異常気象のために高温が続くスイスの湖で、毒性のある「アオコ」(藍藻)が発生中!
アオコに接触すると、人と動物に中毒症状が出る可能性もあるそうで、すでに犬の死亡事故が起きたという、悲しい報道が現地ではありました。
そこで今回の記事では、猛暑のスイスの湖近辺で注意すべき点を、まとめて解説します。
【猛暑スイスの湖で発生中!】毒性のあるアオコとは?
アオコはどうして嫌われるの? ーアオコの毒ー
アオコの中にはミクロシスティン(ミクロキスティスの一部に含まれる)やアナトキシン(アナベナの一部に含まれる)などの毒を含んだ物があります。この毒は発ガン促進活性を持ち、肝臓に作用します。 これらの毒が人間にどのような影響があるかについては良く知られていませんが、海外ではアオコの発生する場所でカヌーをしていた人が皮膚炎になったり、アオコの水を飲んだ人が下痢をしたりといった事例が知られています。 また、ヨーロッパではアオコの発生した湖の魚を食べることが禁止されている例もあります。海外では、家畜がアオコの入った水を飲んで死亡する例が多く報告されています。
引用元:国立科学博物館 <アオコをつくる藍藻 こどもガイド>
アオコの定義・アオコが発生する状況・アオコの毒についてなどが、とてもわかりやすく解説されているガイドブックです。親子で知識を広めるためにも、役立つ内容です。
【猛暑スイスの湖で発生中!】アオコの毒で犬が死亡/現地の報道から
スイスにある湖や川の水質は、大変清潔であることがスイス連峰の水質管理局からも報告されているのですが、猛暑となると話は別。
連日の異常気象により水温が上昇し、湖ではアオコが発生しやすい状況になっているため、いくつかの地域ではすでに遊泳禁止令が出されています。
アオコは人と動物に有害とのことで、特に注意が必要なのは、子どもと犬。
2022年6月末には、アオコが発生していたヌーシャッテル湖で泳いだ犬が死亡するという、悲しい出来事が報道されました。
<関連サイト>
スイス連邦 <Bathing water quality>
SRF <So verbreitet sind Blaualgen in Schweizer Seen> (更新日2022/06/21)(閲覧日2022/08/08)
【猛暑スイスの湖で危険なアオコが発生中!】接触で起こりうる反応
アオコが発生している水との接触・誤飲が引き起こす反応は、
- 肌・粘膜などの炎症
- 嘔吐/下痢
- 呼吸困難/意識が朦朧とする
- 筋肉の痙攣
- アレルギー反応
とのことです。
参照サイト:Kanton Zürich <Empfehlungen zum Umgang mit Blaualgen> (更新日2022/05)(閲覧日2022/08/08)
【猛暑スイスの湖で危険なアオコが発生中!】湖・湖畔で注意すべき点
猛暑の2022年夏、アオコが発生しているスイスの湖・湖畔で具体的にどのような点に注意を払うべきなのか。
チューリッヒ州が推奨しているアオコへの対応で注意すべき点は、以下の通りです。
【湖で水との接触を避けるべき/注意すべきこと】
- 膝までの水深で、発生している藻のために自分の足が見えない
- 水が目立つほど変色し、藻が集まっている
- 敏感肌(特に幼児)の持ち主は、綺麗な水の部分だけで泳ぐように
- 水を誤って飲まないように
- 泳いだ後は、シャワーをよく浴びて、体を乾かす
個人的には、アオコが発生していると目で見てわかる場合には、湖の水に触らないようにしたほうがいいのでは、と思います。
【犬の飼い主への注意点】
- 犬を濁った水や水溜りの近くに行かせない/泳ぎも禁止
- 犬が万一、濁った水に触れてしまった場合、手足や毛をなめないように注意!できるだけ早く、清潔な水で毛を洗い流すように
愛犬のお散歩の際、皆さんお気をつけて!
参照サイト:Kanton Zürich <Empfehlungen zum Umgang mit Blaualgen> (更新日2022/05)(閲覧日2022/08/08)
【猛暑スイスの湖で危険なアオコが発生中!】湖畔の立て札に注目して
スイスでは、水質の調査などが徹底して行われますから、船での湖遊覧・湖畔での散歩など、直接水と接触しなければ、たとえアオコが発生していても、旅行や滞在で心配しすぎる必要はないと思います。
もし水質が危険値を示している場合には、湖のほとりに上の画像のような立て札が見つかると思いますので、その際は船の発着所や売店、もしくは滞在先のホテルなどで、確認してみることをオススメします。
猛暑のために、ちょっとざわついていますが、皆さんのスイス滞在が素敵なものになることを願っています。