【SWISS乗員不足】ルフトハンザ出向乗員への特別待遇で炎上

スイスライフ

コロナ禍の大量解雇によるスイスインターナショナルエアラインズ(SWISS)の乗員不足を補うため、ルフトハンザから出向する客室乗務員が特別扱いを受けると判明し、SWISS乗員の怒り爆発…とスイスの日刊新聞が報道しています。

今回私が参照したのは、スイスで最大の読者数を持つ20ミヌーテンの報道記事。無料の日刊紙なのですが、事実報道に真摯に向き合う姿勢が、地元では高評価されている新聞です。

参照記事:20min <Swiss macht Personal mit Extras für Lufthansa-Angestellte sauer> (更新日2022/06/14)(閲覧日2022/06/15)

【SWISS乗員不足問題の現状】’22年7・8月100便欠航の概要

  • 2022年7・8月の繁忙期に、乗員不足のため100便が欠航決定
  • SWISSに不足している客室乗務員数は600名(社員の発言)
  • SWISSのコロナワクチン接種義務付けに従わず、自宅待機中の乗員150名は引き続き乗務禁止(うち何名が既に解雇されたのかは未公表のため不明)
  • 親会社ルフトハンザから70名の客室乗務員が最長9ヶ月間SWISSに出向(出向する乗員数はさらに増える見込み)

【SWISS乗員不足】ルフトハンザからの出向乗員への特別扱いとは?

【SWISS乗員不足】ルフトハンザからの出向乗員への特別扱いとは?

ルフトハンザからSWISSに出向する客室乗務員に示された条件は、

  • チーフパーサーでの登用
  • 毎月500スイスフラン(約6万8千円)のボーナス配給
  • 出向期間の宿泊先であるホテルはSWISSが用意し、費用も負担

だと、SWISSの現役客室乗務員が得た内部情報が、日刊紙には報道されています。

乗務経験と功績に関係なく、ヒラの客室乗務員がSWISSで突然チーフパーサーを担当することができるという点については、SWISS広報は否定。

ただしボーナス配給とホテル費用負担については、出向に伴う社会保険や健康保険費の追加分を考慮した上での必要な措置であると、SWISS広報はコメントしています。

【SWISS乗員不足】労組は大量解雇を批判するも解雇者復帰は検討外

スイス公共サービス要員連合(VPOD)という労働組合のメンバーは、SWISSが必要以上に大量の社員を解雇したため、乗員不足に陥っているのだと批判。

しかし解雇された客室乗務員の多くは、今もなおSWISSに復帰して乗務することを希望しているので、ルフトハンザからの出向社員をリクルートするより、再雇用を可能にすれば乗員不足の速やかな解決策につながると指摘しています。

これに反し、SWISSの前身企業・スイスエアーの元人事部長は、更なる欠航便を防ぐためには、ルフトハンザからの出向社員を迎え入れるしかSWISSには残された道がないという意見。

短期間で問題解決策を見つけるために、必要経費がかさむことは、致し方ないと発言しています。

【SWISS乗員不足】こじれて炎上状態のSWISSは乗客離れ

【SWISS乗員不足】こじれて炎上状態のSWISSは乗客離れ。旅行会社の女性

夏休みを前にして、私の友人たちも口にしているのが、「今はSWISS便を予約すべきではない。いつキャンセルになるかわからないから」というセリフ。

出発日の14日前までに欠航が決定したフライトにおいては、航空会社は予約客に対し、基本的に何の保障もする必要がないため(支払われた料金の払い戻しは通常可能)、2022年7・8月のSWISS大量100便欠航の迷惑をこうむっているのは、顧客と旅行会社です。

SWISS便欠航により、旅行そのものを中止せざるを得ない人たちはもちろんのこと、予約変更に伴う複雑な手続きに追われる旅行会社のエージェントたちの不満も度々、スイスのメディアでは報道されています。

まだまだ炎上状態が続く様子のSWISSで、顧客離れは深刻と予想されますが…。

新情報が手に入りましたら、またブログ記事でお伝えします。

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