わが家の家電製品は、とても頻繁に壊れる。
昭和世代にひとりっ子だった私は、品物を丁寧に扱うタイプで、良く言えばおっとりした、悪く言えばノロマの性格なのだが、そんな私が手にする小型家電製品の壊れる率は、ハンパではない。
壊れ方にも特徴があって、
- 品質保証期限が切れた直後に壊れる:掃除機
- 品質保証期限が切れる直前に壊れる:それ以外の小型家電製品
と、パターンが決まっているのが、本当に不思議でならない。
どうやら私は、「パウリ効果の持ち主なのかもしれない…」と、本気で思うようになってきた。
パウリ効果とは?:破壊大魔神のノーベル物理学賞受賞者・パウリ氏
奇しくも私の潜伏地・スイス出身で、ノーベル物理学賞の受賞者、ヴォルフガング・パウリ氏の破壊力は、「物理学界の古典的ジョーク」と言われるほど逸脱していたようで、さまざまなエピソードが残されている。
実験が苦手だったパウリ氏が触れたり、近づいたりすると機材が壊れただけではなく、
- 乗車中の列車が停車した時刻に、停車駅にあった研究所で爆発事故が発生
- 見学に訪れた天文台の望遠鏡の一部が落下して破損
など多くの逸話があり、パウリ氏ご本人も周囲も、偶然以上に発生するパウリ氏の物品破壊力を意識していたらしい。
ちなみにパウリ氏は、「シンクロニシティ概念」の提案者で、私の出身大学の大先輩、カール・グスタフ・ユング氏と交流があったとのこと。
これも何かのご縁かしら…。
<参照サイト>
カラパイヤ <超常現象を信じた8人の有名な科学者たち>(更新日2014/08/11)(閲覧日2023/11/30)
フリー百科事典 ウィキペディア <パウリ効果> (更新日2023/09/18 13:31 UTC) (閲覧日2023/11/30)
【パウリ効果が原因?】私の体験談:掃除機編
先日のブラック・フライデーで、再び掃除機を購入する羽目になった。
昭和化石でブランド品に弱い私は、掃除機選びにも余念がない。
ダイソン、ミーレ、シーメンス、エレクトロラックス…と、これまでに購入してきた掃除機は、どれも有名メーカーのもので、消費者センターが行ったテストでトップの成績に輝いた品がゾロリ。
だけど私が使用すると、なぜか品質保証期間が終了した直後に、揃ったように動かなくなる。
わが家で購入した掃除機が、「じゃあ、みんな一緒に!せ〜の!」と約束して壊れているようで、なんとも腹立たしい。
しかも、どの掃除機も壊れるその瞬間、なぜかそっくりな「息も絶え絶え」的な音を出してお陀仏になる様子が、毎回小憎らしくてたまらない。
掃除機がまた壊れたことを知った夫は、「ブラック・フライデーの前でよかったじゃん。だけど、ウチが試してないメーカーって、まだあるの?」とたずねてきた。
「今回私が望みをかけたのは、フィリップスよ」と答えると、「次は最初に戻ってダイソン?」と聞いてきた。
たぶんね…。
【パウリ効果?】でも保証期間切れの直前に破壊力を発揮する私の凄さ
けれども内心、「私ってスゴくない?」と思っている点は、掃除機以外の小型家電製品が、品質保証期間が切れる直前に壊れること。
パウリ氏にはかなわないけれど、私のエピソードの一部をご紹介するわ。
【パウリ効果?だけど保証期間内の故障】ノートパソコン
これまた不思議で、新品のノートパソコンを私が開封したら、画面が「砂の嵐」(← 昭和時代のこのネーミング、今ではオシャレに「スノーノイズ」と呼ばれているのね?)で、セットアップすらスタートできなかったことが、これまでに3回あった。
余談になるが、Apple社と私の相性は良いらしく、どの製品も長年活躍してくれるのが、謎。
【パウリ効果?だけど保証期間内の故障】体重計
「こんなものまで壊れるんだ…」と、我ながら驚いたのが、体重計。しかも数ヶ月の間に、2回連続で。
体重だけではなく、体組成計も測定できるタイプの品とはいえ、その壊れやすさにビックリしたものだ。
1度目の故障の際には、「ついてなかったですね」と、笑顔ですぐ新品に交換してくれた店員さんだが、2度目の故障時に対応した店員さんは、私の購入・交換履歴データを閲覧すると、眉をひそめてこう言った。
「すみません、短期間に2度目の交換依頼となるので、サービスセンターの本部に連絡を入れる必要があります」と。
私の目の前で電話をかけた店員さんは、本部の担当者に事情を説明したのち、口ごもって私に聞いてきた。
「あの〜、サービス部によると、このタイプの体重計が壊れたという苦情は、お客様以外に該当ケースがないらしいのです。それで…、あの…、本部がどうしても知りたがっているのですが、この体重計は、ご家族でお使いになっていますか?」と。
私が肯定すると、「ご家族は体格の良い人たちですか?たとえば、100kg以上とか?」と質問が続いた。
担当した店員さん(20代の青年)は、ゆでだこのような赤面状態。顧客のプライベートに立ち入った質問をすることが、たまらなく嫌そうで、思わず同情した。
「家族は痩せ型で、毎週スーツケースの重さを測るなんてことも、していません」と否定すると、店員さんは頷き、その旨を本部の担当者に伝え、最後に素敵なひと言も付け加えてくれた。
「いえ、故障した体重計の交換依頼をなさっているご婦人も、とても華奢です(注:私は標準体型)」って、あなたウレシイこと言ってくれるじゃないの(笑)。
【パウリ効果?だけど保証期間内の故障】コーヒーメーカー
大のコーヒー党である私が、スイス製のJura(別名コーヒーメーカーのポルシェよ)を愛用していたときのこと。
相次ぐ故障で、コーヒーメーカーを2度交換、おまけに半年に一度くらいの割で修理に出していた私が、「修理期間中はコーヒーが飲めない」と嘆いたため、コーヒーメーカー専門店の店主の方が、代替品を貸し出ししてくださった。
けれどもこの代替品が、わが家で使用を開始した翌日に、故障。
「どうしよう…」と愕然としたのだが、店主の方によれば、私以外にもうひとり、同じような破壊大魔神が、このお店の顧客にいるとのこと。
「スプーンが手にくっつくかどうか、実験させてくれたらもう一度代替品と、念のために直火式のエスプレッソマシンを貸し出しします」と言われたので、その場で私には磁気はないことを実演。
けれどもこれ以上、事を荒立てたくなかったので、結局1週間、直火マシンを借用して過ごした。
ちなみにもうひとりの破壊大魔神顧客と私は、「店頭まではOKだけど、入店は禁止」の扱いを受け、店主は真面目に面白がっている。
ところで、ネスプレッソのカプセル・コーヒーメーカーに変えてからは、品質保証期間中は、故障なし。でもその直後に壊れるという掃除機的な状況に、変化している。
【パウリ効果?だけど保証期間内の故障】ミキサー
そして最後を飾るのは、私がいちばん自慢(?)にしているミキサーのお話。
故障した際、簡単に交換できるようにと、使用頻度の高い家電製品は、いつも同じ電気屋さんで購入している私。
現在わが家で愛用しているミキサーは、このお店で手に入れた4台目。過去に使用していた3台は、3台とも品質保証期間が切れる数日前に故障し、交換してもらったという過去がある。
3台目が動かなくなったときは流石に気まずかったので、「交換」ではなく、購入する予定で電気店に足を向けた。
誤解のないように申し上げるが、私はミキサーで氷を砕くことはなく、ごく普通に果物を使ったスムージーを作ることしか、していない。
とても親切なお店なので、「保証書があれば交換しますよ」と提案してくれた店員さんに、交換ではなく、新しいミキサーを購入希望であると伝えると、「待ってください、店長に相談してきますから」と、新入りらしきその店員さんは走り去って行った。
呼ばれた店長さんは、私を見ると、「あれ?ミキサーが壊れたのは、お客様ですか?」と含み笑い。
「保証書がないんですか?じゃあ、こちらの顧客データで確認しますから」と告げた店長さんは、しばらくすると本当にお腹を抱えて笑い出した。
「お客様、前回の保証期間が切れるのは、明日ですよ!1日前の交換って、これまでの最高記録じゃないですか?!」と、妙にハイテンションな店長さん。
1台目のときには保証期間切れになる1週間前、2台目では4日前、そして3台目では1日前と、私の破壊大魔神能力は、勝手にその技を極めていたらしい。
この店長さんの叔母様は、霊感が強くてタロットカード占いをしていらっしゃるそうで、やはり高確率で家電製品が壊れていると、前々回、そして前回ミキサーを交換した際、聞かされたのだが、その叔母様には「品質期間内の破壊能力はない」とのこと。
「いいじゃないですか、いつも新品が手に入るんだから」と羨ましがられたが、パウリ効果が高まってしまうと家計に響くので、どうせなら、スイスロトで高額当選するための数字が頭に浮かんでこないかなぁと、私は祈っている。
ところで私は、占いはもう信じていない。