解できる一面もあるのです。

もう一面では、受け入れ体制のない学校と別の生徒に度を超えた責任を押し付けることが、お子さんへの理想的なサポートだと誤解していた親御さんが巻き起こした波紋により、関係者全員が傷ついた状況へのやるせなさと憤慨もありました。

お世話係を任されていたときの体験談は、コチラ↓。

【小学校で担任の先生から嫌がらせ】事の顛末

【小学校で担任の先生から嫌がらせ】事の顛末
  • 嫌がらせのテーマ:宿題(特別課題)
  • 担任の先生の主張:「お宅のお子さんは特別課題を毎回忘れる。性格的に問題あり」
  • わが子の主張:「そもそも出されていない特別課題を、『やらなかった』と批判される」
  • 嫌がらせ発覚後、信頼できる別の先生に相談。その先生の指示により「証拠集め」開始
  • 同時期に、担任教師が別の生徒にも嫌がらせをしていたと判明
  • 校長先生との話し合いを目前に、嫌がらせをしていた担任の先生が転職の意向で退職届を提出

【小学校で担任の先生から嫌がらせ】効果的な対応策5つのステップ

【小学校で担任の先生から嫌がらせ】必要な対応策5つのステップ

先生の嫌がらせが始まってから、問題解決に至るまでに必要な対応策は、以下の5つの段階に分けることができます。

  • まず親が状況を把握
  • 信頼できる先生に相談
  • 嫌がらせの証拠を集める
  • 信頼できる先生に事実を再報告 ←わが家の場合、この段階で問題解決!
  • 専門機関に相談

【小学校で先生から嫌がらせ】対応策①まず親が状況を把握

【小学校で先生から嫌がらせ】対応策①まず親が状況を把握

担任のP先生からの嫌がらせが始まったのは、3ヶ月の暫定期間を終え、飛び級確定となった娘が、小4になってまもなくのこと。

浮かない表情の娘が、

  • 担任の先生に、特別課題を忘れてばかりだと批判されている
  • 忘れたはずの特別課題を出された形跡がまったくないため、反論
  • 先生は罰として、週末用に膨大な宿題を出してきた

と、私に悩みを打ち明けてきたのです。

この学校では、生徒全員に出される「宿題」と、各個人の発達レベルに適した「特別課題」により、それぞれの能力を最大限活かす指導方針が徹底されていました。

「変な話だけど、特別課題は宿題帳に記入さえしていないの。でも、P先生が『間違いなく特別課題は出した』っておっしゃっているから、来週分からしばらくの間、ママも一緒にチェックしてくれる?」と私に頼んできた娘。

子どもたちの計画性を促すため、出された宿題/特別課題はすべて宿題帳に記入し、自分で提出期限をチェックする方法が、学校では導入されていたのです。

几帳面な娘にしては珍しいミスと思いつつ、もちろん協力を快諾。「やはり、飛び級のストレスがあるのかしら…」と、心配になりました。

そこで、翌週からは私も特別課題の内容と提出期限をダブルチェックするようにしたのですが、状況は一向に改善しないまま。

「特別課題、また忘れているって叱られた…。出された覚えがまるでないのに」と肩を落として帰宅する娘を前に、状況を確認しなければ…と思っていた矢先、P先生から私のところに電話があったのです。

「特別課題を忘れているのは、だらしなさが問題」と、通話の内容は娘の性格に対する一方的な批判。

出された課題/宿題を宿題帳に速やかに記入する指導方針の授業で、なぜ全課題の記載が抜け落ちているのかという点について私がおたずねすると、「彼女は嘘が上手。親は自分の子どものことが見えないから」と、決めつけられて会話が終わりました。

ちなみに罰で出された宿題は、週末で捌ききれない大量さ(練習帳2冊分)。

そこで、「両親の判断により、土・日1時間ずつで終わる範囲で提出します」とお手紙を添えたところ、「飛び級したくせに、こんなのもできないの」と先生に嫌味を言われたと、娘は涙ぐんでいました。

【小学校で先生から嫌がらせ】対応策②信頼できる先生に相談

【小学校で先生から嫌がらせ】対応策②信頼できる先生に相談

P先生があれほど強気で「特別課題は出した」と言い切っている以上、先生と生徒の意見の食い違いに軍配が上がるのは、P先生であることが明白でした。

娘が週に4回お世話になっていた、学校独自の学童を担当していたL先生は、P先生のお子さんのお世話係としての期待と重圧が増していた娘の状況に最初に気づき、私に連絡してくださった方。

お世話係の責任がエスカレートしていた際の事情もご存じなので、娘本人の意思を確認後、L先生に相談に乗っていただきました。

するとL先生は当面の間、娘の宿題帳を確認しながら、P先生に特別課題の内容と提出期限を学童の時間に電話確認することを提案。

念のため、「Lにより電話確認済み」というひと言を、宿題帳にも記入してくださるとのことでした。

【小学校で先生から嫌がらせ】対応策③嫌がらせの証拠を集める

【小学校で先生から嫌がらせ】対応策③嫌がらせの証拠を集める

さらにL先生からは、これまでP先生が出したはずの特別課題と実際に出された罰の宿題、そしてことばで受けた嫌がらせを、日時・内容などできるだけ具体的に残しておくことが大切だとの指示がありました。

毎日P先生に叱られて、すっかり萎縮していた娘と、彼女を心配していた私たちも、信頼のおけるL先生の速やかなサポートにより、「もう自分たちだけで悩みを抱えているわけじゃないから、何とかなる」という希望が見えてきました。

担任の先生からの嫌がらせが続く間、お子さんがクラス以外の居場所で、信頼できる大人や友人と交流ができるように、親御さんはぜひ心がけてあげましょう!

【小学校で先生から嫌がらせ】対応策④信頼できる先生に事実を再報告

【小学校で先生から嫌がらせ】対応策④信頼できる先生に事実を再報告

第三者によるコントロールが入ったためか、担任のP先生からの特別課題忘れへの批判は、急にゼロの状態に。

ところが今度は、娘が提出したはずのテストや課題が「紛失している」事態が数回発生したのです。

「ないものは採点できませんから」と、主張するP先生は、「ではいったい、どうやってテストや課題が紛失したのか」という私たちの質問への回答は、しないまま。

そこでL先生に現状を再報告、いよいよ校長先生に面談要求を…となった段階で、「お宅のお嬢さん、P先生に嫌がらせされているんですって?実は、ウチの子もなの!」と、同級生・Zちゃんのお母様から連絡があったのです。

担任の先生は別の天才児にも嫌がらせをしていたと発覚

担任の先生は別の天才児にも嫌がらせをしていたと発覚

Zちゃんは、小3から小4への飛び級を希望していたお子さん。この学校では、小3・4年は合同クラスなので、飛び級前後のサポートがスムーズに行くだろうという考えから、すでに1年ほど前、小3になった時点で担任のP先生に、飛び級したい旨を相談したとか。

するとP先生は、「Zちゃんの将来には、飛び級は良い解決策でしょう」と答え、「教育庁への天才児認定申請を、すでに終えました。あとは連絡待ちです」と、その後Zちゃんのご両親に伝えていたそう。

ところが、教育庁からの連絡は、待てど暮らせど来ないまま。P先生に何度か確認しても、「希望者が多いのでしょう。申請はしましたから」との返事があるばかり。

Zちゃんの妹さんが、同じ小学校の1年生になったことを機会に、小1・2年クラスの先生に「飛び級申請の待ち時間、こんなに長いと思いませんでした」と話したことから、事態は発展。

通常では考えられない待ち時間の長さを不審に思った小1・2年クラスの先生が、教育庁に確認したところ、なんとZちゃんの申請はされていないと判明したという、信じられない話の内容でした。

そしてこの直後、突然担任のP先生が他の業種への転職を理由に、学校に退職届を提出という、予想外の結末となりました。

【小学校で先生から嫌がらせ】対応策⑤専門機関に相談する

わが家のケースでは、専門機関への申し立てをする前の段階で、以上の経過から無事に問題解決。

けれども、嫌がらせを受けていた際の経過を振り返ってみますと、信頼のおける第三者に相談し、助言を受けることの大切さを、あらためて実感しました。

そうしなければ、嫌がらせの張本人と嫌がらせをされている自分の立場に囚われすぎて、思考回路が止まってしまう危険性が、非常に高いです。

相談先と専門機関へのコンタクトをお探しの方は、コチラ↓の専門サイトで情報を得られると思いますので、以下にリンクを貼っておきます。

外部リンク:

不登校生の無料相談サイト「candle」<いじめ・不登校相談先一覧>(更新日2018/07/13)(閲覧日2022/09/01)

ベリーベスト弁護士法人 宮本健太弁護士監修 <先生からパワハラを受けたときの対処法6つを弁護士が解説>(更新日2022/07/03)(閲覧日2022/09/01)

「信頼のできる誰かに、嫌がらせを受けていることを思い切って打ち明けること」は、嫌がらせの現状を打破するカギ。

できるだけ早く動くことで、できるだけ早くネガティブな状況から抜け出せます。

お子さんが、本来の自分らしさを1日も早く取り戻せるように、今囚われている現状の外に目を向け、適切な対応の仕方を探してみてください。どうか上手く問題が解決しますように。

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