スイス省エネ規制暖房19〜20°C:オフィスで必須のワードローブ

スイスのニュース

2022年の冬、スイスでは省エネ対策として、室内での暖房を最高温度19〜20°Cに設定するように、国が推奨しています(1度の違いについては下記に述べます)。

スイスでは先週から冷え込み始め、この記事を執筆している現在、ベルンの外気温は、ー2°C(今日の最低気温ー6°C/最高気温7°C)。

東京育ちの私は、低い温度を書くだけで、骨の芯までブルブルものの寒さ。

コロナ対策として、「まめな換気」も推奨されているスイスの某公的機関に勤める義妹が、暖房19°Cを厳守しているオフィスでの寒さ対策として、今年はビジネス用のワードローブを変更する必要に迫られていると話してくれました。

スイスの冬:自宅で暖房19°C以上にしたら罰金逮捕はフェイク情報

スイスの冬:自宅で暖房19°C以上にしたら罰金逮捕はフェイク情報

スイス連邦政府が発表した「緊急時における省エネ規制提案」に尾ひれがついたフェイクニュースが、日本語でもまことしやかに広まっていると、ウェブ検索でわかりました。

そこで本題に入る前に、まずはフェイクニュースの内容と、スイス在住の私が確認できた事実について、お伝えしたいと思います。

【スイスの省エネ対策:フェイクニュース】万一の緊急規制に尾ひれ

【スイスの省エネ対策:フェイクニュース】万一の緊急規制に尾ひれ

連邦政府が発表した規制案に尾ひれがついて拡散されてしまった理由は、コチラ↓のようです。

ブリックの記事は冒頭で「緊急時には暖房の利用を抑えるよう規制がかかる。緊急規制の違反者は恐れるべし。ガス規制違反には懲役刑や罰金が科される可能性がある」と警告した。

引用元:SWI swissinfo.ch <ファクトチェック:「スイスで暖房を19度に設定したら罰金・逮捕」は本当?>(更新日2022/09/13)(閲覧日2022/12/14)

スイスの大衆紙・ブリックの記事は、あくまでもガス不足のワーストケースにおける連邦政府の暖房規制提案を挙げていたのですが、記事の内容が拡散された際には、「まだ想定段階」であることが、すっかり抜け落ちてしまったようです。

フェイクニュースの怖さを象徴している出来事ですよね。

19-Grad-Grenze beim Heizen soll für alle gelten
Der Bundesrat will im Notfall eine Höchsttemperatur fürs Heizen vorgeben – bis jetzt aber nur für Gasheizungen. Verbände...

【スイスの省エネ対策:事実】連邦公式サイトでも確認ずみ

【スイスの省エネ対策:事実】連邦公式サイトでも確認ずみ

以下に記すのは、スイス在住の私自身が確認できた事実に基づく情報です。

スイス連邦政府は、冬に向けて起きる可能性のあるガス不足を考慮して、「緊急時における4段階の暖房規制案」を提唱しています。

  • 節約を心がける
  • ガスからオイルへの変更
  • ガス暖房による温度規制:1)室内の最高暖房温度20°Cを個人の住居・店舗・オフィスなどに設定、2)プールや空き家の暖房禁止
  • 暖房利用を時間規制

2022年9月末の連邦政府による提案では、最高暖房温度19°Cが推奨されていたが、11月末に20°Cへと変更

注:2022年12月現在、スイスではガスが不足していないので、エネルギー使用を禁止する規制は、まだ何もありません。

ちなみに、連邦政府が当初提案した最高暖房温度19°Cを20°Cに変更した理由は、「住居は最低20°Cに暖房されているように」という連邦裁判所(スイスの最高裁)の判決に反してしまうと、規制案提案後に明らかになったためとのことです。

お偉い政治家の方たち、なぜ誰も先に調べていなかったのか、一般市民の私にはちょっと疑問。

ただし、連邦政府による「節約のお願い」を国民が尊重しているので、オフィスでは、政府が当初推奨した最高暖房温度19°Cを尊重しているケースが多いと、耳にしています。

また、例えばわが家を含む個人住宅では、毎年冬恒例のクリスマスライトアップの使用を今年は中止するのが「新常識」。

ライトアップを自主規制しなかったご近所さんは、かなりひんしゅくを買っています。

外部リンク:
スイス連邦公式サイト(ドイツ語版)<Energie:Aktuelle Lage>(更新日2022/12/05)(閲覧日2022/12/14)
SRF <Mögliche Temperatur-Vorschrift könnte zu Klagen führen>(更新日2022/10/02)(閲覧日2022/12/14)

最高19°Cを尊重するスイスのオフィス多出:必須の新ワードローブ

最高19°Cを尊重するスイスのオフィス多出:必須の新ワードローブ

某公的機関に勤務する義妹の職場では、国民の良いお手本となるように、連邦政府が当初推奨した最高温度19°Cをキープしているそう。

仕事柄、スーツを着用している義妹は、「室内でダウンコートを着たままというわけにもいかないから、ホントに寒いの!しかも、コロナ対策でこまめな換気でしょ?もう、凍えているわ」とのこと。

彼女がこれまでに取ったオフィスでの寒さ対策は、

  • マフラーを外さない
  • PC業務の間は指先がカットしてある手袋と帽子着用
  • パンツスーツの中にはスキー用のタイツと靴下
  • 足元がすごく冷えるから職場の靴はスノーブーツ
  • 分厚い膝掛け

というもの。

「だけど、まだ上半身に寒さがしみるの。膝掛けを肩からかけたりもしているのだけど、動きにくいから、椅子から立ち上がる時には大変よ」と話す義妹の話を聞いて、私の頭に浮かんだのは、コレよ↓、コレ!

「これをオフィスで着るって、ちょっと待ってよ…。いや、でも肩と背中は暖が取れるし、両手は自由に動くからそんなに悪くないかも」と、背に腹は変えられぬ義妹。

昨年、私宛に広告が届いた時には「なぜこんな品が…」と腹を立てたのだけど、マタギベストって、今年の流行アイテムなんですって?!

なんだ、流行の先取りでオシャレなアタクシに宣伝が来ていたというワケだったのね。

でもマタギベストを着こなす自信がないから、アタクシはやはり遠慮しておきますわ♪

背の高い義妹には、似合うかも。←似合っていなくても、余計なセリフはお口にチャックよ。健康第一ですもの。

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