宇野昌磨選手とステファン・ランビエールコーチ/スイス発お宝情報あり

エッセイ

平昌五輪で銀メダル獲得後にスランプに陥った宇野昌磨選手復活の立役者、ステファン・ランビエールコーチ。

北京五輪での銅メダルに続き、フランスのモンペリエで開催されたフィギュアスケート世界選手権で初優勝の快挙を成し遂げた宇野昌磨選手とランビエールコーチを結ぶ絆は、キス・アンド・クライの映像からも手に取るように感じられます。

この記事では、

  • 動画でたどる宇野昌磨選手の幼少時代からの歩み
  • 宇野昌磨選手とステファン・ランビエールコーチの絆を感じるインタビュー動画
  • スイスのメディアで発掘した、ステファン・ランビエールコーチの知られざる素顔

をまとめてご紹介します。

ランビエールコーチと同じスイス・アルプスの清らかな空気に包まれて暮らしている私。せっかくの機会なので、ランビエールコーチの地元メディアでのインタビューから、日本未公開と思われる興味深いお宝情報をピックアップしました。

動画でたどる宇野昌磨選手の幼少時代からの歩み

名古屋テレビのニュース公式チャンネル・メ〜テレニュースが、2007年から2021年までの数回にわたり取材した宇野選手へのインタビューをまとめた、興味深い動画です。

インタビュー全体を通じて、自分が好きなことに熱中している様子、そして「オリンピックで金メダル」という目標を見据えて、ブレることなく歩んできた宇野選手の姿勢が伺えます。

宇野昌磨選手の発言から見る「夢を叶える歩み」
  • 2007年
    「オリンピックで金が将来の夢です」
  • 2011年
    初詣のお願いで絵馬に「トリプルアクセル飛ぶぞ」
  • 2015年
    1年の目標「4回転サルコウをとべたら、とびたい」
  • 2016年
    「1試合ずつやっていくなかで、オリンピックに出場できたらと今は思っています」
  • 2018年
    「自分の実力を出せてうれしい。次の五輪に向けてがんばろうという気持ちが芽生えました」
  • 2021年
    「五輪に出られるよう一つ一つの試合を全力で」

  • 引用元

    『フィギュア大好き少年』がオリンピック2大会連続メダリストになるまで
    (更新日2022/02/03) (閲覧日2022/04/02)

メ〜テレの動画での宇野選手の発言からは、当時まだ9歳だった宇野選手が掲げていた「オリンピックで金メダル」という夢をつかむために、14年の間に一歩ずつ着実に目の前の目標をクリアしながら前進している姿が浮き彫りになっています。

それにしても宇野選手のキュートなこと!

イタリアのカフェでホットミルクティーを注文したのに、ホットミルクが出てきてしまい、「英語・・・ホントに必要だなって思います」という発言もとってもお茶目な宇野選手。

そうそう、好きな食べ物や飲み物が簡単にオーダーできない瞬間って、海外生活の不便さをいちばん感じるときなのよね、なんて自分の体験と重ねてしまいました。

宇野昌磨選手とステファン・ランビエールコーチの絆がアツい

順調にフィギュアスケーターとして歩んできた宇野選手は、2018年に平昌五輪で銀メダルを獲得した後、コーチなしで挑んだ2019年のGPフランス大会で、8位という本人にとっては不甲斐ない結果となりました。

シーズン途中であったにもかかわらず、スランプに陥っていた宇野選手を受け入れたランビエールコーチ。そして失意のフランス大会のわずか1ヶ月後に、宇野昌磨選手は全日本選手権で復活優勝を遂げたのです。

宇野昌磨選手は、数々のインタビューで「自分で考えて納得したことしかできないタイプ」と自己評価しているので、ポジティブに寄り添うコーチング法のランビエール流が、まさにドンピシャだったのでしょうね。

中京テレビスポーツのYouTube動画で↑ランビエールコーチについて語る宇野選手のお話からは、おふたりをつなぐ信頼の絆の強さがありありと感じられます。

ランビエールコーチは、自分の指導法について、コチラの動画の中で以下のようにコメントしています。

もし私が彼らの個性を無視してあれこれ毎回指示していたら、それなりの選手にはなるかもしれませんが、素晴らしい選手にはなれないと思います。・・・彼ら(選手)が自立して、もう僕が必要なくなることが目標です。

引用元:YouTube 未来をここからプロジェクト テレビ朝日 フィギュアスケート宇野昌磨 復活支えたコーチの褒める指導~未来は褒めることから~【未来をここから】×【TOKYO応援宣言】

このランビエールコーチのお言葉を耳にして、私はハッとしました。

なぜなら、「選手の自主性を重んじる」ランビエールコーチの指導法は、北京オリンピック・スケートボードの金メダリスト、平野歩夢選手のお父様・英功さんの指導法とまるで同じなのです。

平野歩夢選手のお父様・平野英功さんのコーチング法について興味のある方は、コチラの記事をご覧ください。

スイスのメディアで発見!ステファン・ランビエールコーチのお宝情報

氷上で優雅に舞い踊るフィギュアスケーターたち。そのなかでも、ステファン・ランビエールさんほど観客のハートを惹きつけるパフォーマーは、稀です。

【ステファン・ランビエールコーチの主な経歴】
  • 2005年
    世界選手権優勝。スイス選手として58年ぶりの快挙
  • 2006年
    トリノ五輪で銀メダル/世界選手権で2連覇
  • 2008年
    ケガにより引退表明
  • 2010年
    バンクーバー五輪に復帰(4位)。現役を引退
  • 2014年
    スケート学校をスイス・ヴァリス州のChampéryにオープン
  • 2016年
    コーチとしてスタート
  • 2019年
    宇野昌磨選手のコーチに就任

宇野昌磨選手のファンで、まだステファン・ランビエールコーチの氷上でのパフォーマンスを見たことがないという方は、コチラ↓の動画をぜひご覧ください。・・・そして、ランビ様のお姿で目の保養をなさりたい方も、ぜひどうぞ。ほ〜んとにため息が出てしまうほど、美しい!

ちなみに、「YOU’RE BEAUTIFUL」のシンガーソングライター、ジェームズ・ブラントさんは冬の間、ヴァリスにある別荘で過ごすことが通例となっているので、ランビエールコーチともART ON ICEで2019年に共演しています。

【ステファン・ランビエールコーチ】日本未公開のスイス報道秘蔵情報

宇野昌磨選手復活の立役者として、指導者としての力量も注目を浴びているステファン・ランビエールコーチ。

奇しくもこの記事を投稿する4月2日は、ランビエールコーチのお誕生日(1985年生まれ)。なんという偶然!おめでとうございます♪宇野選手の世界選手権での優勝が、ランビエールコーチにとっては最高のお誕生日プレゼントかもしれませんね。

選手時代からランビエールコーチを応援している日本のファンの皆様が、おそらく「これまで目にしたことがないお宝情報」を、以下にご紹介していきますね。

【ランビエールコーチの秘蔵情報】スケート学校を開設した経緯

外部リンクSkating School of Switzerland (ランビエールコーチのスケート学校のオフィシャルサイト)

2010年、バンクーバー五輪引退後のこと。それまでのスケーター人生を振り返り、平均寿命の3分の1は過ぎてしまったという虚脱感に包まれ、24歳という若さで、感情的に燃え尽きてしまったとランビエールコーチは思ったそう。

人生の新たな方向性が見つからず、最初は他のスケーターへの振付師やセミナー講師として仕事を開始。

次第に、他人が自分の話を聞いてくれる様子から自分の影響力を発見。引退当初は「自分には向いていない」と思っていたコーチ業に興味が湧いたとか。

最終的に、スケート学校を設立するきっかけとなったのは、2014年のソチ五輪。ソチ五輪に参加したスイスのフィギュアスケート選手が、なんとゼロ人だったことにショックを受け、後輩育成のためにスケート学校開設を決意したそうです。

「アイス・ショーに出演するだけでも、収入は得られるが、それだけではつまらない」と感じ、「自分の知識を人に与えることが嬉しい」と、いくつかのインタビューで目にしました。

ちなみに、ランビエールコーチが運営するスケート学校では、現役時代ご自身のコーチだったPeter Grütterさんと、コーチ兼振付師のSalome Brunnerさんも、指導者としてご活躍中のようです。

人とのお付き合いを大切にするランビエールコーチのお人柄があふれているようで、なんだかほっこりしますね。

【ランビエールコーチの秘蔵情報】ソファでポテチは無縁

ランビエールコーチはお仕事が楽しくてたまらないようで、あえて休みを取りたいと思わないそうです。

まったく家でゴロゴロするタイプではなく、たま〜に自宅のソファでくつろぐときには、圧縮ソックスを履いて筋肉をリラックスさせながら映画を見たり、本を読んだりするそうです。

ランビエールコーチのご自宅の様子がわかる動画はコチラ。残念ながら、音声が良くないのでご注意ください。

【ランビエールコーチの秘蔵情報】プライベートのアレコレ

  • 初恋のお相手はメラニーちゃん。今でも良い友人のひとり
  • 携帯電話の待ち受け写真は、1970年代にスイスのLenzerheideで撮影されたPeter Grütter コーチのお写真
  • 16歳のころには、ブリットニー・スピアーズとマイケル・ジャクソンのポスターをお部屋に貼っていた
  • 最も影響を受けた本は「星の王子さま」(←って、どこまで王子さまなの)
  • 自分のお葬式で流してほしい曲は、ヴィヴァルディの四季。子ども時代の思い出に結びつく曲であり、2006年に世界選手権で金メダル・五輪で銀メダルを獲得したプログラムの曲だから
  • お祖母様がポルトガルにご健在で、春か秋には息抜きに訪れることが多い
  • 甘いものが大好き。ポルトガルのリスボンにあるパティスリーがお気に入り

ランビエールコーチがお気に入りのお店Confeitaria Nacionalは、1829年に開業したリスボンの街で最古のパティスリーです。

ランビ様のおすすめだったから、リスボンに滞在したとき、私も家族と足を運びました。「ママ、わざわざこのお店に来たのは、ランビエールのせいでしょ?」と、娘に鋭く指摘されたのです。大当たりよ(笑)。

【ランビエールコーチの秘蔵情報】選手にかける魔法の言葉

ご自分の現役時代、Peter Grütter コーチは、「ヴァリス人(ランビエールさんの出身地)のスケートの舞をみんなに見せてきなさい」とハッパをかけて、大会の舞台である氷上にランビエール選手を送り出したとか。

お世話になったコーチの習慣と同じように、自分の教え子たちが大会に挑む際には、選手を勇気づける言葉をかけるように、ランビエールコーチは心がけているそうです。

宇野昌磨選手が語るランビエールコーチの「魔法の言葉がけ」

2021年末の全日本選手権のショートプログラム直前に、

サルコウでもいいし、フリップでもいいし、多分どちらでも君はできるよ

引用元:REALSPORTS 宇野昌磨が「その全てを受け入れる」と決意した覚悟。恩師のために…2度目の五輪で渇望するもの
(更新日2022/01/08) (閲覧日2022/04/02)

とランビエールコーチがかけた言葉で、宇野昌磨選手は4回転フリップを決意したというコメントをしています。

ランビエールコーチの「魔法の言葉がけ」は、試合前だけではないようです。

2021年の世界大会で、4位にとどまった宇野選手は、優勝者ネイサン・チェン選手の演技終了後に、

君が彼のように世界一になるには、何が必要だと思う?

引用元:REALSPORTS 宇野昌磨、人生のどん底から這い上がった3年の軌跡。遂に辿り着いた世界王者の、その先へ…
(更新日2022/03/30) (閲覧日2022/04/02)

とランビエールコーチが放った質問から、コーチが自分の可能性を信じてくれている事実を感じ取り、世界一を目指す原動力になったというエピソードも話しています。

宇野昌磨選手とランビエールコーチは表現力の王者:成功への道は続く

現在の宇野昌磨選手の演技を見ていると、体全体から「スケートが楽しい!」という喜びが、弾けるように伝わってきます。なんと繊細で、大胆で、美しい演技なのか。

「シルバー・コレクター」の呼び名を返上した、2022年世界選手権で世界一に輝いた宇野昌磨選手の華麗な演技は、コチラ↓の動画でお楽しみいただけます。

宇野昌磨選手の世界選手権2022年における演技を見てあらためて思うのですが、宇野選手とランビエールコーチという表現力の豊かさが突出しているスケーターであるお二人の出会いは、まさに運命的。

高橋大輔さんの表現力に幼いころから憧れていた宇野選手と、類い稀なる芸術性の高さでフィギュア・スケート界を風靡していたステファン・ランビエールコーチの世界一への歩みは、今始まったばかり、という気がします。

子どものころからの夢、「オリンピックの金」に向かって、ランビエールコーチと二人三脚で歩む宇野昌磨選手の今後のさらなる活躍が、本当に楽しみです!

宇野昌磨選手来シーズンの新SPはランビエールコーチの魅力満載

プリンスアイスワールド2022-2023 in YOKOHAMA「Brand New StoryⅢ」~Our Compass~ 横浜公演での宇野昌磨選手の映像を見ていたら、ランビエールコーチのスケーティングの魅力が満載!

宇野選手、ますます魅力的ですね〜。宇野選手とランビエールコーチは、まさにゴールデンコンビ。

さて、テレビ東京スポーツとの独占インタビューでは(更新日2022年5月27日)、来季のSP・プレッシャーとの付き合い方・世界選手権優勝を含むこの1年を振り返っての思い・そして競技につきものの「失敗」についてなどを、宇野選手は語っています。

それにしても宇野選手って、清々しいお人柄ですね。自分を客観視できて、どの質問に対しても率直に、聞き手に思いが伝わるように返答している宇野選手からは、過去の困難を乗り越えたからこそ身についた強さが溢れていて、「ブレがない」という感じ。

けれども、宇野選手はいつからこんなに「言葉選びの達人」になったのでしょう。

もしかしたらこれも言葉選びがお上手なランビエールコーチの影響かしらなどと、ランビエールコーチびいきの私は勝手に解釈してしまったのですが、宇野選手のファンの皆様、お許しを。心がブレずにいれば、苦手な4ルッツもきっと上手くいくはずです!

GPファイナルトリノ2022:宇野昌磨選手今季世界最高得点で初優勝!

フリーでは自己ベスト(204.47点)、そして合計ではなんと今季の世界最高得点(304.46点)という素晴らしい結果で、ランビエールコーチにとっても特別な思い入れのあるイタリアのトリノで、GPファイナル2022の初制覇を果たした宇野選手。おめでとうございます!!

コチラ↓は宇野選手の優勝で感極まるランビエールコーチの様子♪

ますます洗練されていく演技に加え、相変わらず謙虚でチャーミングなお人柄の宇野選手と、ランビエールコーチの巡り合いに、スケートファンの私は、ただただ感謝!

コチラ↓は、おふたりの仲の良い師弟関係がうかがえる微笑ましい動画。

宇野昌磨選手、世界フィギュアスケート選手権権連覇!日本男子初の快挙

足首のケガにもかかわらず、全力を尽くした宇野選手の演技は、視聴者の胸を打つ素晴らしい演技でした。

2連覇のプレッシャー、しかも大会開催地は日本という状況での「自分との闘い」は、想像し難いほど高いハードル。

宇野選手の演技を見終わった段階でも感極まっていた私の涙腺を、完全に崩壊させたのは、宇野選手とランビエールコーチのやり取り↓。

(ランビエールコーチ)君は真の王者だ。2回も勝ってるんだから。

(宇野昌磨選手)本当にありがとう。

引用元:フジテレビ SPORTS 男子優勝 宇野昌磨 「キス&クライの真実…」【世界フィギュアスケート選手権2023】

もう本当に、宇野選手とランビエールコーチの出逢いを可能にしてくれたスケートの神様に、感謝!

宇野昌磨選手の世界フィギュアスケート選手権連覇の快挙を、ランビエールコーチのお膝元で私の居住地でもあるスイスのメディアは全般的に、

ランビエールの教え子が再び金メダル
300点を超える得点(301.14)で王者らしい確実な演技を披露

的な内容で報道しているのですが、おふたりのファンである私にしてみると、ちょっとあっさりしすぎでチラリと不満を覚えるほど(笑)。宇野&ランビエールコンビの偉業を、もっと盛大にほめてほしい!

けれども今回の世界フィギュアスケート選手権では、まだ16歳のルーカス・ブリツギ選手(スイス)が第8位と大健闘したニュースが地元では注目の的であるため、致し方ないのかもしれません。

見事なSPの演技と、いつもながら胸が温まる宇野選手とランビエールコーチのキス&クライ動画は、何度見ても飽きません。

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ステファン・ランビエールコーチのスイスのメディアにおけるインタービュー記事の、参照元ウェブアドレスは、コチラです。

参照元サイトBlick «Ich entspanne mit Kompressionsstrümpfen»
(更新日2019/02/06、2021/01/05)(閲覧日2022/04/02)

参照元サイトCOOP Zeitung Eiskunstlauf-Star als Reiseführer
(更新日2014/10/11)(閲覧日2022/04/02)

参照元サイトスイス・ヴァリス州の公式サイト Wallis Seine neue Passion (更新日2018年11月)(閲覧日2022/04/02)

参照元サイトSCHWEIZER ILLUSTRIERTE «Der Körper muss einfach funktionieren»
(更新日2016/04/22)(閲覧日2022/04/02)

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