平野歩夢選手の父・英功氏に見る天才児教育の真髄コーチング法

エッセイ

平野歩夢選手が、北京オリンピックで念願の金メダル獲得!
しかも冬季オリンピックのスノーボード種目で、3大会連続のメダル獲得は、日本人初!
おめでとうございます!!

偉業を達成しただけではなく、もはや国際的なスキャンダルに発展している2本目のトライアルでの不条理な採点をものともせずに、3本目の試技を成功させた平野歩夢選手の精神力の強さは、圧巻。本当によかったと目頭が熱くなりました。

そんな平野歩夢選手と父親・平野英功さんを2010年に取材したレポートでは、「天才児教育にあたる親の姿勢の真髄」が浮き彫りになっています。

子どもの天才を伸ばす育児の要素がいっぱい詰まった平野英功さんの発言を、私なりに分析してみました。

この記事でわかること:

【天才児教育における親の「あるべき姿」6ポイント】
平野歩夢選手の父・英功氏に見る天才児教育の真髄コーチング法

  • 出会い:子どもが興味を持てることに出会うきっかけを作る
  • 継続:興味を持ったことを続けられるようにサポートする
  • 共有:子どもが熱中している体験を観察・共有
  • 結果より経過:結果の成否にかかわらず、子どもの努力を重視
  • 承認:子どもの意思による行動を認めて受け入れる
  • 尊重:子どもを人として尊重

今回の記事の執筆にあたり参照した動画は、新潟ニュースNSTが2010年に放映したレポート。当時11歳だった平野歩夢さんと父・平野英功さんへのインタビューです。

天才児教育における親の「あるべき姿」①出会いを提供

どんな天才でも、自分が熱中できることに出会う機会に恵まれなければ、才能を伸ばすチャンスは訪れません。

平野家では、お父様とお兄様がスノーボードとスケートボードに興味を持っていたため、平野歩夢選手は自然な形で、自分が夢中になれるスポーツ種目との出会いがあったそうです。

天才児教育における親の「あるべき姿」②継続できる環境作り

子どもが「やりたい」と興味を示したことを、できるかぎり頻繁に実行できる環境を整えるのは、大切な親の役目です。

平野兄弟がスケートボードに興味を持ったものの、自宅の近くにスケートパークがない現実に直面した父・平野英功さん。

なんとご自分で老朽化していた体育館を再築して、国内最大規模の「日本海スケートパーク」を経営することを決意。

レポートの中では、お父様しか登場していませんが、子どもたちのためにスケートパークの運営を思いついたお父様とアイデアを分かち合った平野選手のお母様のサポートも、人並み外れた素晴らしさ。

平野選手ご自身も、毎日練習できる環境を親が作ってくれたからこそ、世界のトップに位置することができたと、以下にリンクを貼ったインタビュー動画、Monster Energy : AYUMU HIRANO | Aspire – Inspire: Ep 04の中で親御さんに感謝しています。

天才児教育における親の「あるべき姿」③熱中体験を観察・共有

子どもの才能を伸ばすカギは、

  • 子どもが夢中になっていることに、親も関心を持つ
  • 自分の好きなことに熱中している子どもを見守り、共感してあげる

という、親子間での<注意の共有>体験です。

新潟テレビのレポートの様子からも、11歳で1日5時間の練習に励んでいた平野選手のトレーニングを見守り、一方的な指導ではなく、平野選手が自分で考えるきっかけを作ってあげているお父様の姿が印象的です。

天才児教育における親の「あるべき姿」④結果より経過重視

11歳で初めてプロに混ざって国内の大会にチャレンジした平野選手が、決勝グループに進出したものの、15位の結果で大会終了。その際、平野英功さんは「これからが大切」とおっしゃっています。

大会数日後の様子はレポートされていなかったので、これはあくまで私の想像ですが、平野選手が試合結果を振り返り、気持ちの整理をつけ、さらに前進するための影の立役者がお父様だったことは、明らか。

たとえ満足度100%ではない結果であったとしても、何かに挑戦したプロセスをバネに、次のステップに結びつけられるかどうかが、最終的な目的到達の決め手となります。

天才児教育における親の「あるべき姿」⑤子どもの意思を承認

子どもへの指導で大切なことは、

押し付けるのではなく、自分で考えることを促す指導。…自分で壁を乗り越えたときの達成感が、本人を大きく成長させる。

引用元:新潟ニュース NST 【2010年放送】小学生スノーボーダー 平野歩夢選手 新潟からオリンピックを目指す 
(更新日2022/02/12)(閲覧日2022/02/12)

と話す平野英功さん。

平野兄弟が幼かったころには、あちこち治すように無理な指導をしたこともあったけれど、後から考えてみると、指導をあせる必要はないことに気づいたそう。

実際、レポートの中で「日本海スケートパーク」を訪れた小さな男の子が、高い所から下に滑り降りることができず、ジャンプする決心が自分でつくまで、付かず離れず見守る平野英功さんの姿が印象的です。

「日本海スケートパーク」は、将来オリンピックで活躍する選手が続々と誕生する場になる予感がします。

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追記:「日本海スケートパーク」は、建物の老朽化が進んだため、2019年に新施設の「村上市スケートパーク」が代替施設として誕生したそうです

外部リンク:新潟県村上市 村上市スケートパーク

スポーツを通じて、同じ趣味や目的を持つ仲間たちと出会い、交流を深める場所があることは、子どもの健全な心身の発育にとって最良の環境です。

このような素晴らしい環境である村上市スケートパークからは、世界の舞台で活躍する選手のみならず、自分の人生をしっかり歩んで行く若者たちが成長するはずです。今後が本当に楽しみです。

ところで、同じく新潟を拠点に活動しているダンスチーム・Chibi Unity の皆さんも、海外を舞台に大活躍中。新潟県ってクール!

天才児教育における親の「あるべき姿」⑥子どもを人として尊重

夢を追いかけるのは大変なことなので、人としてスゴイと思う。だから、私も負けずに夢を追っていきたい。

引用元:Monster Energy : AYUMU HIRANO | Aspire – Inspire: Ep 04 (更新日2021/06/26)(閲覧日2022/02/14)

自分の子どもを人としてリスペクトし、子どもと切磋琢磨できる生き方を目指している平野英功さん。

自分の子どもの成功だけに焦点を当てるのではなく、地元の振興・次世代の育成、そしてスノーボードとスケートボードのスポーツ種目としての前進を目標にしている平野歩夢選手の父・英功さんの姿勢は、「この父にしてこの子あり」。

平野歩夢選手のお兄様・英樹さんも世界のトップレベルで活躍していたスノーボード/スケートボードの選手、そして弟さんの海祝さんは今回の北京オリンピックで9位だったスノーボード選手。

自分で掲げた目標に向かって、有言実行の歩みを共に刻んでいる平野親子のお姿に、ただただ感嘆します。素晴らしいご家族ですね。

才能と人柄溢れる平野歩夢選手のミスジャッジへのコメント

記者会見のマイク

理解不能と言われる北京オリンピックでの2本目の試技へのジャッジについて、平野歩夢選手が出したコメントも、言葉を選んだとても思慮深い内容でした。

「自分の結果」へのこだわりを超えて、スノーボードというスポーツをさらにプロフェッショナルなレベルに引き上げるための判定方法の重要性に言及し、スポーツ種目としての改善を促す発言は、オリンピックの金メダリスト・平野選手の意見だからこそ、世界で注目を集めているはず。

関連記事:HUFFPOST | 平野歩夢選手の採点に「選手は命がけで挑んでいる」米NBC解説が2本目のジャッジに異を唱える(更新日2022/02/12)(閲覧日2022/02/14)

記者会見での発言の内容と姿勢から、平野選手のスポーツマンシップと視野の広さ、自信と責任感あふれる態度すべてが「チャンピオン」にふさわしい存在感でいっぱいだったので、視聴者のひとりである私は、とても感銘を受けました。

平野歩夢選手のさらなるご活躍を、応援しています!

【まとめ】平野歩夢選手に見る天才児の育て方:親の「あるべき姿」

【天才児教育における親の「あるべき姿」6ポイント】
平野歩夢選手の父・英功氏に見る天才児教育の真髄コーチング法

  • 出会い:子どもが興味を持てることに出会うきっかけを作る
  • 継続:興味を持ったことを続けられるようにサポートする
  • 共有:子どもが熱中している体験を観察・共有
  • 結果より経過:結果の成否にかかわらず、子どもの努力を重視
  • 承認:子どもの意思による行動を認めて受け入れる
  • 尊重:子どもを人として尊重

子どものためにスケートパークを自力で運営開始などというどでかい発想を思いつき、実現する能力と勇気は一般人にはなかなか備わっていないものですが、何事に対しても「ムリ」だと枠をはめずに、どうすればアイデアを実行できるのか、その手段を見つけながら歩んでいる平野選手のご両親の生き方は、とても素敵。

私も自分の人生訓として、平野ファミリーの生き方をお手本にさせていただきます。

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