シーニゲプラッテ頂上の周回トレッキングコース(所要時間約2時間/中級者向き)を実際に歩いたスイス在住ハイカーが、必要な情報を体験に基づきまとめた記事です。
【シーニゲプラッテ頂上で周回トレッキング】Nr.345ルートの特徴
シーニゲプラッテ頂上にある周回トレッキングルートNo.345は、スイスハイキングクラブにより「白・赤・白」のトレッキングトレイルとハイキング標識に表示されているので、初級者もOKのハイキングではなく、中級者以上のレベルが必要な「トレッキング」の表記をこの記事内で使っています。
- トレッキングにオススメの季節:6月半ば〜9月末(鉄道運行は2024年6月15日〜10月20日)
- 距離:6km
- 所要時間:1時間55分
- 上り/下り:スタート地点標高1967m/最高地点標高2076m
- 道のコンディション:道幅は1mほど。ルートのほぼ全体が「ガレ場」のような石
ガレ場
岩屑がガラガラと積み重なった場所をいいます。沢の源頭や高山の稜線に多く、岩が大きくなると「ゴーロ」と呼ぶこともあります。
引用元:山と渓谷オンライン <はじめての登山 歩き方の基本、登山の技術Step5 地形の名称と地形別の歩き方> (閲覧日2024/06/15)
シーニゲプラッテ頂上で周回トレッキング:Nr.345ルートの長所と短所
- (+)他のユングフラウ観光地に比べると、空いている
- (+)登山鉄道のお値段もお手頃
- (+)レトロ登山電車の特別な魅力
- (―)ガレ場はとても歩きにくい
- (―)ルート内の傾斜の変化がきつめ
- (―)シーニゲプラッテ鉄道は故障・遅延が多い(私は2023年、4度の訪問で3度の遅延を体験。下部の体験記に詳細を記載)
シーニゲプラッテ頂上周回トレッキングパノラマルート345:体験記
インターラーケン・オスト駅から電車で2駅目にある「ヴィルダースヴィル(Wilderswil)」駅が、シーニゲプラッテ鉄道の始発駅です。
1893年に開通したレトロ登山電車で、最高勾配度250‰の線路をトコトコ上り、50分後にシーニゲプラッテ駅に到着。
行きは進行方向右側の座席だと、途中にはトゥーン湖、そしてシーニゲプラッテ駅到着前には、アイガー・メンヒ・ユングフラウ側の景色を楽しむことができます。
でも、レトロ電車は窓が大きく、車内からの眺めが左右どちら側の席でも十分堪能できるので、トレッキング前からアルプスの世界にワープ確実♪
シーニゲプラッテ駅到着後、1894年にオープンした「ベルグホテル・シーニゲプラッテ」を目指し、いざパノラマルート345へ。
30分ほど、かなり急な斜面+ガレ場とハイカー泣かせ100%のルートをえっちらおっちらと登りながら、「なぜ私はこんなことやってるんだろう……」と、ハイキング開始した直後に無の境地と正反対の世界に突入した私(涙)。
だけどそんな私を登りつめた先で待っていたのは、左右に広がるトゥーン湖とブリエンツ湖の美しい景色によるごぼうび!
「白雪姫と7人の小人」の小人専用のような切り株に座り、トゥーン湖とブリエンツ湖をぼーっと眺めて、1度目の休憩。
切り株で休憩中、おやつで食べたスイスチョコが効果を発したのか、ゴロゴロの「ゴーロ」やガレ場も何のその。
鬼退治にでも行く気分でガレ場ルートを突き進み、メッシュ階段だってへっちゃらよ。
今日はお天気に恵まれたなぁ……と、目の前に広がるベルナー・オーバーランドの息を呑むような山並みを見つめて、トレッキングスタート時のブツクサ境地を手放した実感に、ジワジワ浸る。
だからハイキング&トレッキングって、やめられない。
心の洗濯に成功したあとは、疲れた体にごほうびの時間。
食事しながら太陽に輝くアイガー・メンヒ・ユングフラウを一望できるって、ものすごく幸せ。
最後のおまけに、シーニゲプラッテ名物のアルプホルン生演奏🎵
……この後、故障で電車が来ないと判明。
他の観光客の話によれば、すでにこの時点で2時間前から電車が運行停止になっているのに、シーニゲプラッテには駅員がひとりもいないので、口頭の情報伝達もオンラインサイトからの情報もないとのこと。
トレッキングで無の境地に達していた私と夫は、動揺することなく、もう一度30分の簡単なルートで周回ハイキング+休憩をする余裕。
それでもまだ電車の気配すらしないので、その後再びレストランでデザートを食す落ち着きよう。
けれどもこの時点で、レストランスタッフが「このまま電車が来なかったら、どうやって下山するか」と、あわてた様子で交わしていた会話を耳に挟んだ途端、私たちの無の境地は雲の彼方へ。
どうやらこの遅延状態は、異常らしいと駅に向かうと、山手線のラッシュ時間のように混み合っているシーニゲプラッテ駅。
先ほど、私たちに電車遅延の情報を伝えてくださった70代半ばとお見受けするご夫婦は、4時間ほどずっと駅のベンチにいたそうで、「焦ることなくもう一度ハイキングをして、その後レストランで休憩って、あなたそれは日本の禅のテクニック?私たちも、そうすれば良かったと、後悔しているわ」と、妙に感心されたけれど、いやいや、私もかなり焦り始めていたのです。
ホテルはこの日、すでに満室だと観光ガイドがツアーグループに伝えているのを聞き、ほとんど残っていなかった携帯食と飲み物の予備を駅の売店で購入。
いっそのこと徒歩で下山しようか、所要時間は2時間45分とGoogleは表示しているけれど、暗くなる前に下山可能かと、他の観光客たちと一緒に相談開始していたところ、ゴトゴトと響く電車の音!
結局、4時間半以上の遅延で無事下山となりましたが、鉄道スタッフからの連絡は最後まで、一切なし。
いくらスイスのサービスは日本とは比べ物にならないとはいえ、そりゃないわ……と、ガレ場トレッキングでガクガク気味の脚の疲れをどっと感じながら、帰路に着いたのでした。
この夜は帰宅後、夫婦でモーベンピックのアイスを爆食いしてストレス解消、再び無の境地に近づく努力をいたしました。
1シーズン4度の訪問で登山電車が3度の遅延(3度のうち2度は30分と1時間の遅延)って、方位でも悪いのかしら(源氏物語じゃないけれど)。
シーニゲプラッテ頂上周回トレッキングパノラマルート345:関連情報
シーニゲプラッテ鉄道・ホテル・高山植物園に関する情報は、コチラ↓のスイス政府観光局公式サイトで、日本語で確認することができます。
シーニゲプラッテでは誕生日当日、鉄道料金とレストランでのデザート無料のサービスが提供されています。お誕生日が観光日にあたるなら、お得で良い思い出作りができますね。詳細は、コチラ↓。
シーニゲプラッテの頂上にあるライブカメラで、現地のコンディション(積雪があるかなど)を出発前に確認することができるので、便利です。